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株式会社きもと

7908東証スタンダード化学

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株式会社きもと7908

事業内容

株式会社きもとは1961年創立の技術開発型企業で、フィルム表面加工技術を核とした高機能材料事業とデジタルツイン事業の2事業を展開する。高機能材料事業では光学・遮光・粘着・ハードコート・拡散等の多様な機能性フィルムを製造し、通信機器・電子部品・輸送機器・産業機器向けに供給する。

デジタルツイン事業では3D空間データ作成サービス「SPLAT TWIN」を中心に建設・インフラ・製造業向けのDXソリューションを提供する。日本・北米(米国)・東アジア(中国)・欧州(スイス)の4極体制を持ち、2026年3月期の連結売上高は10,546百万円。

日本セグメントが売上高の約90%を占める。

ビジネスモデル

高機能材料事業では、独自の表面加工・塗料技術で開発した工業用フィルムを国内三重・茨城工場および米国工場で製造し、国内外の電子・通信・自動車・産業機器メーカーへ直販・代理店経由で販売する。デジタルツイン事業では、3D空間データ作成・編集・利活用サービスを受託形式で提供し、建設・インフラ分野の大型案件を獲得している。

研究開発費として年間554百万円を投入し、高付加価値製品の継続的な創出で収益性を維持する。

企業の強み

創業以来70年超にわたり蓄積した機能性塗料・表面加工技術を保有し、ISO 9001:2015を取得した高度で一貫した品質保証体制を確立している。光学遮光・粘着・ハードコート・拡散等の多様な製品群を自社開発・製造しており、通信機器向け新機種採用や電子部品製造工程用製品での継続的な収益貢献がその技術力の実績を示す。

2026年3月期末の総資産23,245百万円に対し純資産18,982百万円、自己資本比率81.7%を維持する。現金及び現金同等物は10,967百万円を保有し、設備投資・研究開発をすべて自己資金で賄う無借金経営を実現している。この財務基盤が景気変動局面でも事業継続と成長投資を可能にする。

2026年3月期の日本セグメント営業利益は1,395百万円(営業利益率約14.6%)と高水準を維持した。同期末の受注残高は2,190百万円と前年同期比29.6%増加しており、次期以降の売上貢献が見込まれる。

電子部品製造工程用製品の堅調需要と産業機器向けハードコート製品の順調な販売が収益を下支えしている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は10,546百万円(前期比6.6%減)、営業利益1,064百万円(同20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は565百万円(同42.9%減)と大幅な減益となった。旧技術開発センター(さいたま市)に係る減損損失111百万円の特別損失計上に加え、法人税等合計が535百万円(前期414百万円)に増加したことが純利益を大きく押し下げた。

2025年3月期のV字回復から一転、業績の持続性に疑問符が付く結果となった。

北米セグメントは営業損失262百万円(前期139百万円の損失)、欧州セグメントは営業損失24百万円(前期52百万円の利益から転落)と、海外2セグメントの赤字が拡大した。北米では市場環境悪化による生産量減少と新規案件失注が重なり、欧州では自動車産業・白物家電の低迷が直撃した。

外部要因として欧州製造業の低迷や米国通商政策の不確実性が継続しており、海外事業の収益化には時間を要する見通しである。

会社は中東情勢の緊張に伴う原油・ナフサ調達環境への影響、米国通商政策の動向、自動車産業の回復時期の不透明さを理由に2027年3月期の連結業績予想を未定とした。高機能材料事業は原材料コストへの影響を直接受けるため、外部要因次第で収益が大きく変動するリスクがある。

一方、営業CFは579百万円(前期1,838百万円から大幅減)と資金創出力も低下しており、投資家にとって業績の見通しが立てにくい状況が続く。

成長戦略

第6次中期経営計画のもと高機能材料の高付加価値化とデジタルツイン事業の収益化を推進

通信機器向け遮光・粘着製品、電子部品製造工程用製品、産業機器向けハードコート製品を中心に高収益製品の販売比率を高める。輸送機器向け・バッテリー製造工程用の低迷を補う製品構成の最適化を推進。研究開発費554百万円を継続投下し新製品開発力を維持する。

三重第一工場の三重第四工場への製造移管を実施中。これに伴い三重第一工場建物の耐用年数を利用見込期間まで短縮する会計上の見積り変更を実施。製造集約による生産稼働率向上とコスト低減効果を見込む。資産除去債務(アスベスト除去費用164百万円)も計上済み。

建設分野における3D空間データ作成サービス「SPLAT TWIN」の受注継続・大型案件獲得、インフラ分野の大型案件獲得により売上363百万円(前期398百万円から8.8%減)を計上。中国拠点での3Dモデル作成技術開発も継続。収益規模はまだ限定的で、さらなる受注拡大が課題。

北米(KIMOTO TECH, INC.)では販売構成見直しと新規顧客開拓により収益改善を目指す。欧州(KIMOTO AG)では新規案件立ち上げと市場開拓を推進。両セグメントとも2026年3月期は赤字が拡大しており、外部要因(自動車産業低迷・米国通商政策)の影響を受けながら構造改善を継続中。

最終更新: 2026年7月19日