事業内容
株式会社フルヤ金属は、プラチナグループメタル(PGM:プラチナ・イリジウム・パラジウム・ロジウム・ルテニウム)に経営資源を集中する工業用貴金属製品の専業メーカーである。1951年創業、1981年にイリジウムルツボの国内初製造に成功し、以来エレクトロニクス・光学ガラス・クリーンエネルギー・医療等の分野に不可欠な素材を供給してきた。
主要製品は電子部品製造用ルツボ、スパッタリングターゲット、熱電対(温度センサー)、貴金属化合物・触媒であり、データセンター・半導体・グリーンエネルギー関連の顧客を国内外に有する。海外売上比率は61.5%(2025年6月期)に達し、アジア・北米・欧州に広く展開している。
経済産業省認定グローバルニッチトップ企業100選に2014年・2020年の2度選定されている。
ビジネスモデル
貴金属原材料の調達(田中貴金属工業・鉱山会社との提携)から、高度な加工・精製技術による製品製造、使用済み貴金属のリサイクル・精製受託まで一貫して手掛ける垂直統合型ビジネスモデルを採る。製造販売(電子・薄膜・サーマル・ファインケミカル)で高付加価値収益を確保しつつ、サプライチェーン支援セグメントで貴金属原材料の流通支援も行う。
リサイクルによる原材料回収が原価低減と安定調達に寄与する構造となっている。
企業の強み
1981年にイリジウムルツボの国内初製造に成功し、以来40年超にわたりPGM加工技術を蓄積。データセンター向け光通信用アイソレーター・医療用PET装置向けシンチレーター等の高難度製品を供給し、薄膜セグメントでは次世代通信(BAW)用ターゲット材の新規販売を2025年6月期より開始するなど、技術の継続的進化を実証している。
2025年6月期において薄膜セグメントの売上総利益率は38.2%、電子セグメントは29.3%と高水準を維持。海外売上高は35,307百万円(総売上高比61.5%)に達し、アジア・北米・欧州に分散した顧客基盤を有する。営業利益率は16.6%(2025年6月期)と製造業として高い収益性を維持している。
2011年に田中貴金属工業株式会社と資本業務提携契約を締結し、イリジウム地金の調達等で協業。三菱商事RtMジャパンとの貴金属地金売買契約(2001年締結・継続更新)も有し、希少なPGMの安定調達体制を構築している。300億円のコミットメントラインも確保し、財務的な調達余力も備える。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期は売上高100,139百万円(前期比74.5%増)、営業利益24,794百万円(同160.0%増)、親会社株主帰属当期純利益16,034百万円(同147.9%増)と大幅増収増益。売上高営業利益率は24.8%(前期16.6%)に改善。
外部要因として貴金属相場の高水準推移と円安基調が売上高・輸出採算を押し上げた一方、データセンター投資拡大に伴うデジタル分野需要の堅調さや半導体関連の受注回復といった需要側の追い風も業績を支えた。2027年6月期は売上高101,000百万円(前期比0.9%増)、営業利益26,500百万円(同6.9%増)を見込み、成長ペースは鈍化する計画。
成長戦略
「KFKビジョン2030」で2030年6月期売上高1,500億円・経常利益200億円を目指す
イリジウム・プラチナのバルク加工技術を核に、半導体分野向け高付加価値製品を創出。2026年6月期は光通信用アイソレーター向けルツボ等の受注が好調に推移し、売上高83.0%増を確認。
HDD用ターゲットで培ったコア技術を核に、MEMSなど半導体分野へ新製品を展開する方針。2026年6月期は半導体向けターゲット受注が伸長し売上高60.0%増を達成。
半導体製造装置向け主力製品の生産能力拡張と新規製品開発に注力。半導体製造装置メーカー・海外半導体メーカーの投資再開を背景に受注が回復基調にある。
ナノ合金技術の確立を進め、グリーン関連市場向け新製品の上市を目指す。回収精製体制の見直しに伴う一時的費用を計上しつつも売上総利益は41.8%増と改善。
中期経営計画初年度である2026年6月期に売上高100,139百万円を計上し、2030年目標に対し早期から高い進捗を示している。2027年6月期は売上高101,000百万円を計画。
最終更新: 2026年8月6日

