事業内容
株式会社モスフードサービスは1972年創業、「おいしさ、安全、健康」を理念に掲げる日本発祥のハンバーガーチェーン運営企業。国内1,310店舗(直営229店・FC1,081店)を擁する「国内モスバーガー事業」を基幹に、台湾・シンガポール・香港・タイ・韓国・フィリピンの6カ国・地域411店舗を展開する「海外事業」、マザーリーフ・あえん等25店舗の「新規飲食事業」、衛生・金融・保険・アウトソーシングの「その他の事業」で構成される。
子会社9社・関連会社12社を含むグループ全体の売上高は102,773百万円(2026年3月期)。東証プライム上場。
ビジネスモデル
国内では加盟店への食材・包装資材の卸売上高(54,498百万円)と直営店売上高(25,614百万円)が主収益源。FCロイヤルティは総売上高の1%、広告宣伝料も同1%を徴収する構造。
海外では直営店売上高とフランチャイズ収入(ロイヤルティ・経営指導料)を組み合わせる。グループ内では衛生検査・機器レンタル・保険代理・アウトソーシングがFC加盟店数を基盤に安定収益を生む。
企業の強み
1972年創業、1986年に外食産業初の全47都道府県出店を達成。2026年3月期時点で国内1,310店舗を維持し、全店売上高147,711百万円を計上。「日本生まれ、日本の味を大切にする」ブランド訴求が消費者に定着しており、既存店売上高は前年比109.0%と高い集客力を維持している。
2026年3月期末の自己資本比率は67.6%、現金及び現金同等物残高は27,678百万円。有利子負債残高は4,738百万円にとどまり、ネットキャッシュポジションは約22,940百万円。財務健全性が高く、中期経営計画で予定する3カ年総額約22,200百万円の投資を自己資金で賄える財務基盤を有する。
国内では紅梅食品工業・タミー食品工業がパティ・ソース類を製造し、モスファーム6社がトマト・レタス等を生産。海外では台湾の魔術食品工業・フィリピンのモスサプライが食材を製造・供給。原材料の内製化により品質管理と調達安定性を確保しており、食品安全リスクの低減と差別化商品開発の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期78,447百万円→2026年3月期102,773百万円と5期連続増収。営業利益は2023年3月期41百万円の底から2026年3月期6,561百万円へ急回復し、営業利益率は5.4%(2025年3月期)→6.4%(2026年3月期)に改善。
国内モスバーガー事業の既存店好調(既存店売上高109.0%)と販管費抑制・物流効率化が利益拡大を牽引した。ただし2027年3月期会社予想は営業利益5,750百万円(前年比12.4%減)と減益転換を見込んでおり、コスト増(食材費・人件費等)や投資拡大が利益を圧迫する可能性がある。
外部環境として食材価格の高止まりや人手不足に伴う人件費上昇が引き続きコスト面の逆風となっている。
成長戦略
国内既存店基盤強化・海外構造改革・新規事業育成の三本柱で売上高110,000百万円を目指す
「価格のグラデーション化戦略」と「時間帯別売上の平準化」を継続推進。AI音声認識自動注文システム・フルセルフレジ等デジタル化による生産性向上と顧客体験改善を図る。
厳選新規出店と低収益店舗クローズを並行し、高収益モデルの開発に着手。2027年3月期売上高110,000百万円(前年比7.0%増)を目標とする。
現中期経営計画(2025-2027年度)を基盤強化期と位置付け、不採算店整理・既存店改装・本社経費抑制で収益性改善を優先。台湾製造子会社の新工場稼働準備によるグローバル食材供給ネットワーク強化を進める。次期中期経営計画では新規国出店など成長施策を本格実行する方針。
「玄米食堂あえん」の低投資・省人化モデルで多店舗展開基盤を育成。公式オンラインショップ「Life with MOS」でのマーチャンダイジング事業を新規収益源として拡大。新規飲食事業は現状セグメント損失210百万円(2026年3月期)と赤字継続中であり、収益化が課題。
2026年4月に完全子会社モスクレジットを吸収合併し、金融・保険・レンタル業務を統合してグループ全体の業務効率化を実現。2026年5月に上限120,000株・500百万円の自己株式取得枠を設定し、成長投資と株主還元の適切なバランスを追求する方針を示した。
最終更新: 2026年7月19日

