事業内容
三菱鉛筆株式会社は1887年創業の老舗筆記具メーカーで、「uni」「JETSTREAM」「KURUTOGA」「POSCA」等のグローバルブランドを擁し、世界100ヵ国以上で製品を販売する。国内外50社の連結子会社を通じ、筆記具の製造・販売を中核事業とするほか、筆記具技術を転用した化粧品ODM/OEM事業・産業資材事業・粘着テープ事業・手工芸品事業も展開。
2024年にはドイツの高級筆記具ブランドC. Josef Lamy GmbHを買収し、プレミアムセグメントを強化。2025年1月にはインドに新製造拠点UNI LINC INDIA PRIVATE LIMITEDを設立し、グローバルサプライチェーンの拡充を進めている。
主要顧客は一般消費者・学生・ビジネスパーソンに加え、化粧品・産業分野のBtoB顧客にも広がる。
ビジネスモデル
国内外の自社工場(ベトナム・中国・インド等)で製造した筆記具を、国内販売子会社および海外現地法人を通じて販売する垂直統合型モデルが基本。売上高89,814百万円のうち97.3%を筆記具及び筆記具周辺商品事業が占め、営業利益率10.9%を確保。
筆記具開発で蓄積した分散・微細加工・容器設計等のコア技術を化粧品ODM/OEM・産業資材(電池材料等)へ転用し、非筆記具事業を第二の収益柱として育成中。
企業の強み
油性ボールペン「JETSTREAM」は世界販売本数が年間1億本以上に達するグローバルヒット商品。国内ではジェットストリーム多機能ペン4&1が継続的に好調を維持し、LAMYブランドとのコラボ商品「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」など他ブランドとの融合展開にも成功している。
筆記具開発で培った分散・焼成・微細加工・容器設計等のコア技術を化粧品ODM/OEM(アイメイク・毛染め)および産業資材(PTFE・CNT分散液、電池材料等)へ応用。2025年3月期において化粧品・産業資材事業は増収を達成し、非筆記具事業が成長の新たな柱として機能し始めている。
2025年12月期末時点で純資産140,432百万円、現金及び現金同等物32,807百万円を保有。有利子負債残高は15,326百万円にとどまり、ネットキャッシュポジションを維持。研究開発費4,209百万円・設備投資5,075百万円を継続投下できる財務的余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期61,894百万円から2024期88,820百万円まで5年で約44%増と拡大基調を維持してきたが、2025期は89,814百万円と微増にとどまり、営業利益は9,692百万円(前期比▲20.5%)・当期純利益は6,235百万円(同▲44.7%)と大幅に落ち込んだ。2026年1Q累計では売上高24,710百万円(前年同期比+9.4%)、営業利益3,566百万円(同+39.5%)と急回復。
販売費及び一般管理費の削減(前年同期比▲665百万円)と為替差損の縮小(前年同期215百万円→当期44百万円)が利益改善を牽引した。外部要因として円安が海外売上の円換算額を押し上げた。
通期業績予想(売上高94,000百万円・営業利益10,500百万円)に変更はなく、中東情勢に起因する原材料コスト上昇が今後の不確実性として残る。
成長戦略
「uni Advance」に基づく高付加価値化・エリア拡大と非筆記具事業育成を推進
ユニボール ワン 3・スタイルフィット リニューアル・LAMY safari KURUTOGA insideなど独自技術を搭載した高単価製品を継続投入。国内外でJETSTREAM・uniball ZENTOシリーズの販売好調が継続しており、ブランドプレミアムによる収益拡大を図る。
三菱鉛筆の技術力(クルトガ機構等)とLAMYのブランド力・デザイン力を融合した製品展開を推進。欧州地域ではPOSCAの流通在庫調整の影響が残るものの、円安効果もあり増収を確保。高付加価値製品によるプレミアムポジションの確立を目指す。
中期経営計画「uni Advance(2025-2027)」に基づきインド・新興国市場への展開を推進。2026年1Qでは韓国でのJETSTREAM好調および中国での販促・ブランド強化策が奏功し、アジア地域で増収を達成。米国でもuniball ZENTOが好調に推移。
筆記具開発由来のコア技術を広範な分野・用途へ展開し収益の多層化を図る。2026年1Qでは産業資材事業が増収、粘着テープの食品向け・衛生用品向けも好調に推移。その他事業セグメントの外部顧客売上高は653百万円(前年同期比+2.3%)を達成。
最終更新: 2026年7月17日

