事業投資リスク
合弁事業パートナーや持分法適用会社における経営統制の限界、ノンオペレーター参画事業でのオペレーター依存により、投下資金の回収不能や計画利益未達のリスクを負う。特に金属資源・石油ガス探鉱開発生産事業において影響が大きい。対応として新規投資の定量・定性基準による意思決定、全事業の保有意義定期レビュー、リスクアセットの定期モニタリング及びストレステストを実施している。
地政学的リスク
中東紛争の長期化・周辺波及、ロシア・ウクライナ情勢、米中関係緊張により、エネルギー市況・資源価格変動、物流停滞、事業運営コスト増加が生じるリスクがある。ロシア向けリスクエクスポージャー(グロス)は2026年3月末時点で2,798億円(全社の約1.5%)。保険・輸出信用機関活用、現地情勢モニタリング、有事対応ノウハウ蓄積等でリスク低減を図るが、全ての地政学的リスク回避は困難としている。
気候変動リスク
炭素税・排出規制等の政策・法規制リスク、新技術導入による既存商材陳腐化の技術リスク、化石燃料需給変化・資金調達制約の市場リスクが中長期的に顕在化する可能性がある。4℃シナリオ下では分析対象65社のうち2050年に猛暑リスクが高い企業が約8割、山火事リスクは現在比約2倍に増加と分析。社内カーボンプライシング制度導入、2030年GHGインパクト半減・排出量30%削減目標を設定し対応している。
商品価格リスク
鉄鉱石・原料炭・銅・原油・天然ガス・LNG等の市況商品価格は需給不均衡・景気変動・為替変動等により乱高下し、生産事業の販売収入に直接影響する。2027年3月期の感応度は原油US$1/バレル変動で当期利益13億円、鉄鉱石US$1/トン変動で30億円と推定(ヘッジ影響除く)。商品スワップ等デリバティブによるヘッジ、各事業本部長によるポジション・損失限度管理、独立リスク管理部署による定期報告体制を構築している。
為替リスク
外貨建資産・負債の換算リスク及び海外関係会社投資の為替変動リスクを負い、包括利益・財政状態に重要な影響を及ぼす可能性がある。2027年3月期の感応度は米ドル/円1円変動で当期利益46億円、豪ドル/円1円変動で18億円と推定。為替予約・通貨スワップ等デリバティブによるヘッジ及び外貨建借入金による純投資ヘッジを実施し、ヘッジ会計を適用している。
保有上場株式の株価リスク
事業機会創出・取引関係強化を目的にFVTOCIに区分する市場性ある資本性金融資産を当連結会計年度末に1兆4,793億円(総資産の7.1%)保有しており、株式市場の価格変動によりその他の包括利益が悪化し財政状態に重要な影響を及ぼす可能性がある。全銘柄を対象とした株式ポートフォリオの定期見直しにより管理しているが、相場下落リスクを完全に排除することはできない。
与信リスク
損失評価引当金控除後の流動売上債権等は当連結会計年度末に2兆3,445億円(総資産の11.3%)に上り、取引先の財政状態悪化・企業倒産増加・流動性危機等により債権回収が困難となるリスクを負う。クレジットライン管理・回収期日モニタリング・担保取得等の管理策を講じているが、与信管理政策によってもリスクを完全に排除することはできないとしている。
オペレーショナルリスク
グローバルな多角的事業において火災・爆発・事故・自然災害・輸出入制限等の操業上リスクが存在し、環境事故発生時はノンオペレーターであっても清掃費用・損害賠償・罰金等の負担を強いられる可能性がある。リスク軽減策・損害防止策の検討及び保険付保により対応しているが、全損害を填補し得ない可能性があるとしている。
情報セキュリティリスク
グローバルなサイバー攻撃増加を背景に、情報システム基盤の重大障害や経営機密情報の破壊・窃取が発生した場合、業務効率の著しい低下や事業継続困難につながるリスクがある。関連規程整備、通信ネットワーク監視、非常時を想定した定期訓練、サイバー被害保険付保等の対策を講じているが、全損害を填補し得ない可能性があるとしている。
コンプライアンス違反リスク
広範な事業領域・地域において、貿易・投資規制・独占禁止法・汚職防止法・税法等の法令違反や社内ルール逸脱が発生した場合、予測不能な損失・社会的信用毀損・管理不能なリスクにつながる可能性がある。2024年5月に「三井物産グループ行動指針-With Integrity」を改訂し、スピークアップ文化の醸成・職制ライン及び職制外の報告相談ルート設置・コンプライアンス違反への厳正対処等の取組みを継続しているが、全ての違法行為を完全に排除することはできないとしている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

