事業内容
株式会社秋田銀行は1941年設立の秋田県地盤の地方銀行で、本店ほか98か店を通じて預金・貸出・有価証券投資・外国為替・投資信託・保険販売等の総合金融サービスを提供する。連結子会社7社を擁し、リース業務(秋田グランドリース)、個人ローン信用保証(秋田保証サービス)、クレジットサービス(秋田ジェーシービーカード)、地域商社(詩の国秋田)、コンサルティング(あきぎんリサーチ&コンサルティング)、ファンド組成・運営(あきぎんキャピタルパートナーズ)等を展開する。
主要顧客は秋田県内の個人・中小企業・地公体で、貸出金末残2,132,846百万円、預金末残3,206,876百万円規模の地域金融グループである。
ビジネスモデル
預金(3,206,876百万円)を低コストで調達し、貸出金(2,132,846百万円)・有価証券(906,600百万円)で運用する伝統的な銀行モデルが収益の根幹。2026年3月期の資金利益は34,875百万円(連結)と全体収益の大宗を占める。
これに加え、投資信託・保険販売手数料、事業承継・M&A支援、地域商社・ファンド運営等の非金融収益を積み上げ、収益多様化を図る構造となっている。
企業の強み
本店ほか98か店の店舗網を通じて個人預金21,223億円・法人預金7,762億円を集める。貸出金末残2,132,846百万円のうち中小企業等貸出比率54.03%を維持し、地域の事業者・個人双方に深く浸透した顧客基盤は競合他社が短期間で模倣困難な固有資産である。
預り資産残高は273,848百万円(前期末比33,579百万円増、+14.0%)と急拡大。地域商社「詩の国秋田」による台湾・香港向け輸出支援、就活サイト「キャリピタAKITA」、事業承継・M&A支援、スタートアップ伴走プログラム「スクラム」など、銀行本体の顧客基盤を活用した非金融機能を複数保有する。
不良債権比率は2026年3月末2.40%(前期末比0.31pt低下)。危険債権は45,975百万円から38,148百万円へ減少し、与信関係費用は2,787百万円の費用から161百万円の戻入益へ大幅改善。連結自己資本比率11.26%(国内基準)を維持し、財務健全性は高い水準にある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022期39,730百万円→2023期46,861百万円→2024期42,734百万円(一時減収)→2025期52,214百万円→2026期61,062百万円と直近2期で急加速。親会社株主帰属当期純利益は2022期3,184百万円→2023期3,295百万円→2024期4,541百万円→2025期5,662百万円→2026期7,692百万円と5期連続増益。
外部業績ドライバーとして日銀の金融緩和調整による政策金利上昇(短期金利0.75%程度まで上昇)が貸出金・有価証券の利回り改善を促し、単体資金利益が前年度比8,062百万円増の35,311百万円へ拡大したことが主因。与信関係費用の戻入益転換(前年度2,787百万円費用→2025年度161百万円戻入益)も利益押し上げに寄与。
2027年3月期は連結経常利益13,100百万円・当期純利益8,500百万円を予想し、増益基調の継続を見込む。
成長戦略
金利上昇を活かした資金利益拡大と地域価値共創事業の育成による持続的成長
貸出金平均残高の拡大(2025年度21,036億円、前年度比1,007億円増)と利回り改善(1.19%)を継続し、金利上昇局面での資金利益最大化を図る。有価証券は国債残高を178,871百万円(前期末比35,180百万円増)へ積み増しつつ、繰延ヘッジを活用した金利リスク管理を強化する。
2026年度のコア業務純益予想は15,500百万円(前年度比減少)と一時的な調整を見込むが、中長期的な利回り改善効果の継続を目指す。
投資信託・生命保険・公共債からなる預り資産残高を273,848百万円(前期末比33,579百万円増、+14.0%)へ拡大し、期中販売額583億円(前年度比79億円増)を達成。役務取引等収益の安定的な積み上げにより、資金利益依存度の低減と収益の多様化を推進する。
子会社群(地域商社・コンサルティング・ファンド運営等)による地域価値共創事業収益の拡大も並行して進める。
不良債権比率2.40%(前期末比0.31pt低下)・与信関係費用の戻入益転換を実現した資産健全性を維持しつつ、貸出金増加に伴うリスク・アセット拡大(13,487億円、前期末比963億円増)への対応として利益積み上げによる自己資本充実を図る。国内基準自己資本比率は11.17%と規制水準を大きく上回るが、前期末比0.62pt低下しており、資本効率と健全性のバランス管理が課題。
配当性向40%以上を目標とし、2025年度年間配当175円(前年度比+70円)・2026年度予想200円(同+25円)と増配を継続。当初予想75円から100円への期末増配(+25円)を実施し、利益成長を通じた1株当たり配当金の増加方針を実行している。
自己株式取得は資本の十分性を前提に機動的に実施する方針で、2025年度は122百万円の取得を実施した。
最終更新: 2026年7月19日

