事業内容
株式会社福井銀行は1899年創業の福井県地盤の地方銀行で、連結子会社11社とともに総合金融サービス業を営む。本店・支店・出張所97か店(福井銀行単体)において預金・貸出・内外国為替・有価証券販売等の銀行業務を中心に、コンサルティング・リース・クレジットカード・保証・労働者派遣・旅行・デジタル・ベンチャーキャピタル等の多様な周辺サービスを展開する。
2026年5月には連結子会社の福邦銀行(38か店)を吸収合併し、福井県内の顧客基盤・店舗網をさらに拡充した。主要顧客は福井県内の個人・中小企業・地方公共団体であり、北陸新幹線延伸効果を背景とした地域経済の活性化を取り込みながら、「地域の課題解決業」としての役割を担っている。
ビジネスモデル
資金調達の大部分を個人・法人預金(預金残高3,331,361百万円)で賄い、貸出金(残高2,442,519百万円)・有価証券(残高978,465百万円)で運用する伝統的な預貸モデルを基盤とする。これに加え、野村證券との業務提携による金融商品仲介(残高639,522百万円)、保険・投資信託販売、コンサルティング・保証・リース等の役務収益(役務取引等収益11,733百万円)を積み上げ、収益の多様化を図っている。
企業の強み
福井銀行単体97か店に福邦銀行38か店を加えた合計135か店体制(合併前)を福井県内に展開し、個人預金22,019億円・法人預金11,293億円を集める。2026年5月の合併完了により両行の顧客基盤・店舗網が統合され、県内における金融サービスの浸透度がさらに高まった。
2023年5月開始の野村證券との包括的業務提携により、金融商品仲介残高は639,522百万円(前期比151,939百万円増)に達した。証券関連役務収益も1,936百万円と拡大しており、銀行単独では提供困難な高度な資産運用サービスを顧客に提供できる独自の提携構造を構築している。
125年超の業歴と東京証券取引所プライム市場上場を背景に、福井県内で高い信頼・ブランド力を有する。また、指名委員会等設置会社として社外取締役が三委員会の委員長を務める透明性の高いガバナンス体制を整備しており、機関投資家からの評価にも配慮した経営構造を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022期45,790百万円から2026期79,101百万円へ5期で73%増加し、加速度的な成長を示す。2026年3月期は前期比22.8%増収・経常利益54.3%増・親会社株主帰属純利益20.0%増を達成。
外部要因として金利上昇による貸出金利息の増加(前期比4,992百万円増)と、政策保有株式縮減に伴う株式等売却益(連結7,976百万円)が主な増益要因。一方、預金利息の急増(前期比4,205百万円増)と経営統合費用・貸倒引当金繰入増が費用を押し上げた。
包括利益は18,082百万円(前期は△2,726百万円)と大幅改善し、その他有価証券評価差額金が9,053百万円増加した。2027年3月期は連結経常利益10,200百万円(前期比24.0%減)と一時益剥落による減益を予想。
成長戦略
福邦銀行合併完了を機に「地域価値循環モデル」を深化させ、統合シナジーを早期実現。
2026年5月2日付で福邦銀行を吸収合併し、福井県内最大の金融グループとして一体運営を開始。2027年3月期はシステム・業務の共通化投資を進めつつ、統合シナジーによる本業収益(貸出金利息中心)の増加を計画。福井銀行単体の当期純利益予想143億円には抱合せ株式消滅差益の特別利益計上を見込む。
地域の課題解決業として顧客の真の経営課題に伴走支援し、利回り改善を図りつつ貸出金残高を拡大する戦略。2026年3月期に福井銀行単体の貸出金利回りは1.23%(前期比0.20%上昇)、残高は2,166,638百万円(前期比123,599百万円増)を達成。
2027年3月期も貸出金利息を中心とした本業収益の増加を計画。
野村證券との包括的業務提携による金融商品仲介口座残高は639,522百万円(前期比151,939百万円増)に拡大。投資信託・株式・債券・投資一任勘定など幅広い商品提供で役務収益の安定成長を図る。
個人年金保険残高も91,396百万円(前期比3,802百万円増)と拡大しており、非金利収益の多様化が進展。
2026年5月15日の取締役会で2027年3月期より配当性向目途を30%程度から40%程度へ引き上げることを決議。2026年3月期の年間配当は108円(前期比50円増配)、2027年3月期は年間150円(中間75円)を予定。
1株当たり年間50円の安定配当に業績連動配当を組み合わせる方針を維持しつつ、株主還元を一層充実させる。
最終更新: 2026年7月19日

