事業内容
プリントネット株式会社は、1968年創業の印刷会社を母体に、2005年からインターネット印刷通販事業に本格参入した鹿児島発の上場企業。「プリントネット」「プリントプロ」「プリントネットウェア」の3サイトを運営し、パンフレット・チラシ・封筒・Tシャツ等の幅広い商品ラインナップを提供する。
主要顧客は印刷業者・デザイン業者等のBtoB(発送代行サービス利用が多い)と一般BtoCで構成され、山梨県の東京西工場と鹿児島県の九州工場の2拠点で生産を行う。売上高の約99%をネット印刷通信販売事業が占め、2025年8月期の売上高は9,214百万円。
2022年4月に東京証券取引所スタンダード市場へ移行し、2025年8月には名古屋証券取引所メイン市場にも重複上場を果たした。
ビジネスモデル
顧客がWebサイト上で仕様・価格を確認し、完全データを入稿することで、従来の印刷業者に必要な企画提案・校正工程を省略。複数顧客のデータを1枚の版に効率よく配置する「ギャンギング処理」により版数を削減しコストを低減する。
受注から発送まで一貫して自社工場で処理し、外注内製化・原材料削減も推進。Japan Color標準印刷認証(2012年取得)による品質保証と低価格を両立し、リピーター獲得サイクルを構築している。
企業の強み
複数顧客データを1版に集約するギャンギング処理により版数・材料費を削減。外注内製化・原材料削減も組み合わせ、2025年8月期のネット印刷通信販売事業セグメント利益率は8.2%(前期比大幅改善)を達成。大口得意先との取引見直しによる利益率重視戦略が奏功した。
2012年7月に業界でいち早くJapan Color標準印刷認証を取得(東京西工場・九州工場)。精度の高い印刷色再現と安定品質を担保し、BtoB顧客(印刷業者・デザイン業者)からの信頼獲得に寄与。プライバシーマーク・ISMS認証も取得し、情報セキュリティ体制も整備している。
2025年8月期の新規顧客獲得数は13,826社(前期13,328社、前期比+498社)と増加基調を維持。大口以外の得意先(一般BtoB・BtoC)の印刷売上高は前期比+473百万円増加し、6,419百万円に拡大。多様な顧客層への分散が収益安定性を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期9,630百万円をピークに2024期9,307百万円・2025期9,214百万円と調整局面が続いたが、2026期通期予想は9,867百万円(前期比+7.1%)と回復を見込む。営業利益は2024期449百万円の底から2025期563百万円・2026期予想620百万円と改善基調が継続。
2026年8月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高6,896百万円・営業利益467百万円は通期予想に対し概ね順調な進捗。外部要因として原材料価格・物流コストの高止まりや円安が引き続きコスト圧力となっているが、内製化推進と顧客ミックス改善により吸収している。
成長戦略
九州第二工場増設・内製化推進・プラットフォーム化で2030年8月期に向け持続成長
旺盛なインターネット通販需要の取り込みに向け、九州第二工場の増設を推進。2026年8月期第3四半期末時点で建設仮勘定が1,026百万円に積み上がっており、設備投資が本格化している。稼働後は受注能力の拡大と規模の経済による収益性向上が期待される。
外注工程の内製化と原材料調達の効率化により、売上原価の構造的な削減を図る。2026年8月期第3四半期累計において売上原価が前年同期比52百万円減少し、売上総利益率が23.0%から23.5%へ改善しており、施策の効果が数値に表れている。
全国の中小印刷業者からの受託印刷(BtoB)を拡大し、Win-Win関係を構築することで安定的な受注基盤を形成する。DXPO等の展示会への積極出展により同業者への認知度向上を図っており、大口以外の得意先売上高が前年同期比149百万円増加している。
事業戦略本部を中心に、BtoB・BtoC顧客双方にとって利便性の高いプラットフォーム化を進め、新規顧客獲得と受注増加につなげる。新規獲得数は9,428件(前年同期10,449件)と若干減少しており、獲得効率の改善が課題となっている。
ESG経営を推進し、全てのステークホルダーへの貢献と社会への貢献の基盤を構築する。中期経営計画の重要ポイントの一つとして位置付けられているが、具体的な数値目標・進捗の開示は現時点では限定的である。
最終更新: 2026年7月17日

