事業内容
ニチモウ株式会社は1910年創業の100年超の歴史を持つ総合水産関連企業。食品事業(水産物の調達・加工・販売)を中核に、海洋事業(漁網・漁具・養殖資材)、機械事業(食品加工機械)、資材事業(合成樹脂・包装資材・農畜資材)、バイオティックス事業、物流事業など多角的な事業を展開する。
売上高139,779百万円のうち食品事業が89,848百万円と約64%を占め、業務用・外食向け水産物から加工食品まで幅広い顧客層に対応。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
食品事業では原料調達から製造・販売までの一貫体制を構築し、採算管理を強化しながら水産物バリューチェーンの量的拡大を図る。海洋事業では漁網・養殖資材等の製造販売で水産業インフラを支え、機械事業では食品加工機械の国内外販売で高い利益率(10.6%)を確保。
各事業が水産業サプライチェーン上で相互補完し、安定的な収益基盤を形成している。
企業の強み
食品事業における原料調達から製造・販売までの一貫体制に加え、海洋事業(漁網・養殖資材)、機械事業(食品加工機械)、資材事業(包装資材)が相互連携する構造を持つ。有報では「他社に真似のできない強み」と明記されており、100年超の事業経験に裏打ちされた独自のプラットフォームを形成している。
機械事業のセグメント利益率は10.6%(売上高13,409百万円、セグメント利益1,426百万円)と全セグメント中最高水準。米国子会社ノールイースタントロールシステムズINC.を含む海外拠点網を保有し、円安基調を活用した米国・アジア圏への拡販実績を積み上げている。
㈱ニチモウマリカルチャー、フィッシュファームみらい(同)(持分法適用)等を通じた養殖関連事業を展開。2026年3月期の海洋事業売上高は24,555百万円(前期比9.7%増)、セグメント利益は1,072百万円(前期比317百万円増)と全セグメント中最大の利益増加を記録し、養殖用生簀・関連機資材の販売拡大が牽引した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期115,469百万円から2026年3月期139,779百万円へ5期連続増収。しかし営業利益は2025年3月期の3,002百万円から2026年3月期2,758百万円へ△8.1%減少し、親会社株主帰属純利益も2,666百万円から2,180百万円へ△18.2%減少した。
食品事業ではすり身部門の国内市況低迷・南米生産不振、原料相場高騰による製造コスト上昇が利益を圧迫。機械事業は前期大型案件の反動減が直撃。
外部環境として海水温上昇による漁獲量減少、製造コストの高止まりが全社的な収益性を下押しした。包括利益は4,824百万円(前期比+88.6%)と大幅増加したが、これは投資有価証券の評価差額金増加(+2,196百万円)によるものであり、事業収益の改善を示すものではない。
成長戦略
第140期中期経営計画「Breaking Through Toward 2028」で養殖・食品機械・海外展開を三本柱に成長加速
天然魚漁獲不振を背景とした養殖魚需要の高まりを捉え、養殖用生簀・関連機資材の販売を拡大。海洋事業セグメント利益は2026年3月期に1,072百万円と前期比317百万円増加し、新中期計画の戦略的柱として機能し始めている。
円安基調を背景に米国・アジア圏への食品加工機械の輸出拡販を推進。国内ではインバウンド需要定着による外食・業務用向け設備投資案件を積み上げる方針。2026年3月期は大型案件反動減で売上減少も利益1,426百万円を維持し、2027年3月期の回復が期待される。
赤魚・ホッケの中国向け販売に注力し、世界的な水産物需要拡大を取り込む戦略。2026年3月期は北方凍魚部門で売上・営業利益ともに大きく増加し、食品事業の中で数少ない成長領域として機能した。
物流事業の選択と集中、バイオティックス事業の採算改善、資材事業の農畜資材拡販など非水産系セグメントの収益安定化を図る。2026年3月期は物流事業のセグメント利益が14百万円と前期比93百万円減少しており、構造改革の加速が課題。
最終更新: 2026年7月19日

