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株式会社フルヤ金属

7826東証プライムその他製品

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株式会社フルヤ金属7826

事業内容

株式会社フルヤ金属は、プラチナグループメタル(PGM:プラチナ・イリジウム・パラジウム・ロジウム・ルテニウム)に経営資源を集中する工業用貴金属製品の専業メーカーである。1951年創業、1981年にイリジウムルツボの国内初製造に成功し、以来エレクトロニクス・光学ガラス・クリーンエネルギー・医療等の分野に不可欠な素材を供給してきた。

主要製品は電子部品製造用ルツボ、スパッタリングターゲット、熱電対(温度センサー)、貴金属化合物・触媒であり、データセンター・半導体・グリーンエネルギー関連の顧客を国内外に有する。海外売上比率は61.5%(2025年6月期)に達し、アジア・北米・欧州に広く展開している。

経済産業省認定グローバルニッチトップ企業100選に2014年・2020年の2度選定されている。

ビジネスモデル

貴金属原材料の調達(田中貴金属工業・鉱山会社との提携)から、高度な加工・精製技術による製品製造、使用済み貴金属のリサイクル・精製受託まで一貫して手掛ける垂直統合型ビジネスモデルを採る。製造販売(電子・薄膜・サーマル・ファインケミカル)で高付加価値収益を確保しつつ、サプライチェーン支援セグメントで貴金属原材料の流通支援も行う。

リサイクルによる原材料回収が原価低減と安定調達に寄与する構造となっている。

企業の強み

1981年にイリジウムルツボの国内初製造に成功し、以来40年超にわたりPGM加工技術を蓄積。データセンター向け光通信用アイソレーター・医療用PET装置向けシンチレーター等の高難度製品を供給し、薄膜セグメントでは次世代通信(BAW)用ターゲット材の新規販売を2025年6月期より開始するなど、技術の継続的進化を実証している。

2025年6月期において薄膜セグメントの売上総利益率は38.2%、電子セグメントは29.3%と高水準を維持。海外売上高は35,307百万円(総売上高比61.5%)に達し、アジア・北米・欧州に分散した顧客基盤を有する。営業利益率は16.6%(2025年6月期)と製造業として高い収益性を維持している。

2011年に田中貴金属工業株式会社と資本業務提携契約を締結し、イリジウム地金の調達等で協業。三菱商事RtMジャパンとの貴金属地金売買契約(2001年締結・継続更新)も有し、希少なPGMの安定調達体制を構築している。300億円のコミットメントラインも確保し、財務的な調達余力も備える。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高74,730百万円・営業利益17,336百万円は、通期予想(売上高96,000百万円・営業利益22,500百万円)に対してそれぞれ77.8%・77.1%の進捗率。前年同四半期比で売上高83.1%増・営業利益109.4%増という急拡大が続いており、通期予想は保守的な可能性がある。

貴金属価格の高止まりと円安継続が外部要因として追い風となっているが、製造セグメントの実力値向上も確認できる。

2026年6月期第3四半期累計の売上高急増の主因はサプライチェーン支援(前年同四半期比255.6%増)とその他(原材料在庫からの貴金属直接販売16,558百万円)であり、これらは貴金属価格高騰という外部要因に依存する低粗利率の売上。売上総利益率はサプライチェーン支援10.8%、その他19.9%と製造セグメントを大幅に下回る。

貴金属価格が反転した場合の業績下振れリスクと、在庫評価損の発生可能性は継続的に注視すべき点。

短期借入金が13,400百万円から1,000百万円へ大幅削減され、自己資本比率は52.0%から58.9%へ改善。純資産は前期末比9,450百万円増の74,030百万円と財務体質は好転している。

一方、建設仮勘定が1,860百万円から4,400百万円へ増加し設備投資が加速中。原材料及び貯蔵品は65,055百万円と依然として総資産の51.9%を占める高水準であり、貴金属価格変動による在庫評価リスクは構造的に残存する。

キャッシュフロー計算書が四半期では作成されないため、実質的な資金繰りの把握が困難な点も留意事項。

成長戦略

「KFKビジョン2030」で2030年6月期売上高1,500億円・経常利益200億円を目指す

データセンター投資拡大を背景とした薄膜(HD・半導体向けスパッタリングターゲット)および電子(光通信・医療向けルツボ)セグメントの受注拡大を継続推進。2026年6月期第3四半期累計で薄膜売上高38.0%増・電子売上高54.3%増と順調に進捗。

自社製品受注に紐付かない貴金属原材料の供給機能を強化し、顧客の調達ニーズに対応。2026年6月期第3四半期累計でサプライチェーン支援売上高が前年同四半期比255.6%増と急拡大し、原材料在庫からの直接販売(売上高16,558百万円)も実施。貴金属価格高騰局面での機動的対応が奏功。

建設仮勘定が前期末1,860百万円から4,400百万円へ増加し、生産能力拡大に向けた設備投資を加速中。ソフトウエア仮勘定も2,952百万円から3,571百万円へ増加しており、IT基盤整備も並行して推進。旺盛な需要に対応するためのキャパシティ拡充が進行中。

2026年6月期の年間配当予想を96円から155円へ引き上げ(前期比61.5%増)。業績予想の上方修正と同時に配当予想も修正しており、利益成長を株主還元に反映する方針を明示。1株当たり当期純利益予想609.95円に対する配当性向は約25.4%。

最終更新: 2026年7月17日