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株式会社阿波銀行

8388東証プライム銀行業

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株式会社阿波銀行8388

事業内容

株式会社阿波銀行は1896年創業、徳島県に本拠を置く地方銀行で、東京証券取引所プライム市場上場。国内105か店を通じ預金・貸出・有価証券投資・外国為替・信託・保険販売・金融商品仲介など幅広い金融サービスを提供する。

連結子会社7社(阿波銀保証・阿波銀カード・阿波銀コンサルティング・阿波銀コネクト・阿波銀キャピタル・阿波銀リース等)を擁し、銀行業に加えリース業も展開。中小企業向け貸出(貸出金比率78.31%)を中核に、野村證券との包括的業務提携による金融商品仲介(仲介残高1,357,963百万円)や各種ファンドを通じた創業・事業承継支援も手掛け、地域の産業振興と個人の資産形成を支援する総合金融グループである。

ビジネスモデル

主収益源は貸出金利息(2026年3月期32,323百万円)と有価証券利息配当金(同22,239百万円)からなる資金利益(同45,572百万円)。これに野村證券との提携による金融商品仲介手数料や法人本業支援手数料を中心とした役務取引等利益(同9,553百万円)、子会社・阿波銀リースのリース売上高(同18,030百万円)を加えた多層的な収益構造を持つ。

調達コストは預金・借用金が中心で、資金利鞘の管理と有価証券ポートフォリオの高利回り化が収益改善の主軸となっている。

企業の強み

国内店貸出金残高2,521,425百万円のうち中小企業等貸出金比率は78.31%に達し、製造業・不動産業・卸小売業など多業種に分散した取引先を保有。事業性評価に基づくコンサルティング営業と「永代取引」の理念により、世代を超えた長期的な顧客関係を構築している。

2021年4月に開始した野村證券との包括的業務提携に基づく金融商品仲介業務の預かり資産残高は1,357,963百万円(前期比303,000百万円増)に拡大。証券関連業務手数料は3,187百万円と前期比367百万円増収となり、役務収益の安定的な成長エンジンとして機能している。

低利回り円債を計画的に売却し高利回り債券へ入れ替える戦略を実施。2025年度の入替実績は売却929億円(利回り0.45%)・購入966億円(利回り1.66%)で、有価証券利回りは2.38%(前期比0.44ポイント上昇)に改善。有価証券利息配当金は前期比4,567百万円増収となった。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は経常利益21,825百万円・当期純利益15,527百万円といずれも過去最高益を達成。外部要因として日銀の利上げ継続が貸出金利回り(1.31%、前期比+0.15pt)・有価証券利回り(2.38%、同+0.44pt)を押し上げた。

一方、預金利息は2,233百万円から6,680百万円へ約3倍に急増しており、今後の調達コスト上昇ペースが資金利鞘の持続性を左右する。総資金利鞘は0.39%(同+0.15pt)と改善しているが、引き続き注視が必要。

2026年3月期の年間配当は142円50銭(前期比47円50銭増)、配当性向35.9%。2027年3月期は190円(予想)と更なる増配を計画し、株主還元方針を「配当と自己株取得の合計で純利益の40%以上」から「配当性向40%以上」に変更。

自己株取得も機動的に実施する方針で、2026年2月〜3月に175千株・999百万円を取得済み。PBR改善に向けた資本政策の具体化は評価できるが、連結自己資本比率(10.48%)の低下傾向(前期比0.20pt低下)との両立が課題。

徳島県は高齢化・人口減少のスピードが全国でも速く、県内総生産は全国の1%未満。地元市場の縮小は中長期的な構造リスクであり、徳島県内貸出金(期末残高12,979億円)は前期比149億円減少している。

対抗軸として関東・関西・中四国への広域展開(同地区貸出金は前期比828億円増)と、3年間で人的資本投資20億円・デジタル投資50億円の成長投資を計画。修正OHRは56.11%(前期比6.08pt改善)と効率化は進んでいるが、投資拡大局面での経費増加(2027年3月期予想319億円、前期比19億円増)との収益バランスが注目点。

成長戦略

「Growing beyond 130th」のもと、永代取引の進化・DX・人的資本投資・株主還元充実を推進。

「永代取引」を基軸に中小企業向け貸出金の増強を継続。関東・関西・中四国地区での貸出残高は2016年3月末比で128〜233%に拡大。

2027年度末までに貸出金末残を25,909億円(2025年度末比662億円増)に引き上げる計画。外航船・ストラクチャードファイナンス等の本部施策も組み合わせ、2年後に平残比4%超の増強を目指す。

野村證券との包括的業務提携により金融商品仲介残高は1兆3,579億円に達し、当初目標を2年前倒しで達成済み。引き続き預金・保険・証券をワンストップで提供する総合金融サービスを深化させ、ストック型手数料収入の拡大を図る。

役務取引等利益は2027年3月期予想で83億円(2026年3月期比4億円増)を見込む。

低利回り円債の計画的売却と高利回り債への入替を継続。2025年度は929億円(利回り0.45%)を売却し966億円(利回り1.66%)を購入。

円債利回りは2028年3月期に1.60%到達を予想。アセットスワップの一部解約に伴う解約益も2027年3月期に計上予定。

有価証券評価益は1,795億円と健全性を維持しつつ収益性を向上させる。

3年間で人的資本投資20億円・デジタル投資50億円を計画。2025年6月にデジタルイノベーション推進課を設置し、AI活用・デジタル人材300名育成・行内業務改革を推進。

従業員向け株式報酬制度(ESOP信託)を2026年3月期より導入。修正OHRは56.11%(2027年度目標55%未満)と目標達成に向け順調に推移。

2026年度より株主還元方針を「配当性向40%以上(連結)」に変更し、利益成長を通じた1株当たり配当金の増配を目指す。2027年3月期の年間配当予想は190円(2026年3月期142円50銭)。

政策保有株式は2025年3月末比3年間で簿価ベース40億円縮減を計画し、成長投資へ振り向ける。連結自己資本比率は2027年度末10%超を維持する方針。

最終更新: 2026年7月19日