菊水化学工業株式会社 logo

菊水化学工業株式会社

7953東証スタンダードその他製品

菊水化学工業株式会社 logo
菊水化学工業株式会社7953

事業内容

菊水化学工業は1959年創業の建築仕上塗材専業メーカーで、建築仕上塗材・下地調整塗材・タイル接着材・建築土木資材の製造販売に加え、ビルリフレッシュ(改修・改装工事)を一体提供する。下地調整から仕上げまでをワンストップで手掛ける点が業界内で唯一の存在として位置づけられる。

国内に犬山・茨城・福岡・東海・滋賀など複数工場を持ち、香港・中国・台湾に連結子会社を展開。主要顧客は大和ハウスリフォームをはじめとする大手リフォーム会社や塗装・防水・左官業者など多業種にわたる。

改修市場を主戦場とし、環境対策・省エネ対策・剥落対策など建物の「困りごと解決」を事業の核に据えている。

ビジネスモデル

製品(塗材)の製造・販売に加え、自社施工体制による「責任施工」で完成塗膜を顧客に提供する垂直統合型モデルを採る。製品単体の販売収益に加え、工事受注による施工収益を組み合わせることで、単純な材料メーカーより付加価値の高い収益構造を実現している。

大和ハウスリフォームへの販売比率は売上高の13.6%(2026年3月期実績:2,936,417千円)を占め、大手リフォーム会社との継続的取引が安定収益の基盤となっている。

企業の強み

建築下地調整塗材から仕上塗材・タイル接着材・建築土木資材まで一貫して手掛けるメーカーは業界内で当社のみと有報に明記されている。この製品ラインアップの網羅性が競合との差別化要因であり、顧客の多様な施工ニーズに対してワンストップで対応できる点が継続的な取引関係の維持に寄与している。

2026年3月末時点で特許・実用新案権の登録件数42件、出願中34件を保有。建築仕上材業界初となる「ジオポリマー」技術を活用した建築用仕上塗材の開発や、バイオマスバランス・アプローチによる低炭素対応型塗料の第三者機関認証取得など、独自技術の事業化実績を積み重ねている。

研究開発費は年間311,640千円を投じている。

大和ハウスリフォームへの販売額は2026年3月期に2,936,417千円(売上高比13.6%)と前期の2,807,689千円(13.1%)から増加しており、大手リフォーム会社との取引が拡大基調にある。単一顧客への依存リスクはあるものの、大手との継続的関係は安定した受注基盤として機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高21,602百万円(前期比+211百万円)、営業利益403百万円(前期比+138百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益270百万円(前期比+104百万円)と回復を示した。ただし営業利益は2024年3月期の554百万円を依然下回っており、2022〜2024年期の水準への完全回帰には至っていない。

収益性の本格的な回復を確認するには次期以降の動向を見極める必要がある。

過去5期の売上高は21,000〜22,400百万円のレンジで推移しており、トップライン成長は限定的。営業利益率は2026年3月期に1.9%まで回復したものの、2022〜2024年期の2.0〜2.5%水準と比較しても低位にとどまる。

外部要因として建設資材・原材料コストの動向が利益率に直接影響するため、原材料価格の安定が収益改善の前提条件となる。

2026年3月期末の純資産合計は10,406百万円(前期末9,667百万円から増加)。株主資本等変動計算書(訂正後)によれば、自己株式取得35,175千円、剰余金の配当213,777千円を実施しつつ、当期純利益270,495千円の計上により純資産は拡大。

財務基盤の健全性は維持されており、株主還元姿勢も継続している点は評価できる。

成長戦略

改修・インフラ市場の深耕と付加価値製品への置換で収益性の本格回復を目指す

環境対策・省エネ対策・剥落対策等の社会的要請を背景に、既存建物の改修需要を6ソリューション体制で取り込む。市場環境として老朽化ストック物件の増加が追い風となっており、自社の施工一体提供力を活かした受注拡大を図る。

汎用品から高付加価値製品へのラインアップ転換により、製品単価の引き上げと利益率改善を目指す。2026年3月期の営業利益回復は一定の進捗を示すが、2024年3月期水準への完全回帰には引き続き取り組みが必要。

基幹システム移行完了により、原価管理の精度向上と販管費の適正化が図られる体制が整備済み。2026年3月期の利益改善にも寄与しているとみられ、今後の収益性向上の基盤として機能することが期待される。

最終更新: 2026年7月19日