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株式会社髙島屋

8233東証プライム小売業

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事業内容

株式会社髙島屋は1831年創業、2025年2月期時点で子会社40社・関連会社17社を擁する総合小売・商業開発グループ。国内百貨店業(日本橋・新宿・大阪・横浜等の主要店舗)を中核に、シンガポール・ベトナム・タイ・中国の海外百貨店業、東神開発㈱が担う国内商業開発業、ベトナム・シンガポールを軸とする海外商業開発業、クレジットカード・金融相談の金融業、内装工事の建装業まで多角的に事業を展開する。

主要顧客は国内富裕層・ラグジュアリー消費者に加え、インバウンド旅行者・アジア現地富裕層にも広がる。2031年の創業200周年に向け「グランドデザイン」を策定し、すべてのステークホルダーの「こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム」を目指す姿として掲げている。

ビジネスモデル

国内百貨店業(2025年2月期営業収益318,210百万円)が売上の約64%を占める中核事業。テナント賃料収入型の商業開発業、カード手数料・年会費収入の金融業、内装工事受注の建装業が収益を補完する。

グループ共通の顧客基盤・ポイントプログラム・アプリを通じて各事業間の送客・クロスセルを促進し、顧客LTVを最大化する「シームレス化」戦略を推進。ROIC経営を導入し、各事業体・店舗単位での資本効率管理を徹底している。

企業の強み

2025年2月期の連結営業収益498,491百万円(前年比6.9%増)、営業利益57,503百万円(同25.2%増)、親会社株主帰属当期純利益39,525百万円(同25.0%増)と、各段階利益が過去最高を記録。ROE8.5%、ROIC6.4%はWACC4.8%を上回り、資本コスト超過の収益性を実証した。

海外百貨店業は2026年2月期営業利益率24.8%と高収益。海外商業開発業は2025年2月期営業利益5,908百万円(前年比43.2%増)と急拡大。ベトナム・ハノイでの複合開発(2027年秋開業予定)やハイフォン都市開発参画など、ASEAN成長市場での投資が進捗中。

金融業は2026年2月期営業利益率26.9%と全セグメント最高水準。2025年3月に住信SBIネット銀行を所属銀行とする銀行代理業許可を取得し、証券・保険・相続・信託を含む総合金融相談サービスを開始。新規入会会員数はコロナ禍前の2019年度水準を超えた。

エンヴァリスの着眼点

2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)の連結営業利益は15,971百万円(前年同期比26.4%増)、親会社株主帰属四半期純利益は11,082百万円(同58.4%増)と大幅増益。通期営業利益予想57,500百万円に対する第1四半期進捗率は約27.8%と概ね順調。

会社側も「業績は概ね予想通りに推移」と述べており、通期予想の修正は現時点でなし。インバウンド需要増加と国内顧客売上高の堅調推移が主要ドライバーで、外部要因として円安が海外セグメントの収益を押し上げている。

2026年2月期は当期純損失8,194百万円と赤字転落したが、2027年2月期第1四半期は純利益11,082百万円と急回復。ただし国内百貨店業では、ラグジュアリーブランド等の利益率の低い商品の売上構成比拡大により商品利益率が前年実績を下回っており、売上高増大による売上総利益の増益確保にとどまる。

重点お取引先との連携によるファッション領域の利益率改善が中期的な収益性向上の鍵であり、その進捗を継続的に確認する必要がある。

玉川髙島屋S.C.は2027年度グランドオープンに向けて改装が着実に進捗しており、完成後の集客力・テナント賃料収入の増大が国内商業開発業の次の成長ドライバーとなる。一方、ベトナム・ハノイ複合開発(2027年秋開業予定)やサイゴンセンター増床計画は投資フェーズにあり、投資活動によるキャッシュ・フローは14,557百万円の支出が継続。

後発事象として上限500億円の社債発行包括決議(借入資金返済目的)が開示されており、財務構造の変化にも注目が必要。

成長戦略

2031年創業200周年に向けグループシームレス化・海外拡大・金融深化で連結利益最大化

百貨店・専門店・EC・金融等の垣根を越えたシームレスな商品・サービス提供体制を構築。国内外グループ商業施設・EC・金融等で取り扱う商品・サービスの総和を競争優位性として最大化。タカシマヤアプリを顧客接点ツールとして強化し、会員数が着実に増加中。

東神開発㈱が推進する玉川髙島屋S.C.の大規模改装プロジェクト。2027年度グランドオープンに向けて改装が着実に進捗しており、完成後は集客力・テナント賃料収入の増大と国内商業開発業の収益拡大が期待される。

ハノイでの複合開発事業(2027年秋開業予定)に加え、ホーチミン・サイゴンセンターの増床計画が本格化。シンガポール髙島屋S.C.に並ぶASEAN第2拠点への成長を目指す。

2027年2月期第1四半期の海外商業開発業は営業収益4,377百万円(前年同期比16.3%増)・営業利益1,672百万円(同23.3%増)と高成長継続。

カード・決済事業の新規会員獲得推進に加え、不動産私募ファンド(合同会社 Sanitas I)への融資実行・髙島屋クレイキャピタルによる中小企業向け法人融資拡大・髙島屋版プライベートバンクサービスの展開拡大により投融資・ライフパートナー事業の収益多様化を推進。2027年2月期第1四半期の金融業営業利益は1,644百万円(前年同期比17.4%増)と順調に拡大。

上海高島屋は新テナント誘致等の収益基盤強化により2027年2月期第1四半期に黒字転換(営業利益108百万円)を達成。サイアム髙島屋は赤字幅が縮小しており、化粧品売場・ラグジュアリーゾーン改装効果の最大化により黒字転換を目指す。

最終更新: 2026年7月17日