事業内容
株式会社ミロクは1893年創業の猟銃メーカーを源流とする純粋持株会社。連結子会社6社・関連会社3社で構成され、猟銃事業(売上高の約85%)、工作機械事業(同約16%)、クラウドソリューション事業、その他(自動車用ハンドル・木工商品)の4セグメントを展開する。
猟銃事業では世界的銃器ブランドであるブローニンググループ(米国・ベルギー)向けにOEM供給を行い、売上高の82%超を同グループ2社が占める。工作機械事業は深穴加工機(ガンドリル)に特化したニッチ総合メーカーとして国内外に展開。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
猟銃事業では2028年6月(米国向け)・2030年12月(欧州向け)まで有効な長期供給契約のもと、ブローニンググループからの受注を安定的に獲得し製造・納品する。工作機械事業は機械製造・加工受託・ツール販売の3部門で構成し、加工部門を収益の柱と位置づける。
クラウドソリューション事業は設備保全向けSaaSを新規顧客獲得フェーズで展開中。グループ全体の資金調達は営業CFと金融機関借入を組み合わせる。
企業の強み
米国ブローニング・アームズ・カンパニーおよびベルギーのブローニング・インターナショナルS.A.との長期供給契約(各2028年6月・2030年12月まで)を締結。2025年10月期の両社向け販売高は合計10,263,708千円(総販売実績の82.0%)に達し、受注高も前期比12.5%増の10,260,012千円と堅調に推移した。
ミロク機械は1971年設立以来、深穴加工機に特化したニッチ市場で機械製造・加工受託・ツール販売の3部門を一体運営する国内有数の総合ガンドリルメーカー。全国4拠点体制を持ち、半導体製造装置・FPD市場向けに加工部門を核とした事業展開を行っている。
2025年10月期の工作機械事業売上高は1,994百万円(前期比18.3%増)。
高知県南国市の南国日章産業団地において2025年2月にミロク日章工場が竣工。2025年10月末時点で建物・機械装置等に累計5,572百万円を投資済み。
2026年2月の本格稼働により生産能力拡充と生産性向上を図るとともに、前期末計上の固定資産減損損失(2,513百万円)による減価償却費負担軽減効果が2026年10月期以降に顕在化する見込み。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年10月期中間期(2025年11月〜2026年4月)の連結売上高は6,204百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益は107百万円(同5.4%減)、経常利益は209百万円(同25.4%減)。過去5期の通期実績は2021期13,653百万円→2022期11,471百万円→2023期11,887百万円→2024期10,918百万円→2025期12,518百万円と推移し、営業利益は2024期・2025期と連続赤字。
外部要因として、トランプ関税によるブローニンググループからの受注低迷と原材料価格高騰が猟銃事業の収益を圧迫。減価償却費の剥落(前年同期282百万円→当中間期220百万円)という自社固有の改善要因があるにもかかわらず、コスト転嫁の遅れが利益回復を阻んでいる。
通期営業損失予想△100百万円は3期連続の営業赤字を示唆する。
成長戦略
日章新工場稼働・ブローニング協調深化・工作機械加工部門強化・クラウド顧客獲得の4軸
高知県南国市の日章新工場が2026年2月に本格稼働。省人化・工程自動化・ロボット化・IT/IoT活用による生産性向上と価格競争力強化を推進。減価償却費の剥落効果と合わせ、中長期的な収益改善の基盤となる。
主力顧客ブローニンググループとの関係強化を通じた受注安定化を図るとともに、原材料価格高騰分の販売価格への転嫁交渉を継続。トランプ関税の影響でボルトアクションライフルの受注が低調であり、回復が急務。
全国4拠点の加工部門稼働率向上を核とした安定収益確保と、機械部門での対面営業強化による新規顧客獲得を推進。2026年10月期中間期のセグメント利益は前年同期比34.8%増の99百万円と成果が顕在化している。
設備保全業務効率化向けクラウドサービスの新規顧客獲得営業を強化。2026年10月期中間期の売上高は前年同期比111.8%増の14百万円と急拡大し、営業損失も前年同期24百万円から11百万円へ縮小。収益化に向けた進捗が確認される。
最終更新: 2026年7月17日

