事業内容
カワセコンピュータサプライは、ビジネスフォーム事業(帳票の企画・製版・印刷・加工の一貫内製)と情報処理事業(データ編集・印字・印刷のアウトソーシング受託、メーリング業務、クラウドビジネス)の2セグメントを展開する。主要顧客は金融・通信・通販関連企業および地方自治体・外郭団体。
千葉県佐倉市の情報センターに生産拠点を集約し、ISMS認証・プライバシーマーク・ISO9001を取得した完全セキュリティ下の一貫生産体制を強みとする。昭和30年創業、東京証券取引所スタンダード市場および福岡証券取引所本則市場に上場。
ビジネスモデル
ビジネスフォーム事業では帳票デザインから製版・印刷・加工まで自社内製することでコスト管理と品質確保を両立し、顧客への価格改定交渉を通じて収益性を維持する。情報処理事業ではインクジェット高速プリンタ・フルカラーオンデマンド機によるデータ印字・印刷のアウトソーシング受託を核とし、封入封緘・発送まで一貫して担うBPOモデルで継続的な受注を確保する。
企業の強み
千葉県佐倉市の情報センターに全生産拠点を集約し、ISMS認証・プライバシーマーク・ISO9001を取得。データ編集から印字・製本・封入封緘・発送まで完全セキュリティ下で一貫処理できる体制は、個人情報管理が厳格に求められる自治体・金融機関向け案件の受注において競合との差別化要因となっている。
情報処理事業のセグメント利益は2026期に191百万円(利益率15.5%)と前期の166百万円(13.4%)から大幅改善。売上高が1,234百万円と微減する中でも原価率の良い案件を選別受注することで利益を拡大しており、収益構造の質的向上が確認できる。
2026期末の自己資本比率は72.4%と自社目標70%を上回り、流動比率235.8%も目標200%を超過。現金及び現金同等物は1,126百万円を保有し、有利子負債残高は前期比109百万円減の497百万円。無借金に近い財務基盤が事業継続の安定性を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期2,502百万円→2025期2,831百万円と回復基調にあったが、2026期は2,797百万円(前期比▲1.2%)と反落。営業利益は2025期79百万円から2026期48百万円へ▲38.3%の大幅減益。
外部要因として原材料・光熱費の高止まりが製造コストを押し上げ、雇用環境改善による人件費上昇が販管費を増加させた。情報処理事業の収益改善(セグメント利益+25百万円)は全社費用増加(+31百万円)に相殺された。
令和9年3月期は営業利益ゼロを予想しており、収益の底打ちを確認するまで慎重な見方が必要。
成長戦略
情報処理事業への経営資源傾斜とクロスメディア企業へのビジョン転換
自社情報設備を最大限活用した情報処理案件獲得に向け、地方自治体・外郭団体への営業活動を継続強化。BPO案件・定期案件の獲得を目指したシステムインテグレーターへの新規開拓も推進。令和8年3月期は情報処理事業で新規案件獲得等に取り組んだが売上は前期比▲7百万円と微減にとどまった。
情報処理事業において原価率の良い案件を優先的に受注する選別戦略を実施。令和8年3月期にセグメント利益率が13.4%から15.5%へ向上し、売上減少下でも利益を25百万円増加させることに成功。令和9年3月期も継続的に取り組む方針。
原材料・光熱費の高騰を受け、顧客への価格改定活動を継続。令和8年3月期は売上総利益率が26.3%(前期26.0%)と微改善したものの、固定費増加を吸収するには至らなかった。令和9年3月期も価格改定活動を継続する方針だが、受注量への影響が懸念される。
令和8年3月期に情報処理事業セグメントで58百万円の設備投資を実施(前期7百万円から大幅増)。インクジェット高速プリンタ等の生産設備更新・増強により、受注拡大への対応力と生産効率の向上を図る。減価償却費は107百万円と前期比6百万円増加。
令和8年5月14日の取締役会で自己株式取得(上限225,000株・50百万円)を決議。機動的な資本政策の遂行を目的とし、令和8年5月15日~6月30日に東京証券取引所での市場買付を実施予定。令和8年3月期の配当は1株当たり3円(前期5円から減配)、配当性向20.9%。
最終更新: 2026年7月19日

