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株式会社JSP

7942東証プライム化学

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株式会社JSP7942

事業内容

株式会社JSPは1962年設立の発泡プラスチック専業メーカーで、国内子会社11社・海外子会社27社を含むグループで事業を展開する。主力製品は押出発泡技術による断熱材・包装材(ミラフォーム、スチレンペーパー等)と、ビーズ発泡技術による高機能材(発泡ポリプロピレンARPRO、発泡性ポリスチレンスチロダイア等)の2本柱。

顧客層は自動車・建築・食品・電子部品など多岐にわたり、日本・北米・欧州・中国・東南アジア・インド・南米と世界規模で製造販売を行う。売上高145,456百万円のうち約66%をビーズ事業が占め、グローバル展開が収益の中核を担う。

ビジネスモデル

JSPは押出発泡・ビーズ発泡・重合の3技術を自社開発・保有し、国内外の製造拠点で製品を生産・販売する垂直統合型モデルを採る。海外子会社へは特許実施権・ノウハウをランニングロイヤリティ方式で供与し、技術収益も得る。

収益改善は高付加価値製品(ARPROや断熱材ラムダ等)へのポートフォリオシフトと適時の価格改定により実現し、設備投資は生産能力増強と自動化・省エネ化に重点配分する。

企業の強み

1982年に開発した発泡ポリプロピレンARPROを中心に、米国・欧州・中国・東南アジア等に製造拠点を展開。海外子会社11社以上にポリオレフィン樹脂発泡体の特許実施権・ノウハウを供与する技術ライセンス契約を複数締結しており、独自技術の模倣困難性と国際的な供給ネットワークが競争優位の根幹をなす。

2026年3月期の押出事業営業利益は2,058百万円(前期比25.1%増)、ビーズ事業営業利益は6,633百万円(同4.1%増)。ミラフォームラムダ・プレカット品など高付加価値断熱材の販売比率向上と、国内を中心とした販売単価見直し(営業利益押上げ効果860百万円)が収益改善を牽引した実績がある。

2026年3月期末の純資産合計は113,514百万円、自己資本比率は65.9%(前期比0.3ポイント増)。営業キャッシュフローは16,349百万円と前期比7,452百万円増加し、設備投資12,034百万円を自己資金で賄いながら現金及び現金同等物残高を16,567百万円に積み上げた。

財務健全性が高く、成長投資の継続余力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高145,456百万円(前期比2.3%増)、営業利益7,765百万円(同12.7%増)、親会社株主帰属当期純利益6,602百万円(同30.3%増)と全利益段階で増益を達成。しかし2027年3月期の連結業績予想は売上高164,000百万円(同12.7%増)に対し、営業利益7,000百万円(同9.9%減)、当期純利益5,000百万円(同24.3%減)と大幅な利益減少を見込む。

原材料・エネルギーコスト上昇と人件費増加が収益を下押しする見通しであり、価格転嫁の進捗が鍵となる。

2027年3月期の設備投資計画11,000百万円のうち、米国ジャクソン工場拡張・タラホーマ第二工場増強がARPROの生産能力増強の中核。外部要因として、北米の通商政策動向(関税リスク)や中東情勢の緊迫化による地政学リスクが事業環境の不透明感を高めている。

業績予想の前提為替は160円/米ドル・185円/ユーロと円安水準を想定しており、為替変動が業績に与える影響は引き続き大きい。

2026年3月期の営業キャッシュフローは16,349百万円と前期(8,896百万円)から約84%増加し、棚卸資産の減少(1,919百万円)や税金等調整前利益の改善が寄与した。一方、2027年3月期の当期純利益予想5,000百万円は2026年3月期実績6,602百万円を大きく下回り、配当性向は52.4%と高水準になる見込み。

年間配当100円(前期比10円増)の維持方針は株主還元姿勢を示すが、利益水準の早期回復が持続的な還元強化の前提条件となる。

成長戦略

ARPRO北米増産と高付加価値製品シフトで売上拡大、コスト管理で収益性を維持

米国ジャクソン工場の拡張とタラホーマ第二工場の増強を計画。2027年3月期設備投資総額11,000百万円の主要施策として位置付け、自動車・非自動車分野の需要増加に対応する生産体制を整備する。

ミラフォームラムダ・プレカット品等の高付加価値製品の販売比率を高め、販売数量減少を単価改善で補う戦略。2026年3月期は押出事業営業利益が前期比25.1%増と成果が顕在化。2027年3月期も製品価格改定を継続予定。

ARPROの用途をHVAC・包装材・競技用グラウンド等の非自動車分野に拡大するとともに、中国・台湾・東南アジア・インドでの販売を強化。2026年3月期は中国・台湾の包装材分野が好調に推移し増収増益に貢献。

リサイクル原料を使用した製品(欧州でのARPROリサイクル品等)の拡販やプラスチック資源循環への取り組みを推進。環境規制強化を追い風に、ESG対応製品の需要取り込みを図る。

国内ではミラフォームの割付断裁能力増強のほか、自動化・省エネ化設備投資を積極推進。2026年3月期はビーズ事業で固定費削減が増益に寄与。2027年3月期も人件費上昇を吸収するための効率化施策を継続する。

最終更新: 2026年7月19日