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株式会社七十七銀行

8341東証プライム銀行業

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事業内容

株式会社七十七銀行は1932年設立、宮城県仙台市に本店を置く東北地方最大規模の地方銀行。銀行本体を中核に、リース・証券・信用保証・クレジットカード・保険・コンサルティング・ファンド運営など19社の子会社で構成されるグループを形成する。

主要顧客は宮城県内の個人・中小企業・地方公共団体であり、県内メインバンク比率55%(2025年度実績)を誇る。近年は県外法人向け貸出や海外ネットワーク(シンガポール・上海)も活用し、広域展開を進めている。

2022年4月に東京証券取引所プライム市場へ移行。

ビジネスモデル

預金調達コストと貸出・有価証券運用利回りの差(資金運用収支)が収益の根幹であり、2026年3月期の資金運用収支は113,978百万円。これに加え、投資信託・保険・公共債等の窓口販売や融資手数料型住宅ローンを通じた役務取引等収支(20,419百万円)、株式等売却益(29,298百万円)が収益を補完する。

グループ会社との連携によるクロスセルでグループ預り資産残高を9,781億円まで拡大し、非金利収益の多様化を図っている。

企業の強み

宮城県内メインバンク比率55%(帝国データバンク調査)、県内貸出金残高4,569,619百万円(単体)を有し、個人向け住宅ローン残高1,304,434百万円(宮城県内)を抱える。個人・法人・地公体にわたる幅広い顧客基盤は、競合他社が短期間で模倣困難な地域密着型の競争優位を形成している。

2026年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は10.58%と規制水準を大幅に上回り、自己資本額は5,609億円。正常債権比率は貸出金合計6,603,904百万円に対し6,591,423百万円と99%超を維持。財務基盤の安定性が継続的な貸出拡大と株主還元の両立を支えている。

グループ預り資産残高は2025年3月末8,103億円から2026年3月末9,781億円へ前年比+20.7%増加。単体預り資産残高も633,541百万円から740,556百万円へ拡大。

七十七証券・七十七ほけんサービス・七十七パートナーズ等グループ各社との連携による一体型クロスセル体制が非金利収益の拡大を牽引している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の貸出金利回りは1.22%(前年比+0.21pt)に上昇し、貸出金利息は79,034百万円(前年比+30.6%)と大幅増加した。一方、外部要因として日銀の追加利上げを受け預金等利回りは0.19%(同+0.13pt)に急上昇し、資金調達費用は20,150百万円(前年比+166.6%)と急増している。

総資金利鞘は0.63%(同+0.09pt)と改善しているが、今後の利上げ局面では調達コスト上昇ペースが貸出利回り上昇を上回るリスクがあり、利鞘の持続性を慎重に見極める必要がある。

2025年度の与信関係費用は44億円(前年度は戻入益1億円)と大幅に悪化し、個別貸倒引当金繰入額35億円が新規計上された。不良債権比率は1.86%(前年比▲0.12pt)と改善しているものの、破産更生債権が19,442百万円(前年比+8,960百万円)と急増しており、特定先の信用悪化が影響している。

宮城県内の人手不足・物価高による企業・家計への重しが続く中、2027年3月期予想では与信関係費用の高止まりが想定され、信用コストの動向が業績の下振れリスクとなり得る。

2026年5月に株主還元方針を見直し、2027年度までに配当性向40%以上への引き上げと機動的な自己株式取得を明示した。2026年3月期の配当性向は35.7%(前年度33.0%)に改善し、2027年3月期予想は37.7%と段階的に目標に近づいている。

また1株→3株の株式分割により流動性向上と投資家層拡大を図る姿勢は評価できる。一方、ROE8.5%(連結)は地銀平均と比較して高水準だが、純資産の大幅増加(その他有価証券評価差額金の拡大)が分母を押し上げており、実力ベースの資本効率向上が引き続き求められる。

成長戦略

Vision 2030に基づくコンサルティング機能強化とグループ一体型収益拡大

中小企業向け・大企業向け・個人向け(住宅ローン)の全方位での貸出拡大を推進。2026年3月期の貸出金末残は6,627,703百万円(前年比+7.1%)に拡大し、貸出金利回りは1.22%(前年比+0.21pt)に上昇。金利上昇局面を活かした利鞘改善と残高拡大の両立を図る。

融資手数料型住宅ローン(2024年10月開始)、法人非金利収益(外為デリバティブ等)、グループ預り資産残高拡大(9,781億円)を通じた役務取引等利益の増加を推進。2025年度の役務取引等利益は169億円(前年比+16.6%)と着実に拡大している。

七十七パートナーズ第1号・第2号投資事業有限責任組合の新規連結(2026年3月期)、七十七ビジネスウィズ(2024年9月設立)・77 NEXT CONSULTING PTE. LTD.(2025年1月設立)を通じた地域企業への成長資金供給と課題解決支援を強化。グループ一体型のクロスセルによる収益基盤の多様化を図る。

2026年5月に株主還元方針を見直し、累進的配当により2027年度までに配当性向40%以上への引き上げと機動的な自己株式取得を明示。2026年3月期の年間配当金は260円(配当性向35.7%)、2027年3月期予想は104円(株式分割後、配当性向37.7%)と段階的に目標に近づいている。

最終更新: 2026年7月19日