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株式会社 東北銀行

8349東証スタンダード銀行業

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株式会社 東北銀行8349

事業内容

株式会社東北銀行は1950年に設立された岩手県盛岡市を本拠とする地域銀行で、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。本店ほか支店54・出張所2を通じ、預金・貸出・有価証券投資・内国為替・投資信託・保険商品の窓口販売等を展開する。

連結子会社のとうぎん総合リース株式会社がリース業務を、株式会社東北ジェーシービーカードがクレジットカード業務を担い、グループ全体で地域の中小企業・個人顧客に総合金融サービスを提供している。主要顧客は岩手県内の中小事業者・個人であり、地域経済の中核を担う金融機関として機能している。

ビジネスモデル

顧客から預金を調達し、貸出金(712,411百万円)および有価証券(210,920百万円)で運用する伝統的な預貸モデルが収益の根幹。資金利益10,342百万円が連結粗利益12,454百万円の約83%を占める。

加えて、投資信託・保険・公共債の預り資産残高102,897百万円を背景とした手数料収益(役務取引等利益2,290百万円)が安定的な非金利収益源として機能している。

企業の強み

2026年3月期末の貸出金残高は712,411百万円と期末残高として過去最高を更新。個人向け貸出127,324百万円・住宅ローン残高107,424百万円も過去最高水準。貸出金平均残高703,010百万円に対し利回り1.45%を確保し、貸出金利息10,196百万円(前期8,513百万円)を計上した。

投資信託・保険・公共債の三本柱で構成される預り資産残高は102,897百万円(前期88,473百万円)と前期比14,424百万円増加。役務取引等利益は2,290百万円(前期2,125百万円)に拡大し、金利収益に依存しない手数料収益基盤が着実に厚みを増している。

単体不良債権比率は2.15%(前期2.83%)へ低下。資産査定上の危険債権は14,346百万円から10,749百万円へ減少し、延滞債権等売却損も639百万円から0百万円に消滅。与信関連費用は1,433百万円(前期1,635百万円)に縮小し、利益押し上げに寄与した。

エンヴァリスの着眼点

外部要因として、日銀が政策金利を0.75%程度まで引き上げており、資金運用利回りは1.23%(前期1.05%)へ改善、貸出金利回りも1.44%(前期1.26%)へ上昇した。一方、その他有価証券の評価損益は△14,883百万円(前期△10,144百万円)へ悪化し、純資産を33,497百万円(前期35,376百万円)へ押し下げた。

連結自己資本比率(速報値)は8.62%(前期9.05%)へ低下しており、貸出拡大に伴うリスクアセット増加と評価損の拡大が資本効率の改善を制約するリスクとして注視が必要である。

2026年3月期(連結)は経常収益17,932百万円(前期比19.3%増)、経常利益2,523百万円(同27.8%増)、親会社株主帰属当期純利益1,693百万円(同58.3%増)と大幅な業績回復を達成した。しかし2027年3月期の連結業績予想は経常収益19,600百万円(9.3%増)と増収を見込む一方、経常利益2,500百万円(△0.9%)、親会社株主帰属当期純利益1,600百万円(△5.5%)と減益を予想している。

与信関連費用の増加や経費増加が利益を圧迫する見通しであり、増収が利益に結びつきにくい構造への懸念が残る。

第一種優先株式の払込額は10,000百万円(配当金23百万円/期)が純資産から控除されており、普通株式に係る1株当たり純資産額は2,482.61円にとどまる。潜在株式調整後1株当たり当期純利益は104.45円と基本EPS176.63円から大きく希薄化する。

長期経営計画では2037年3月末までの公的資金返済を目標とするが、単体自己資本比率(速報値)は8.56%(前期8.99%)へ低下しており、貸出拡大と資本充実の両立が引き続き経営上の重要課題である。PBRは0.57倍(前期0.41倍)へ改善したものの、依然として1倍を大きく下回っている。

成長戦略

第2次中期経営計画(2025〜2028年3月期)で4プロジェクトを推進し当期純利益20億円を目指す

中小企業向け経営課題解決支援と個人向け貸出拡大を推進。貸出金末残716,064百万円(目標750,000百万円)と順調に進捗。住宅ローン・個人向け貸出が過去最高を更新し、中小企業等貸出比率72.62%を維持している。

電気・ガス・熱供給・水道業向け貸出残高33,813百万円(前期29,939百万円)と増加傾向。農業・林業・漁業向け貸出も継続。再生可能エネルギー等の脱炭素関連融資を通じた地域産業の構造転換支援を推進中。

預り資産残高102,897百万円(前期88,473百万円)へ拡大し、役務取引等利益が連結2,290百万円へ増加。お客さまサービス等利益(本業利益)は1,858百万円(前期1,296百万円)と目標2,000百万円に向け着実に進捗。単体コア業務純益3,392百万円(前期2,935百万円)も改善。

人件費4,538百万円(前期4,400百万円)と人材投資を継続。OHR72.32%(前期74.39%)へ改善し、経費効率が向上。ソフトウェア投資274百万円(前期193百万円)と増加しており、デジタル化・業務効率化への取り組みが進展している。

2037年3月末までの公的資金(優先株式10,000百万円)返済を長期目標とする。単体自己資本比率(速報値)は8.56%(前期8.99%)と目標水準8.5%を上回るが、貸出拡大に伴うリスクアセット増加により低下傾向にあり、利益剰余金の積み上げと資本効率の両立が課題。

最終更新: 2026年7月19日