事業内容
株式会社東陽テクニカは、1953年創業の計測ソリューション専門商社から発展し、現在は自社開発製品も擁する「計測ソリューションプロバイダー」として国内外の産業界に製品・サービスを提供する。事業領域は先進モビリティ(自動車・鉄道等)、脱炭素/エネルギー(電池・水素・燃料電池)、情報通信/情報セキュリティ、EMC/大型アンテナ、防衛/海洋、ソフトウェア開発支援、その他(ライフサイエンス等)の7セグメントに及ぶ。
主要顧客は自動車メーカー・通信事業者・官公庁・防衛関連機関等で、国内外の研究開発現場に最先端の計測機器・システムを供給する。連結子会社11社・持分法適用関連会社1社を擁し、米国・中国・欧州にも販売拠点を持つ。
ビジネスモデル
海外有力メーカーとの総代理店契約を軸に最先端計測機器を国内外へ販売するとともに、自社開発製品・ソリューションの拡大によって付加価値を高めている。販売後の保守・修理・校正・サブスクリプション契約がリカーリング収益を形成し、収益の安定化に寄与する。
受注生産型の大型システム案件と、ソフトウェア開発支援等のサービス型収益が混在する複合モデルを採用している。
企業の強み
2025年9月期の受注高は過去最高の40,151百万円(前期比+19.4%)、受注残高は24,625百万円(前期比+44.6%)に達した。特に防衛/海洋セグメントの受注残高は5,583百万円(前期比+157.5%)、先進モビリティは6,986百万円(前期比+45.0%)と積み上がっており、来期以降の売上回復の可視性が高い。
先進モビリティ・脱炭素エネルギー・情報通信・EMC・防衛海洋・ソフトウェア・ライフサイエンスと幅広い産業分野をカバーする。2025年9月期においても情報通信/情報セキュリティ(売上高+8.5%)・防衛/海洋(+19.7%)・ソフトウェア開発支援(+11.9%)が増収となり、特定セグメントの不振を他セグメントが補完する分散効果が機能した。
2023年以降、㈱レキシー(ライフサイエンス)、Rototest International AB(スウェーデン・ハブダイナモメーター)、㈱東陽EMCエンジニアリング(EMC)、㈱エル・テール(水素関連製造)を相次いで子会社化。自社開発製品の拡充と製造能力の内製化を進め、単なる商社機能を超えた技術・製品競争力の向上を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2025年9月期は大型案件の期ずれにより売上高32,559百万円・営業利益1,915百万円と前期比で大幅減収減益となったが、2026年9月期中間期は売上高21,482百万円(前年同期比23.6%増)・営業利益3,127百万円(同124.0%増)・親会社株主帰属中間純利益2,186百万円(同154.6%増)と急回復。売上総利益率の上昇とM&A効果(ソニックガード社の新規連結)が利益拡大に寄与した。
通期予想は売上高39,000百万円・営業利益3,600百万円(前期比それぞれ19.8%増・88.0%増)で据え置かれており、中間期の高進捗率は前倒し計上の影響を含む点に留意が必要。外部要因として防衛予算拡大・水素関連需要の拡大が業績を後押しする一方、米国関税政策による自動車メーカーの投資抑制が下期リスクとして意識される。
成長戦略
TY2027で売上高45,000百万円・営業利益4,500百万円・ROE11%を目指し注力3分野とM&A・海外展開で成長加速
AD/ADAS・EV充電・防衛・サイバーセキュリティ等の高成長分野に経営資源を集中。2026年9月期中間期において先進モビリティ(売上高5,038百万円、前年同期比24.8%増)・防衛/海洋(同2,178百万円、同125.7%増)・情報通信(同5,220百万円、同19.3%増)の3分野が揃って大幅増収を達成し、注力戦略の成果が顕在化している。
2026年1月にソニックガード社を子会社化し、官公庁・自治体向けサイバーセキュリティ事業基盤を獲得。新規連結効果が情報通信/情報セキュリティセグメントの売上・利益を押し上げた。自社開発製品(大容量パケットキャプチャ・燃料電池評価システム等)の拡充も継続しており、代理販売依存からの脱却を図る。
2026年9月期中間期の海外売上高は1,191百万円(前年同期比79.6%増)と大幅拡大。米国・中国向けAD/ADAS評価システムの大型案件計上や、車載電池評価装置の中国全土への販売代理店権拡大が寄与。欧州ではドイツ新拠点設立によるRototest製品の販売拡大を推進中。
複数の海外量子コンピューターメーカーとの代理店契約を締結し、販売促進用途での量子コンピューター自社導入も決定。次世代計測・情報処理分野への先行投資として事業拡大の基盤整備を図っており、将来の収益化に向けた布石を打っている段階。
最終更新: 2026年7月17日

