株式会社ニッピ logo

株式会社ニッピ

7932東証スタンダードその他製品

株式会社ニッピ logo
株式会社ニッピ7932

事業内容

株式会社ニッピは1907年創業の老舗企業で、長年の皮革事業で培ったコラーゲン・細胞外マトリックス技術を基盤に、可食性コラーゲン・ケーシング(国内唯一・世界四大メーカーの一角)、ゼラチン・コラーゲンペプチド、化粧品・健康食品の通信販売、皮革関連製品、不動産賃貸、輸入食品・バイオ関連製品(iMatrixシリーズ)まで幅広く展開する。連結子会社11社・関連会社1社で構成され、国内外の食品・医薬・化粧品・再生医療分野の顧客を主要ターゲットとする。

2026年3月期の連結売上高は47,252百万円。

ビジネスモデル

コラーゲン・ゼラチン製造技術を核に、食品・医薬・工業向けB2B製造販売(ゼラチン関連・ケーシング・バイオ)と、子会社㈱ニッピコラーゲン化粧品を通じた消費者向け直販通信販売(化粧品・健康食品)を組み合わせる。また東京・大阪の優良立地不動産を活用した高利益率の賃貸事業(営業利益率約78%)が安定収益を下支えする構造となっている。

企業の強み

可食性コラーゲン・ケーシングの製造において国内唯一のメーカーであり、世界四大メーカーの一角を占める。北米向け輸出が好調に推移し、2026年3月期の同事業売上高は9,236百万円を確保。

国内外の食肉加工メーカーへの安定供給体制を構築しており、競合他社が短期間で模倣困難な製造ノウハウと市場地位を有する。

2026年3月期のゼラチン関連事業の営業利益は2,372百万円(前期比49.3%増)と大幅増益を達成。由来原料・原料供給国の見直しと生産性改善によるコストダウンが奏功し、円安環境下でも為替変動の影響を低減。

売上高12,585百万円に対する営業利益率は約18.8%に達し、グループ最大の利益貢献セグメントとなっている。

東京都足立区・大阪市浪速区(なんばパークスサウス)・大阪市中央区心斎橋の優良立地土地を活用した賃貸事業は、2026年3月期の売上高1,058百万円に対し営業利益826百万円(利益率約78%)を計上。商業施設・ホテル・保育所等への多用途賃貸により安定的なキャッシュフローを創出し、グループ全体の収益基盤を下支えしている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高47,252百万円(前期比3.8%減)ながら営業利益4,153百万円(同14.5%増)を達成。売上総利益率は前期26.8%から29.7%へ大幅改善しており、ゼラチン関連のコストダウンと化粧品関連の増収が牽引した。

一方、皮革関連事業は売上高5,852百万円(同19.0%減)・セグメント利益167百万円(同20.2%減)と中国自動車市場低迷の直撃を受けており、外部環境依存度の高さが構造的リスクとして残存する。

2027年3月期の連結業績予想は売上高50,000百万円(前期比5.8%増)、営業利益4,100百万円(同1.3%減)、当期純利益2,800百万円(同1.1%減)。計画未達事業領域の営業強化で増収を見込む一方、人件費・エネルギーコスト増を利益圧迫要因として明示しており、外部コスト環境が改善しない限り利益成長は限定的。

配当は1株当たり701円(配当性向70.1%)と高水準を維持する方針で、株主還元姿勢は評価できる。

2026年3月期に自己株式1,001百万円を取得(期末自己株式89,069株)し、配当1,725百万円と合わせた総還元額は2,726百万円に達した。一方、営業活動によるキャッシュ・フローは2,994百万円と前期4,652百万円から大幅減少しており、仕入債務の減少(1,539百万円)が主因。

財務活動では長期借入4,000百万円を実行しており、借入依存度の動向を継続的に注視する必要がある。

成長戦略

健康・医療関連分野への重点投資と既存事業の収益力強化を両輪とする新中計を推進

2025年5月公表の中期経営計画において「企業価値向上を実現するためのROE7%の確実な達成」を基本方針に掲げる。2026年3月期のROEは7.0%と目標水準を達成しており、引き続き生産性向上・既存事業の収益基盤強化・成長分野への戦略的投資を推進する。

海外向け特別仕様製品の生産から撤退し、関連設備・改造費用等の減損438百万円を2026年3月期に計上。多品種少量化対応体制の構築と歩留まり向上・製造工程見直しによる生産性改善を継続し、固定費構造の改善と収益性回復を図る。

「ニッピコラーゲン100」の固定客化進展を継続し、通信販売チャネルを通じた直販モデルで安定的な売上拡大を図る。2026年3月期は売上高8,256百万円(前期比7.2%増)・セグメント利益1,339百万円(同31.9%増)と増収増益を達成。広告費増加を吸収しながら利益成長を実現した。

iPS細胞培養基質「iMatrixシリーズ」を中心とするバイオ関連製品の国内外製薬会社・民間研究機関向け需要拡大を狙い、2026年3月期に食品その他事業セグメントで有形・無形固定資産増加額380百万円の設備投資を実施。再生医療分野の持続的成長を背景に中長期的な収益貢献を見込む。

最終更新: 2026年7月19日