事業内容
スターゼン株式会社は1948年創業の総合食肉企業で、子会社19社・関連会社14社からなるグループを形成する。国内では生産肥育(豪州Wagyu含む)・処理加工・ハム/ソーセージ製造・食肉卸売を一貫して手掛け、全国の営業拠点を通じてスーパー・外食・食品メーカー等に供給する。
海外では豪州肥育企業(YORKRANGE社・BROAD WATER DOWNS社)の完全子会社化やシンガポール食肉加工販売会社(ADiRECT SINGAPORE社)の取得により、生産から第三国販売までのグローバルサプライチェーンを構築中。売上高448,213百万円(2026年3月期)のうち食肉関連事業が444,921百万円と99%超を占める。
ビジネスモデル
主収益は食肉・加工食品の仕入販売差益であり、2026年3月期の売上原価404,051百万円に対し売上高448,213百万円を計上。自社工場での加工付加価値(生産実績140,113百万円)と商品仕入(264,320百万円)を組み合わせ、全国営業拠点で販売する。
加えて持分法投資利益2,154百万円(前期比+47.4%)が経常利益を下支えし、関連会社プライフーズ等との協業が収益安定に寄与している。
企業の強み
豪州Wagyu肥育(YORKRANGE社・BROAD WATER DOWNS社)、国内処理加工(スターゼンミートプロセッサー)、輸出専用ブランド「AKUNE GOLD」「AOMORI GOLD」の2ブランド体制、シンガポール販売拠点(ADiRECT SINGAPORE社)を一体運営。牛部分肉製造マイスターによる高度加工技術と徹底した衛生管理体制が競合との差別化要因となっている。
加工食品部門は2026年3月期売上高84,649百万円(前期比+8.0%)とハンバーグ商品群が牽引し安定成長。持分法による投資利益は2,154百万円(前期比+47.4%)に拡大し、プライフーズ等関連会社14社のネットワークが営業利益を補完する構造を形成している。
2016年締結の資本業務提携により三井物産株式会社が9,329,646株を保有(2026年3月31日現在)。同社の畜産事業ネットワークを活用した原料調達から加工・販売に至るバリューチェーン協力関係を構築しており、海外調達基盤の強化に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期381,432百万円から2026年3月期448,213百万円へ5期連続増収(+17.5%)。ただし2026年3月期の営業利益は8,762百万円(前期比3.1%減)と微減に転じた。
外部要因として、鶏肉相場の高騰(ブラジル・タイの供給制約)、米国産牛肉の現地価格高、円安による輸入コスト上昇が収益を圧迫した。一方、国産豚肉・加工食品・輸出事業は堅調で売上総利益は44,162百万円(前期比+5.4%)と改善。
販管費が35,400百万円(前期比+7.8%)と増加したことが営業利益の減少要因。2027年3月期は売上高470,000百万円(+4.9%)、営業利益9,200百万円(+5.0%)を予想しており、増収増益回帰を見込む。
成長戦略
海外事業の垂直統合深化とグローバル和牛ブランドの確立で収益構造を高度化
YORKRANGE社・BROAD WATER DOWNS社(豪州Wagyu肥育)とADiRECT SINGAPORE社(東南アジア食肉加工販売)を完全子会社化し、生産から第三国販売までのバリューチェーンを垂直統合。東南アジアを中心とした高成長市場への供給力を強化する。
「AKUNE GOLD」(九州・阿久根拠点)に加え「AOMORI GOLD」(東北拠点)を新設し、安定供給体制を強化。台湾「Food Taipei」での展示等、積極的な販促活動により既存・新規取引先への営業を推進。2026年3月期の輸出事業は好調に推移した。
2026年1月に関西基幹拠点として伊丹営業センターを新築移転。敷地面積は従来の3倍、保管能力は従来の5倍に拡大し、西日本エリアでの販売拡大と物流効率化を実現する。
2027年3月期を初年度とする新中期経営計画のもと、国内外の強固な調達基盤・商品化技術・全国営業拠点の提案力を活かし、顧客から価値で選ばれる存在への進化と海外成長市場の獲得を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

