事業内容
第一実業株式会社は1948年設立の機械・器具・部品の専門商社で、プラント・エネルギー、エナジーソリューションズ、産業機械、エレクトロニクス、自動車、ヘルスケア、航空・インフラの7セグメントを展開する。国内販売・輸出入に加え、子会社㈱第一メカテック・第一実業ビスウィル㈱・㈱DJ-WAVEエンジニアリング等が製造・エンジニアリング機能を担う。
海外は米州・欧州・アジア・中国等に連結子会社16社を擁し、グローバルな販売網を構築。主要顧客は製造業全般(電子・自動車・医薬品・エネルギー・航空)で、2026年3月期の連結売上高は219,140百万円。
東証プライム市場上場。
ビジネスモデル
仕入先メーカーから機械・器具・部品を調達し、国内外の製造業顧客に販売することで売買差益を得る。単純な物品販売にとどまらず、子会社のプロセスシミュレーション・設計製作・外観検査装置開発等のエンジニアリング機能を組み合わせた「モノ×コト売り」モデルを深化させ、粗利率の向上を図る。
2026年3月期の売上総利益率は17.8%(前期17.0%から改善)。
企業の強み
プラント・エネルギーから航空・インフラまで7セグメントを保有し、特定業種への依存を分散。海外は米国・メキシコ・欧州・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インドネシア・ベトナム・インド・中国等に連結子会社16社を展開。
2026年3月期にエナジーソリューションズが前期比26.0%減となる中、ヘルスケア(+51.4%)・航空・インフラ(+57.0%)が補完し、グループ全体の営業利益は過去最高を更新した。
㈱DJ-WAVEエンジニアリング(プロセスシミュレーション・設計製作)、㈱第一メカテック(機械修理・製造)、第一実業ビスウィル㈱(外観検査装置・錠剤印刷機の開発・製造)を連結子会社として保有。単純仕入販売に留まらないエンジニアリング提案力が粗利率改善に寄与しており、2026年3月期の売上総利益率は前期比0.8ポイント改善の17.8%を達成した。
2026年3月期末の自己資本比率は51.5%(前期46.5%から改善)、有利子負債比率(DER)は0.08倍と極めて低水準。現金及び現金同等物は51,829百万円。
取引銀行5行と10,000百万円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的な資金調達手段を確保。営業キャッシュフローは16,136百万円の収入と高水準を維持しており、M&A・事業投資への対応余力が大きい。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期148,075百万円から2025年3月期221,755百万円まで4期連続増収を達成したが、2026年3月期は219,140百万円(前期比1.2%減)と初の減収。主因はエナジーソリューションズ事業(リチウムイオン電池製造設備)の国内外向け売上が140,570百万円減少したことによる。
一方、粗利率改善が進み売上総利益は39,109百万円(前期37,771百万円)へ増加。営業利益13,696百万円(前期比4.5%増)・経常利益14,353百万円(同5.6%増)・当期純利益9,951百万円(同12.6%増)と各段階利益が2期連続で過去最高を更新した。
外部環境として円安基調継続・AI関連需要拡大が製造業の業況改善を後押しした一方、米国通商政策の不透明感・日中関係悪化・原油価格高騰が下押し圧力となった。2027年3月期は会社予想で全利益項目が減益見通しであり、増収転換が課題となる。
成長戦略
MT2027「成長フェーズ」で事業ポートフォリオ最適化・グローバル拡大・資本効率向上を追求
ヘルスケア・航空・インフラ等の高成長セグメントへの経営資源集中と、エナジーソリューションズ事業の需要回復局面での収益最大化を図る。2026年3月期にヘルスケア(+51.4%)・航空・インフラ(+57.0%)が大幅成長し、ポートフォリオ再編の方向性が業績に反映されつつある。
米州・欧州・アジア17連結子会社を活用した海外販売網の深化と、現地顧客ニーズへの対応力強化。2026年3月期にエレクトロニクス事業の海外向け電子部品製造関連設備販売が伸長し、グローバル展開の実効性が確認された。為替前提は米ドル158円・ユーロ183円・人民元23円。
㈱第一メカテック・第一実業ビスウィル㈱・㈱DJ-WAVEエンジニアリング等の子会社機能を活用し、単純仕入販売から設計・製作・アフターサービスを含む高付加価値提案へ移行。2026年3月期に粗利率改善が実現し、売上減少局面でも増益を達成したことで施策の有効性が確認された。
ROE向上と株主還元強化を両立させる資本政策を推進。2026年3月期の年間配当は125円(前期92円)、配当性向40.1%(前期33.0%)へ大幅引き上げ。
2027年3月期も年間125円(配当性向42.5%予想)を維持する方針。自己資本比率51.5%・現金51,829百万円の積み上がりを背景に、事業投資と株主還元のバランスが問われる局面にある。
最終更新: 2026年7月19日

