事業内容
立川ブラインド工業は1938年創業の建築内装品総合メーカー。主力の室内外装品関連事業(連結売上高の約84%)では、ブラインド・ロールスクリーン・間仕切等を製造販売し、調光ファブリック製品「ルミエ」「エアレ」や電動製品「ホームタコス」など高付加価値製品を展開する。
連結子会社の富士変速機が担う駐車場装置関連事業(機械式立体駐車装置「パズルタワー」)と減速機関連事業も収益柱として機能。国内8社の連結グループで製造・販売・施工・保守を一貫して手掛け、中国上海にも製造拠点を持つ。
主要顧客は住宅・建築業界を中心とした法人・個人消費者。2022年にはプライム市場へ移行し、2024年10月に富士変速機を完全子会社化した。
ビジネスモデル
グループ内で部品製造(立川機工・富士変速機)、布帛加工(立川布帛工業・滋賀立川布帛工業)、施工販売(立川装備)、貿易(タチカワトレーディング)を分担する垂直統合型モデル。主力の室内外装品は見込生産と短納期受注生産(3〜4日)を組み合わせ、全国支店網を通じて建材流通・工務店等へ供給する。
駐車場装置は新設工事に加え改修改造工事の比率を高め、利益率の改善を図る。設備投資・研究開発費は全て自己資金で賄い、無借金経営を維持している。
企業の強み
2025年12月期末の自己資本比率は83.2%(前期比+0.2pt)、有利子負債ゼロで設備投資・研究開発費を全額自己資金で賄う。総資産67,735百万円に対し純資産56,353百万円。財務活動CF▲1,101百万円の主因は配当金支払1,042百万円であり、借入返済は発生していない。
2025年12月期の親会社株主帰属当期純利益は3,239百万円と過去最高益を更新(前期比+15.6%)。住宅着工戸数の減少という逆風下でも主力製品の価格改定とコスト低減活動により各利益項目で中期経営計画目標を達成。営業CFは4,522百万円(前期比+2,879百万円)と大幅改善。
駐車場装置関連事業の受注残高は4,507百万円(前期比+76.9%増)、受注高も5,155百万円(前期比+41.7%増)と急増。採算性重視の受注戦略により営業利益率は15.5%(前期比+1.6pt相当)に改善。改修改造工事の増加が利益率の高い売上ミックスを形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は41,237百万円(2021期)から42,623百万円(2025期)へと緩やかな成長にとどまっていたが、2026年12月期第1四半期は前年同期比8.0%増の11,353百万円と成長が加速。営業利益率も13.8%(前年同期12.7%)へ改善した。
外部環境として住宅着工戸数の減少傾向が続く一方、駐車場装置の工期前倒し効果(売上高前年同期比82.7%増)とAGV向け減速機の好調(同19.5%増)が全体を押し上げた。通期予想(売上高43,500百万円、営業利益4,500百万円)は前期比それぞれ2.1%増・2.0%増と保守的な設定であり、1Q進捗率からは上振れ余地が示唆される。
キャッシュ・フローは営業CF823百万円の黒字を確保しつつ、設備投資(有形固定資産取得1,044百万円)を積極化している。
成長戦略
「タチカワビジョン2028」のもと高付加価値製品拡販・投資拡大・アライアンスで成長加速
調光タテ型ブラインド「エアレ」等の生地バリエーションを継続的に拡充し、新規購買層の取り込みを推進。2026年12月期第1四半期において室内外装品事業の売上高が前年同期比2.2%増を達成しており、製品ミックス改善効果が確認されている。
2026年1月に住設メーカー展示場が集積する新宿に新ショールームを開設。住宅向け窓まわり製品・間仕切の体験型展示を充実させ、幅広い購買層への需要喚起と提案力強化を図る。1Q実績において室内外装品の増収に貢献していることが確認された。
2026年4月に中国・四国地方の支店を統合し、新たに中四国支店として営業を開始。営業機能の効率化と顧客サービス向上を目的とした拠点再編であり、販管費の抑制(前年同期比ほぼ横ばい)に寄与している。
既設物件への計画的改修提案とEV対応・オートゲートクローズ等の付加価値提案を推進。2026年12月期第1四半期は売上高1,101百万円(前年同期比82.7%増)、営業利益209百万円(同105.6%増)と急拡大し、施策の有効性が実績で裏付けられた。
物流自動化・省人化需要を背景にAGV(無人搬送台車)向け個別製品の売上が好調に推移。2026年12月期第1四半期の減速機事業売上高は838百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益51百万円(同742.5%増)と大幅改善。サーボモータを中心とした新規需要開拓も継続中。
2026年12月期第1四半期の有形固定資産取得支出は1,044百万円と前年同期(203百万円)から大幅に増加。2024年10月稼働の技術研究棟を活用した開発力強化と合わせ、生産体制の質的向上を推進している。
最終更新: 2026年7月17日

