事業内容
株式会社バルカーは1927年創業、2018年に現商号へ変更した東証プライム上場の産業用シール製品・機能樹脂製品メーカーである。シール製品事業ではガスケット・パッキン・エラストマー製品等を半導体製造装置・プラント・自動車向けに供給し、機能樹脂製品事業ではフッ素樹脂加工品・ライニングタンク等を先端産業・化学プラント向けに展開する。
国内製造子会社に加え、米国・台湾・ベトナム・タイ・シンガポール・韓国等に製販拠点を持ち、グローバルサプライチェーンを構築している。2026年3月期の連結売上高は58,556百万円。
ビジネスモデル
主力のシール製品事業(売上高43,858百万円)と機能樹脂製品事業(同14,697百万円)の製造・販売が収益の柱。国内外の製造子会社で生産した高機能製品を、グローバル販売ネットワーク経由で半導体・プラント・自動車等の顧客に供給する。
加えて、プラント向けシールエンジニアリングサービスやAI/ITデジタルソリューションの収益化を推進し、製品販売に依存しない付加価値型収益源の育成を図っている。
企業の強み
エラストマー製品・フッ素樹脂製品において次世代半導体製造装置用製品のスペックイン活動をグローバルに展開。2026年3月期シール製品事業の売上高は43,858百万円(前期比7.1%増)、セグメント利益は6,605百万円(同35.2%増)と高い収益性を示しており、先端産業市場での技術的優位性が数値に表れている。
米国・台湾・ベトナム・タイ・シンガポール・韓国に製造・販売子会社を展開。2026年3月期にはベトナム新工場の新設分割によりVALQUA ADVANCED VIETNAM CO.,LTD.を設立し、生産体制を拡充。
受注高60,334百万円・受注残高12,810百万円(前期比16.1%増)と手元受注が積み上がっており、グローバル供給体制の実効性が確認できる。
1952年に日本初のフッ素樹脂製品化を実現し、シール技術・フッ素樹脂加工技術を長年にわたり蓄積。2026年3月期の研究開発費は1,394百万円(シール製品事業1,072百万円、機能樹脂製品事業321百万円)を投じ、マテリアルインフォマティクスやデータサイエンスを活用した開発プロセスの高度化を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2024年3月期から2026年3月期にかけて売上高は61,744→60,113→58,556百万円と3期連続で減収基調にあったが、2027年3月期第1四半期は売上高17,191百万円(前年同期比23.2%増)、営業利益率は16.9%(前年同期12.9%)に改善。市場環境として半導体関連の先端産業需要拡大が追い風となり、通期業績予想も売上高69,000百万円(前期比17.8%増)、営業利益11,000百万円(同54.9%増)へ上方修正された。
ただしQ1純利益には固定資産売却益(1,663百万円)という一過性要因を含む点には留意が必要。
成長戦略
半導体関連の先端産業向け生産能力増強とデジタルソリューションで収益拡大を加速
中期経営計画NF2026の最終年度において、半導体周辺市場の成長を見据えた製品力強化と生産拠点増強を推進。Q1はシール製品事業売上高が前年同期比20.4%増と成果が顕在化しつつある。
先端産業・プラント市場向けライニングタンクやフッ素樹脂加工品の需要回復を捉え、Q1は売上高31.3%増・セグメント利益196.1%増と大幅改善。
研究開発施設の再編(施設売却含む)を進めつつ、デジタルソリューション分野の体制整備を継続し、製品販売との連携による付加価値向上を狙う。
通期業績予想を売上高69,000百万円・純利益8,700百万円へ上方修正し、ROEは15%水準に接近。売上高目標には約11,000百万円の距離が残る。
最終更新: 2026年7月30日

