事業内容
株式会社山陰合同銀行は1941年設立の山陰地方最大の地方銀行で、島根・鳥取を中心に本店ほか支店119ヶ店・出張所37ヶ店を展開する。グループは連結子会社17社で構成され、銀行業を中核にごうぎんリース(リース業)、ごうぎんクレジット(クレジットカード業務)、ごうぎんキャピタル(ベンチャーキャピタル)、ごうぎんエナジー(電力・コンサル)、ごうぎん地域商社(地域産品流通)等を擁する。
営業エリアは山陰にとどまらず山陽・関西・東京にも拡大しており、「広域地方銀行」として法人・個人双方の顧客基盤を持つ。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
主収益源は貸出金利息・有価証券利息配当金等の資金利益(2026年3月期連結資金利益79,244百万円)で、全体経常収益167,078百万円の大半を占める。これに加え、野村證券との業務提携(Nアライアンス)を通じた預り資産関連手数料、法人コンサルティングによるソリューション手数料、クレジットカード関連手数料等の役務収益(役務取引等収益19,249百万円)が収益を補完する。
リース業・クレジット業等グループ各社との連携によるクロスセルも収益多様化に寄与している。
企業の強み
2015年から構築した「全員コンサル」体制を山陰・山陽・関西・東京の全エリアに面的展開し、法人向け貸出残高を全エリアで増加させた。2026年3月期の連結貸出金残高は5,464,901百万円(前期比365,413百万円増)に達し、法人ソリューション手数料は47億円を計上。
山陰地方のリーディングバンクとしての顧客基盤と専門人材が競争優位を形成している。
2020年9月に開始した野村證券との業務提携(Nアライアンス)により、銀行と証券の強みを融合した「全資産アプローチ」「バランスシートアプローチ」を実践。預り資産残高は2024年2月に当初計画より2年前倒しで8,000億円目標を達成し、2025年11月には1兆円を突破、2026年3月期末には1兆2,528億円(前期比1,825億円増)に拡大した。
連結自己資本比率(国内基準)は2026年3月期末11.85%(前期比0.31ポイント改善)と健全水準を維持。親会社株主に帰属する当期純利益は22,698百万円と5期連続最高益を更新した。
不良債権比率は1.49%(前期比0.22ポイント上昇)と管理可能な水準にあり、破産更生債権のカバー率は100%を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022年3月期95,111百万円から2026年3月期167,078百万円へ5期で75.7%増加し、直近期の増収率は23.4%と加速している。親会社株主帰属当期純利益も同期間で14,485百万円から22,698百万円へ拡大。
外部要因として日銀の利上げ局面が貸出金利回り上昇(国内1.03%→1.29%)と有価証券利回り上昇(1.12%→1.51%)を通じて資金利益を押し上げた。一方、資金調達費用が前期比+22,629百万円と急増しており、利鞘管理が今後の収益水準を左右する。
与信費用は前期比△5,957百万円と大幅改善し、利益拡大に貢献した。ROE(自己資本ベース)は7.16%(前期5.88%)に改善。
成長戦略
課題解決型コンサル・広域展開・株主還元強化の3軸で持続的成長を目指す
山陰・山陽・関西・東京の全エリアで法人・個人向け貸出を増加させ、単体貸出金平残5兆2,325億円(前期比+6.7%)を達成。2027年3月期も増加基調を維持し、資金利益の拡大を主要収益ドライバーとして位置づける。
野村證券との業務提携を核に預り資産残高1兆2,528億円(前期比+1,825億円)を達成。法人ソリューション手数料47億円・預り資産関連手数料34億円と増加基調にあるが、融資・ローン手数料の減少が課題。引き続き非金利収益の拡大を図る。
収益性の低い国債・投資信託等を売却し有価証券残高を2,712億円圧縮(単体)。金利スワップによるリスクヘッジを活用し、ヘッジ合算後の評価損悪化を抑制。引き続き金利リスク量を抑えながら有価証券利回り向上を図る方針。
2027年3月期の年間配当を68円(前期比+8円)に増配予定し、配当性向40%程度を維持。加えて総額30億円を上限とする自己株式取得を決定。総還元性向40%を目安とした機動的な株主還元方針を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

