事業内容
日本証券金融株式会社(日証金)は、金融商品取引法に基づく内閣総理大臣免許を受けた我が国唯一の証券金融会社である。制度信用取引に必要な資金・株券を証券会社に貸し付ける貸借取引業務を核とし、債券レポ・現先取引、株券レポ取引、一般貸株等のセキュリティ・ファイナンス業務を展開する。
連結子会社として管理型信託銀行業務を担う日証金信託銀行、不動産賃貸・管理を担う日本ビルディングを擁し、持分法適用関連会社2社(情報処理サービス業)を含むグループを形成。主要顧客は国内外の証券会社・金融機関・機関投資家であり、株式・債券市場の円滑な流通と適正な価格形成を支える公共的役割を担う。
ビジネスモデル
コールマネーやコマーシャル・ペーパー等の市場性資金を調達し、証券会社・金融機関に資金・有価証券を貸し付けることで利鞘を得る。債券レポ・現先取引では貸し手と借り手のニーズをマッチングする仲介取引として残高規模が拡大。
信託銀行子会社は証券会社の顧客資産分別管理信託等の管理型信託サービスで手数料収益を獲得。不動産賃貸子会社はグループ所有不動産の安定賃料収入を提供し、収益の複線化に貢献する。
企業の強み
金融商品取引法第156条の24に基づく内閣総理大臣免許を受けた我が国唯一の証券金融会社であり、制度信用取引の貸借取引業務を独占的に担う。1949年の証券金融業務開始以来70年超の業歴を持ち、競合他社が短期間で参入できない規制上の参入障壁が恒久的な競争優位を形成している。
貸借取引業務(2026年3月期営業総利益6,977百万円)、セキュリティ・ファイナンス業務(7,095百万円)、有価証券運用等(2,794百万円)、信託銀行業(4,295百万円)、不動産賃貸業(1,110百万円)と収益源が多岐にわたる。第7次中計期間中に収益源の多様化が一定の成果を上げ、連結経常利益149億円・ROE7.8%を達成した。
統合リスク管理の枠組みのもと信用リスク量を日次で計量し、リスク資本の枠内で管理。債券レポ・現先取引では日々時価評価とマージンコールによりネットエクスポージャーを抑制し、取引先の大半が信用度の高い金融機関または中央清算機関の債務引受対象。
指名委員会等設置会社への移行(2019年)によりガバナンス体制も強化されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結営業収益は114,211百万円(前期比92.0%増)、営業利益14,016百万円(同23.7%増)、経常利益14,996百万円(同19.9%増)、親会社株主帰属当期純利益10,611百万円(同2.3%増)。外部要因として株式市況の堅調推移と市場金利上昇が貸借取引業務・株券レポ取引等の資金需要を押し上げ、買現先利息(32,779百万円)・借入有価証券代り金利息(29,934百万円)が急拡大した。
前期計上の特別利益1,828百万円剥落により純利益の伸びは限定的。2027年3月期は営業利益14,400百万円(同2.7%増)と増益継続を予想するも成長ペースは鈍化見込み。
成長戦略
セキュリティ・ファイナンス業務の拡充と収益複線化でROE・PBR改善を目指す第8次中計
外国金融機関等との取引拡大と取扱有価証券の多様化を推進。2026年3月期の平均残高は132,523億円(前期比10,364億円増)と拡大し、株券レポ取引等は10,775億円(同2,705億円増)と高成長を維持。
第8次中期経営計画を契機に、セキュリティ・ファイナンス業務・信託銀行業務向け有価証券635,339百万円を流動資産に変更。業務実態に即した資産管理と運用効率の向上を図る。
日証金信託銀行のセグメント利益は2,783百万円(前期1,755百万円、前期比58.6%増)と大幅拡大。管理型信託サービスの需要拡大と市場金利上昇による運用収益増加が寄与し、グループ収益多様化に貢献。
2026年3月期年間配当86円(配当性向66.3%)、自己株式取得3,401百万円を実施。2027年3月期は年間配当94円(配当性向69.2%予想)へ引き上げ予定。自己株式消却(8,202百万円相当)も実施し資本効率改善を図る。
最終更新: 2026年7月19日

