事業内容
株式会社紀陽銀行は1895年創業の老舗地方銀行で、和歌山県を本拠地に大阪府を主要営業エリアとして展開する地域密着型の総合金融グループである。銀行本体(107支店・7出張所)が預金・貸出・為替・外国為替業務を担い、8社の連結子会社が信用保証・リース・クレジットカード・情報システム・投資業務等を補完する。
主要顧客は中小企業(貸出比率75.9%)および個人であり、連結総資産6,111,515百万円規模の地域金融グループとして地元経済の発展を支えている。2022年にプライム市場へ移行し、機関投資家からの認知度も高まっている。
ビジネスモデル
個人・法人から低コストで預金を調達し、中小企業向け貸出を中心に運用することで資金利益を獲得する。2026年3月期の資金利益は59,090百万円、役務取引等利益は13,192百万円で、両者合計が収益の中核を形成する。
加えて、グループ8社が信用保証・リース・カード等の周辺サービスを提供し、顧客との接点を多層化することで手数料収益を補完する構造をとる。
企業の強み
2026年3月末の単体中小企業等貸出金残高は3,318,562百万円(前期末比165,409百万円増)で、貸出全体の75.9%を占める。大阪府内を中心に積極展開し、連結貸出金残高は4,344,661百万円まで拡大。長年の取引関係に基づく顧客基盤は競合が短期間で模倣困難な固有の強みである。
2026年3月期の顧客向けサービス業務利益(単体)は228億円と過去最高を更新し、第7次中期経営計画の最終年度目標220億円以上を1年前倒しで達成した。預貸金利回差1.10%(前期比0.11%上昇)と役務取引等利益の堅調推移が寄与しており、本業収益力の高さを示す実績である。
連結自己資本比率(国内基準)は12.26%(前期比0.21%上昇)と中期計画目標10〜11%を上回る水準を維持。正常債権比率は資産査定額4,352,627百万円に対し高水準を維持し、破産更生債権等は3,005百万円と前期比減少。
財務健全性が高く、貸出拡大と株主還元を自己資金で賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は114,870百万円(前期比16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,819百万円(前期比23.8%増)と、いずれも過去最高を更新した。外部要因として日銀の利上げを背景に貸出金利回が上昇(単体1.30%、前期比0.25%上昇)し、貸出金利息が単体で55,288百万円(前期比29.4%増)と大幅増収。
資金利益(単体59,207百万円)が収益拡大を主導した。一方、預金利息(単体9,604百万円、前期比242%増)・営業経費(連結36,538百万円)・与信コスト(連結2,938百万円)も増加。
ROE(連結)は9.0%(前期7.5%)に改善し、2027年3月期は連結経常利益36,600百万円・純利益25,000百万円を予想する。
成長戦略
中小企業取引起点のビジネスモデル変革と地域DX推進による持続的成長
中小企業向け貸出を中心に貸出金残高を積み上げ(単体期末4,371,001百万円、期中平残4,276,467百万円)、金利上昇局面での利回改善(貸出金利回1.30%)と組み合わせることで資金利益を拡大。2027年3月期も貸出金残高増加・利回上昇による貸出金利息の増加を見込む。
投資信託・保険販売を通じた預かり資産残高(単体559,614百万円)の拡大と役務取引等利益(単体9,974百万円)の増加により、金利収益に依存しない収益基盤を強化。第7次中期経営計画の最終年度目標220億円以上に対し、2026年3月期に228億円を達成し前倒し達成。
配当性向40%を目安とした累進的な増配方針のもと、2026年3月期年間配当137円(前期比27円増)を実施。ROE(連結)は9.0%と中期計画目標8.0%以上を前倒し達成。中長期目標10.0%以上の早期達成も視野に入る。2026年10月に1株→3株の株式分割を実施し株式流動性向上を図る。
2025年9月に新本店ビルの基本計画を決定し、現本店北館の耐用年数短縮・本店建替損失引当金繰入(1,576百万円)を計上。本店建替は一過性の費用負担を伴うが、地域における拠点機能の強化と長期的なブランド維持を目的とする。
最終更新: 2026年7月19日

