事業内容
セブン銀行グループは、セブン‐イレブン等の店舗を中心に国内28,536台(2026年3月末)のATMを展開し、696先の提携金融機関等に対してATMサービスを提供する国内最大級のATMオペレーターである。銀行業として普通預金・定期預金・個人向けローン・海外送金等の金融サービスも提供し、個人口座数は3,500千口座に達する。
連結子会社のセブン・カードサービスがクレジットカード「セブンカード・プラス」と電子マネー「nanaco」(会員数8,470万人)を運営するほか、米国・インドネシア・フィリピン・マレーシアの4カ国でATM事業を展開する。主要顧客は国内外の金融機関・コンビニ利用者・個人預金者であり、決済インフラとしての社会的役割を担う。
ビジネスモデル
主収益源は提携金融機関等からのATM受入手数料(役務取引等収益200,981百万円の大部分を占めるATM関連業務159,240百万円)であり、ATM設置台数と利用件数の拡大が直接収益に連動する。これに加え、個人向けカードローン(残高90,843百万円)や定期預金等の資金運用収益、セブン銀行後払いサービス(取扱高1,035億円)、海外ATM運営収益(経常収益43,602百万円)が収益を多層化している。
設備投資(当期26,531百万円)を通じてATMネットワークを維持・拡大し、規模の経済を追求する構造である。
企業の強み
2026年3月末時点で国内ATM設置台数28,536台(前期比1.9%増)、提携金融機関等696先を擁し、原則24時間365日稼働する。ATM総利用件数は1,122百万件(前期比3.0%増)、1日1台当たり平均利用件数109.2件と高稼働を維持しており、競合他社が短期間で模倣困難な物理的ネットワーク資産を形成している。
2019年9月から進めてきた第4世代ATMへの全台入替を2025年3月末に完了。本人認証・スキャニング機能等を活用した「+Connect(プラスコネクト)」サービスを展開し、ATMを現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させる基盤が整備済みである。
2026年3月にはファミリーマートとATM設置契約を締結し、4年程度で約16,000台の追加設置を予定している。
電子マネー「nanaco」会員数8,470万人(前期比1.6%増)、個人預金口座数3,500千口座(前期比4.1%増)、個人向け預金残高652,400百万円(前期比7.3%増)を保有する。セブン‐イレブンとの長期ATM設置契約(5年自動更新)に裏付けられた顧客接点の継続性が、リテール金融事業の拡大基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022期136,667百万円から2026期220,025百万円へ5期連続増収。2026期は前期比2.6%増と増収ペースは鈍化したが、ATM受入手数料(159,240百万円、前期比1.8%増)と外部要因としての金利上昇による資金運用収益(15,866百万円、前期比43.1%増)が牽引した。
一方、親会社株主帰属当期純利益は2024期31,970百万円をピークに2期連続で大幅減少し、2026期は13,476百万円。2026期はクレジットカード事業の減損損失8,456百万円が主因。
第4世代ATM更改に伴う減価償却費増(30,980百万円)も経常利益を圧迫しており、経常利益率は13.7%(前期14.1%)と低下傾向が続く。
成長戦略
ATMサービスプラットフォーム化・金融リテール拡充・海外展開の3軸で第二の成長を具体化
第4世代ATM全台入替完了(2025年3月末)を基盤に、金融機関等の各種手続きをATMで受け付ける「+Connect」の提供を開始。ATMを現金プラットフォームからサービスプラットフォームへ進化させ、手数料収益の多様化と付加価値向上を図る。
個人向けローン残高792億円(前期比30.8%増)、個人口座数3,500千口座(前期比4.1%増)、セブン銀行後払いサービス取扱高1,035億円(前期比35.5%増)と高成長を継続。金利上昇環境も追い風として資金運用収益の拡大を図る。
米国(9,583台、前年比15.0%増)、フィリピン(4,009台、前年比14.0%増)でATM設置台数を積極拡大。2025年1月にはマレーシアでの新規展開を開始(98台)。
海外事業セグメントは経常収益43,602百万円、経常利益3,583百万円を計上。一部海外子会社ATMの耐用年数見直し(5年→8年)により減価償却費低減効果(583百万円)も発現。
2025年9月に伊藤忠商事と資本業務提携契約を締結し、第三者割当による自己株式処分を実施。伊藤忠商事の議決権比率が20%超となりその他の関係会社に該当。セブン&アイ・ホールディングスが親会社から外れ、新たな株主構成のもとで事業シナジーの創出を図る。
最終更新: 2026年7月19日

