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株式会社スクロール

8005東証プライム小売業

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事業内容

株式会社スクロールは1943年創業の静岡県浜松市に本社を置く東証プライム上場企業。当社グループは18社で構成され、EC・通販事業者向けに物流代行・決済代行・BPO・マーケティングサポートをワンストップ提供する「ソリューション事業」と、アパレル・インナー・雑貨等を自社カタログ・インターネットで販売する「通販事業」を二大収益基盤とする。

これに加え、個人向けECを展開する「eコマース事業」、グループ物流・不動産賃貸を担う「グループ管轄事業」を擁し、2026年3月期の連結売上高は88,548百万円に達する。主要顧客はEC・通販事業者および生活協同組合(コープデリ生活協同組合連合会が売上高の10.9%を占める)。

ビジネスモデル

ソリューション事業では、EC・通販事業者の業務運営に不可欠な物流代行・決済代行・BPO・マーケティングサポートを一括受託し、サービス手数料・取扱高連動収益を得る。通販事業では自社カタログ・ECサイトを通じてアパレル等を直販し、商品マージンを収益源とする。

両事業の相乗効果(自社通販で培ったノウハウをソリューション提供に活用)が競争優位を形成。有利子負債残高7百万円と実質無借金経営を維持し、営業CFを主要資金源とする財務構造を持つ。

企業の強み

物流代行・決済代行・BPO・マーケティングサポートを単一グループ内でワンストップ提供できる体制を構築。2026年3月期にソリューション事業売上高は37,605百万円(前期比20.4%増)、セグメント利益は1,570百万円(同76.5%増)と急拡大しており、ダイレクトマーケティング市場外への顧客開拓も奏功している。

2026年3月期末の有利子負債残高(借入金・リース債務含む)は7百万円と実質無借金。自己資本比率は63.9%、現金及び現金同等物残高は10,721百万円。営業活動によるキャッシュ・フローは6,939百万円を確保しており、外部資金調達に依存しない安定した財務体質を有する。

コープデリ生活協同組合連合会との取引は2026年3月期に9,616百万円(売上高比10.9%)と主要顧客として継続。1971年12月の日本生活協同組合連合会との取引開始以来、50年超にわたる生協チャネルとの関係を維持しており、通販事業の安定的な収益基盤を形成している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は2,768百万円(前期比35.1%減)と大幅減益となったが、主因はZonExpert㈱ののれん減損548百万円とeコマース事業の不採算撤退に伴う事業整理損1,006百万円(棚卸資産性評価損757百万円含む)の合計1,615百万円の特別損失計上。経常利益ベースでは6,166百万円(同4.0%減)にとどまり、事業構造改革コストを除いた実力値は相対的に底堅い。

2027年3月期は純利益4,300百万円(同55.3%増)を予想しており、特別損失一巡後の回復を見込む。

ソリューション事業はセグメント利益が前期比76.5%増と急拡大する一方、通販事業は売上高36,662百万円(同6.0%減)、セグメント利益4,181百万円(同19.8%減)と低迷。物価高騰による生活防衛意識の定着、記録的猛暑・暖冬等の天候影響が通販事業の外部逆風として継続している。

中長期的には人口減少・少子高齢化によるマーケット縮小も懸念材料であり、ソリューション事業への重心移行が企業価値維持の鍵となる。

2026年3月期の年間配当は59.00円(前期比7.50円増)、配当性向は73.1%と高水準。2027年3月期は記念配当2円50銭を含む102.00円(普通配当97.00円)を予想し、配当性向80.2%を見込む。

純利益の回復(予想4,300百万円)を前提とした計画だが、特別損失が再発した場合の配当維持能力については引き続き注視が必要。自己株式取得(2026年3月期に999百万円実施)と合わせた総還元姿勢は評価できる。

成長戦略

LPBへの経営資源集中とDirect Solution Companyへの事業ポートフォリオ変革

物流代行・決済代行・BPOをワンストップ提供する強みを活かし、ダイレクトマーケティング市場に限定せずあらゆる事業者を対象に展開。2026年3月期にセグメント売上高37,605百万円(前期比20.4%増)・利益1,570百万円(同76.5%増)を達成し、成長ドライバーとしての地位を確立。

並行輸入品EC販売および旅行企画販売事業からの撤退を2026年3月期に決議し、事業整理損1,006百万円を計上。防災用品関連等の成長商材に注力しつつビジネスモデルを転換。2026年3月期にセグメント利益385百万円(前期比136.0%増)と黒字拡大を実現。

資本収益性の観点からのれん減損(ZonExpert㈱、548百万円)を断行し、不採算資産の整理を推進。成長領域への経営資源集中を加速させ、ROE改善(2026年3月期7.5%、前期12.2%から低下)を中長期的に目指す。2027年3月期純利益4,300百万円予想による回復が前提。

「すべての『欲しい』を解決するDirect Solution Company」を新コーポレートアイデンティティとして掲げ、通販・ソリューションのノウハウを活用してビジネス・暮らし・社会へのダイレクトな解決策提供を目指す。BPO需要の着実な拡大(人材不足・人件費高騰を背景とした外部環境の追い風)を取り込む戦略。

最終更新: 2026年7月19日