事業内容
野崎印刷紙業株式会社は1868年(慶応4年)創業の老舗総合印刷企業で、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。事業は商業印刷、包装資材及び紙器・紙工品、情報機器及びサプライ品、その他の4部門で構成される。
主力は包装資材及び紙器・紙工品部門(売上高の約56%)と情報機器及びサプライ品部門(同約32%)であり、食品・化粧品・物流・流通業界を主要顧客とする。子会社5社(早和製本、旭ラベル、㈱ツバサ製作所、フェニックス電子、野崎カレンダー)を含むグループ体制で、全国に工場・営業拠点を展開する。
2026年3月期の連結売上高は14,016百万円。
ビジネスモデル
自社工場での製造と直販体制を組み合わせ、商業印刷から包装資材、バーコードプリンター・ラベル類まで幅広い印刷関連製品を提供する。子会社に製造の一部を下請けさせることで生産効率を高めつつ、特殊加工・可変印字・DX技術を付加した高付加価値製品で差別化を図る。
設備投資による生産体制強化とローコストオペレーションの追求により、収益性の維持・向上を目指す構造である。
企業の強み
1868年創業から150年超の事業継続実績を持ち、東北・関東・中部・近畿・北海道・九州など全国に工場・営業拠点を展開する。長年培った顧客基盤と地域密着型の営業体制が受注の安定性を支えており、前連結会計年度には日本郵便株式会社1社だけで売上高の11.9%(1,747百万円)を占める大口取引関係を有していた実績がある。
長年培った印刷技術に特殊加工や可変印字を付加し、意匠性・セキュリティレベルの高い製品を提供できる技術基盤を有する。産学連携の共同開発により秘匿性の高いオリジナル2次元コードを開発しており、DX事業への展開も進めている。
研究開発費は2026年3月期に14百万円を計上し、次期プリンター製品の開発等を継続している。
低価格化・受注価格競争への対処を目的に生産設備の増強・生産効率向上のための設備投資を継続的に実施している。2026年3月期の設備投資額は868百万円(建設仮勘定からの振替含む)、有形固定資産取得支出は1,013百万円に達する。
固定資産残高は6,065百万円(前期比247百万円増)と着実に積み上がっており、生産能力の拡充が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期13,084百万円→2025期14,571百万円と4期連続増収を達成していたが、2026期は14,016百万円と初の減収に転じた。営業利益も2025期690百万円から2026期516百万円へ25.2%減少し、当期純利益は522百万円から359百万円へ31.2%減少。
外部要因として原材料価格の高止まりと円安基調が製造コストを押し上げた。加えて前期の物流向け特需の反動減、同業他社との価格競争激化、工場設備修繕工事増加、セキュリティ強化目的のIT機器全面更新が重なり、売上総利益率・営業利益率ともに低下。
自己資本比率は43.5%と改善が続くが、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は6.7年と財務効率は悪化している。
成長戦略
中期経営計画「nozaki2024/2026 SHINKA」でROE向上と企業価値拡大を目指す
主力商品を中心に「印刷×DX」の取り組みを推進し、既存製品の高付加価値化を図る。情報機器部門でカスタマイズ機受注が大幅増加するなど一部で成果が出ているが、全社的な収益貢献は道半ば。
有形固定資産取得に2026年3月期1,013百万円を投じ、各種設備の活用による代替印刷方法の提案と生産効率最大化を追求。中東情勢による原材料調達不安定化への対応策としても位置づけられている。
2025年3月期よりスタートした中期経営計画に基づき、連結株主資本配当率1.5%を下限に設定し配当性向20%以上を目安とする方針。2026年3月期は年間配当7.5円・配当性向33.8%と方針を維持したが、業績悪化により2027年3月期配当予想は未定。
最終更新: 2026年7月19日

