サイバー攻撃・情報漏えいリスク
顧客企業や生活者の個人情報・機密情報を多く取り扱う中、サイバー攻撃・不正アクセス・委託先を起点とした情報漏えい・システム停止等が発生した場合、信頼低下・対応費用・事業停止等により業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。DXの進展やAI活用拡大、地政学リスクを背景にサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、完全な防止は困難と認識している。対応として、ゼロトラスト・XDR・サイバーハイジーン導入、CSIRTによるインシデント対応体制構築、BCPの再評価と経営層を含む訓練実施によりレジリエンス強化を推進している。
サプライチェーン途絶リスク
地政学リスク・自然災害・物流混乱・法規制変化等により、半導体関連部材をはじめとする原材料・部材の調達が滞った場合、事業活動や社会的信頼に影響を及ぼす可能性がある。世界情勢の不安定化や経済安全保障の要請の高まりにより、従来の効率重視から持続性・強靭性重視のサプライチェーンへの転換が求められている。対応として、複数調達先の確保・代替材料検討・戦略的在庫管理・上流供給網の把握を進め、特定地域への過度な依存回避と供給網の分散を図っている。
人権リスク・デュー・ディリジェンス
自社の事業活動がサプライチェーン上の全ステークホルダーの人権に影響を及ぼす可能性があり、人権侵害が発生した場合には社会的信頼や事業継続に影響を及ぼすリスクがある。近年、人権を尊重する企業の取り組みの重要性が高まっており、対応が不十分な場合には事業活動への制約やレピュテーション毀損につながる。対応として、2024年度から国内外拠点への人権リスクアンケート・ヒアリングを実施し、重要な人権リスクを特定のうえ予防・改善施策を推進するとともに、サプライヤーへの書面調査・ヒアリングを継続している。
地政学・地経学リスク
地政学的要因や経済手段を通じた国家間対立(地経学的リスク)の顕在化により、サプライチェーンの混乱・再構築コスト増大、事業展開地域・市場アクセスの制約、資源・エネルギー価格や為替変動を通じて事業運営及び収益性に影響を及ぼす可能性がある。グローバル化の進展に伴う市場・サプライチェーンの拡大・複雑化が事業環境の不確実性を高めている。対応として、事業ポートフォリオを「注力事業」「成長ポテンシャル事業」「基盤事業」「再構築事業」の4区分で継続的に見直し、資源配分の最適化を図っている。
気候変動・自然災害リスク
気候変動による風水害・大規模地震・火山噴火・パンデミック等の自然災害等が発生した場合、社員・設備・インフラへの被害により事業活動が中断し、顧客企業・取引先を含む多様なステークホルダーに影響を及ぼす可能性がある。渇水・洪水等の水リスクの高まりや自然災害の頻発・激甚化が原材料調達・生産活動・サプライチェーン全体の安定性に影響を及ぼす可能性もある。対応として、BCM推進委員会のもとBCPを策定・運用し、製造拠点・原材料調達先の分散、防火・耐震・水害対策、各種保険によるリスク移転を推進している。
環境規制・移行リスク
ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラル・循環経済への移行がグローバルで加速しており、制度・規制の変更や強化等の移行リスクが高まっている。対応が不十分な場合、コスト増や競争力の低下が生じる可能性があり、GHG排出量削減強化・脱石化製品への移行・代替素材切り替え要請の高まりにより目標水準の引き上げや製品仕様の見直しが必要となる場合がある。対応として、「DNPグループ環境ビジョン2050」のもと2030年中期目標を設定し、脱炭素・循環型・自然共生社会の実現に向けた取り組みを計画的に推進している。
DX・AI技術変革リスク
生成AI・ロボティクス等の技術進展と社会実装が急速に進み、ビジネスモデルや価値提供の在り方に影響を与えており、AI活用基盤(スキル・データ)の地域・企業間格差拡大が新たな競争条件となる可能性がある。また、AI活用拡大に伴い差別・プライバシー侵害等の新たな人権課題が顕在化するリスクもある。対応として、「DNPグループAI倫理方針」及び「AIガイドライン」を策定し、AI監査体制の構築・運用体制整備を進めるとともに、リアルとデジタルを融合した価値創出・事業化の迅速化に取り組んでいる。
為替・原材料価格変動リスク
地政学的リスクや地経学的対立の影響、資源・エネルギー価格の変動、為替の不安定化、新興国における需要の急増、天然資源の制約などにより、印刷用紙・フィルム材料等の需給バランスが大きく変動し業績に影響を及ぼす可能性がある。急激な為替変動が生じた場合には、現地生産化や為替予約等によるヘッジを行っているものの、業績への影響を完全には回避できない。対応として、国内外の複数の供給元からの調達による安定確保と調達価格の最適化に努めている。
コンプライアンス違反リスク
コンプライアンス違反が発生した場合、企業のブランドイメージや顧客の信頼を損なうだけでなく、法的責任や経済的損失を引き起こすリスクがあり、グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があると認識している。近年、企業の社会的責任や倫理的行動を重視する傾向が強まっており、各国・地域での規制強化も進んでいる。対応として、「DNPグループ行動規範」の制定・定期見直し、階層別研修・自律的企業倫理研修の実施、コンプライアンス評価制度の運用、多言語対応のグローバル内部通報窓口の整備を行っている。
人材確保・労働安全リスク
国内生産年齢人口の減少・少子高齢化の進行により労働力不足が深刻化しており、高度な専門性・適応力を持つ人材の確保・育成への対応が不十分な場合、競争優位性の低下等を通じて事業運営に影響を及ぼす可能性がある。また、労働災害やメンタルヘルスに対する社会的関心の高まりや各国・地域での労働安全法令強化により、違反発生時には企業信用低下や経済的損失につながるリスクがある。対応として、「人的資本ポリシー」「DNPグループ安全衛生憲章」のもと、製造全拠点での月1時間の対話・教育活動、リスクアセスメント、化学物質ばく露リスク低減等の安全衛生活動を推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

