事業内容
ジャフコ グループ株式会社は1973年設立、2001年東証一部上場(現プライム市場)の独立系ベンチャーキャピタルである。機関投資家・事業会社から資金を募集してファンドを組成し、有望な未上場企業へのベンチャー投資とバイアウト投資を行う。
2025年4月に国内投資への集中を決定し、アジア子会社(JIAP)および米国子会社(Icon)の全株式を譲渡完了。現在は国内ファンドのみを運用する純粋な国内特化型ファンド運用会社へと転換した。
投資先企業に対しては「CO-FOUNDER」として経営に深く関与し、IPOやM&AによるEXITを通じてキャピタルゲインを実現する。運用中ファンドのコミットメント総額は312,800百万円、投資残高は154,785百万円・215社に及ぶ。
ビジネスモデル
収益源は①ファンドから受領する管理報酬(運用資産残高連動)と成功報酬(投資成果連動)、②ファンドへの直接出資持分に帰属するキャピタルゲインの二本柱。当事業年度の投資事業組合管理収入(国内投資分)は3,544百万円、キャピタルゲイン(国内投資分)は9,467百万円。
ファンドへの当社出資比率は現在34.7%で、中長期的に20%へ段階的に低減し資本効率を高める方針。
企業の強み
1973年設立以来、国内ベンチャーキャピタルの草分けとして投資実績を積み重ねてきた。2026年3月末時点で運用中・延長中ファンド16本、コミットメント総額312,800百万円、投資残高154,785百万円・215社(うち未上場192社・151,861百万円)の厚みあるポートフォリオを保有する。
2026年3月末の純資産134,113百万円、自己資本比率85.0%、現金及び現金同等物61,183百万円と財務基盤は極めて強固。DOE6%または配当性向50%のいずれか大きい方を配当する方針を採用し、当事業年度の年間配当は1株当たり133円を実施。
余剰現預金は自己株式取得に充当する方針も継続している。
2018年導入のパートナーシップモデルにより、ファンド運用責任を負うパートナーを中心としたフラット組織を構築。SV6ファンド以降はパートナー・従業員も当社とともにファンドへ出資し、個人としても運用リスクを負いながらファンドパフォーマンスと連動した成果報酬を享受する仕組みを整備。
個人に過度に依存しない持続的な投資運用力の向上を目指している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は21,619百万円(前期28,192百万円、△23.3%)、営業利益5,607百万円(前期12,066百万円、△53.5%)、当期純利益6,576百万円(前期9,632百万円、△31.7%)。主因は新規IPO件数が8社から2社へ急減したことによるキャピタルゲインの縮小。
加えてJIAP・Icon株式譲渡に伴う会計処理変更(総額法→純額法)により売上高・売上原価の計上構造が変化し、他社ファンド運用損2,073百万円が営業外費用に計上された。一方、JIAP・Iconからの配当収入2,429百万円(営業外収益)や子会社株式売却益350百万円・投資有価証券売却益2,143百万円(特別利益)が当期純利益を下支えした。
過去5期の推移(2022期営業利益16,876百万円→2023期△4,414百万円→2024期8,175百万円→2025期12,520百万円→2026期5,607百万円)が示す通り、IPO市場環境(外部要因)に連動した大幅な業績変動が構造的特性として継続している。
成長戦略
国内投資集中・SV8シリーズ組成・資本効率改善の三位一体戦略
2025年12月に設立したSV8シリーズは2026年4月24日時点で約580億円規模に達しており、前回SV7シリーズ総額978億円超を目標に募集継続中。組成完了により管理報酬収入の安定的な積み上げが期待される。
未上場エクイティ投資残高151,861百万円(215社)および上場営業投資有価証券の含み益16,996百万円(国内投資分)を抱えており、IPO・M&AによるEXITが進捗すれば大規模なキャピタルゲインが実現する。2026年3月期のIPOは2社にとどまり進捗は低調。
年間配当金額をDOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針を維持。2026年3月期は133円(配当金総額7,015百万円)を実施し、自己株式取得4,999百万円と合わせた総還元を実行。次期も年間133円以上(最低額)を予定。
JIAP(アジア)およびIcon Ventures(米国)の全株式譲渡が2025年10月〜2026年1月に完了し、非連結(個別)決算へ移行。国内ファンド運用に経営資源を集中させる体制が確立された。財務諸表の透明性向上と意思決定の迅速化が期待される。
最終更新: 2026年7月19日

