事業内容
ニチハ株式会社は1956年創業の外装材専業メーカーで、窯業系サイディング(モエンシリーズ)および金属系外装材を中核製品とする。国内では名古屋・いわき・下関・高萩・富士等の複数工場で製造し、SMB建材・住友林業・伊藤忠建材等の大手建材流通を通じて販売する。
海外では米国ジョージア州に自社工場を持つNichiha USA,Inc.が製造販売を行い、カナダ・中国・豪州・アジア・欧州にも販売網を展開する。売上高143,740百万円のうち外装材事業が約93%を占め、住宅向けに加え非住宅(商業施設・中層ビル・マンション)市場への拡大を推進している。
ビジネスモデル
自社および子会社工場で製造した外装材を大手建材流通経由で販売する製造卸モデルが基本。上位3社(SMB建材26.0%、住友林業21.4%、伊藤忠建材14.3%)で売上の約62%を占める集中型流通構造を持つ。
収益向上策として、塗膜30年保証対応の「プレミアムシリーズ」等の高付加価値品投入、定期的な製品価格・配送費の改定、サイディング本体に加えた施工用部材の同時販売強化を実施し、一棟当たり売上・利益の拡大を図っている。
企業の強み
国内では名古屋・いわき・下関・高萩・富士等の複数拠点に加え、子会社ニチハマテックス・高萩ニチハ・ニチハ富士テック・チューオー等が製造を担う。米国ではジョージア州メーコン市に第1・第2工場を保有し、2022年に第2工場を稼働させた。
適地生産拡大とデジタル技術活用による省人化投資を推進し、物流コスト削減と生産性向上を同時に追求している。
SMB建材(売上比26.0%、37,367百万円)、住友林業(同21.4%、30,693百万円)、伊藤忠建材(同14.3%、20,490百万円)の大手3社との継続的取引関係を維持。これら主要流通との長期的な取引基盤は競合他社が短期間で代替困難な参入障壁を形成しており、安定的な販売量の確保に寄与している。
2025年度グッドデザイン賞を受賞した新工法「プラスターモエン外壁防火構造」、中層ビル・マンション向けリフォーム工法「ニチハMARCシステム」、金属系「スレート外壁改修工法」、RC造向け「RC×EX工法」等を開発・展開。研究開発費1,220百万円・研究開発人員91名を投じ、塗膜30年保証対応の「プレミアムシリーズ」に次世代インクジェット塗装品を追加するなど高付加価値品ラインを拡充している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期128,599百万円→2025期148,478百万円と4期連続増収後、2026期は143,740百万円と前期比3.2%減収に転じた。営業利益は2026期9,355百万円と前期(6,951百万円)から34.6%回復したが、2022期(12,576百万円)比では依然25%低い水準。
当期純利益は2,486百万円と前期(2,706百万円)からさらに低下し、2022期比約75%減の状態が続く。外部要因として国内住宅着工戸数の減少・原材料・エネルギーコストの高止まりが収益を圧迫。
価格改定効果が営業利益の部分的回復に寄与したものの、減収による数量減が相殺した形。セグメント別では外装材事業の売上高(外部顧客)134,108百万円、その他9,632百万円。
成長戦略
国内非住宅開拓・米国コマーシャル拡大・収益性向上の3軸で2030年グローバル企業を目指す
原材料・エネルギーコスト上昇を転嫁する価格改定を継続実施。2026年3月期においても増益要因として機能し、営業利益の前期比回復(6,951百万円→9,355百万円)に貢献。単価改善による収益構造の底上げを図る。
住宅着工減少という外部逆風に対応するため、非住宅市場への専任担当者を全国配置し積極開拓を推進。住宅依存度を低下させ需要基盤の多様化を図る施策であり、売上貢献の定量的確認が今後の評価軸。
米国現地生産体制を活かし、コマーシャル向け営業体制を増強。住宅市場に偏らない収益源の確立を目指す。2026年3月期の外装材事業全体の売上高は前期比で減少しており、米国事業の本格的な貢献拡大が課題。
外装材本体に加え施工用部材を同時販売することで、一件当たりの売上高・利益率の向上を図る。製品単体販売からソリューション販売への転換により、流通経由の収益性改善を狙う。
2026年3月期の有形固定資産及び無形固定資産の増加額は4,250百万円と継続的な設備投資を実施。省人化・自動化投資により固定費構造の改善を図り、コスト競争力の強化を推進している。
最終更新: 2026年7月19日

