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株式会社イーディーピー

7794東証グロースその他製品

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事業内容

株式会社イーディーピーは2009年に産総研のダイヤモンド単結晶製造技術を事業化する目的で設立された産総研発ベンチャーである。マイクロ波プラズマCVD法とイオン注入による分離技術を核に、世界最大級の30×30mm単結晶を量産できる唯一の企業として、ラボグローンダイヤモンド製造用種結晶、半導体デバイス向け基板・ウエハ、光学部品・ヒートシンク、工具素材、宝石・宝飾品の5分野に製品を展開する。

主要顧客はインドを中心とする人工宝石製造会社、国内外のダイヤモンドデバイス研究機関(本田技術研究所等)であり、東京証券取引所グロース市場に上場している。

ビジネスモデル

産総研から独占実施権を取得したイオン注入分離技術とモザイク結晶技術により、板状ダイヤモンド単結晶を量産し、用途別に種結晶(7×7mm〜20×20mm)、半導体基板・ウエハ(1インチ含む)、光学部品、宝石として販売する。親結晶から子結晶を繰り返し分離する手法により1枚の親結晶から20枚以上の製品を生産でき、材料効率が高い。

売上高516百万円(2026年3月期)のうち基板・ウエハが349百万円と最大構成比を占め、種結晶は117百万円にとどまる。

企業の強み

2025年2月に30×30mm単結晶の製品化に成功し、これを基に2025年4月に1インチ(直径25mm)ウエハを発売した。同サイズの単結晶は世界最大と同社が位置づけており、競合他社が短期間で模倣困難な技術的優位性を有する。

さらに2026年5月には53×53mmのモザイク結晶開発に成功し、2インチウエハ製作への道筋を確立した。

産総研との特許実施権許諾契約(2026年10月31日まで独占実施権)に基づき、イオン注入分離技術・モザイク結晶製造法など日米欧英独仏の13件の特許を独占的に実施できる。独占期間満了後も非独占的通常実施権が特許存続満了日まで付与される契約構造となっており、技術的参入障壁を形成している。

種結晶(7×7mm〜20×20mm)、各種基板(エピ成長基板・低抵抗基板・(111)面基板等)、1インチウエハ、光学部品・ヒートシンク、宝石まで、厚さ0.03〜3mmの広範な仕様に対応できる。当連結会計年度の受注実績では基板・ウエハが前年同期比116.6%増と拡大しており、多様な顧客ニーズへの対応力が受注増に寄与している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は516百万円(前期比42.8%減)、営業損失は1,360百万円(前期976百万円から拡大)、親会社株主帰属当期純損失は2,416百万円。減損損失1,067百万円(前期1,300百万円)が連続計上され、固定資産の帳簿価額が大幅に圧縮された。

売上原価1,077百万円が売上高516百万円を上回る逆ザヤ構造が継続しており、現状の売上規模では損益分岐点に遠く及ばない。

2024年11月公表のロードマップで示した2インチモザイクウエハの2025年12月完了目標を達成できず、開発遅延が確定。また、輸出貿易管理令の改正(2025年5月28日)により種結晶のインド輸出に経済産業省本庁の許可(2か月以上)が必要となり、納期長期化が営業制約となっている。

2027年3月期の売上高1,100百万円予想(前期比113%増)達成には、これら技術・規制リスクの解消が前提条件となる。

第17回新株予約権の行使完了(2026年1月〜2月)により約600百万円を調達し、期末現金825百万円を確保。継続企業の前提に関する重要な不確実性は解消されたと経営陣は判断しているが、営業キャッシュフローは968百万円のマイナスが継続。

2027年3月期早期の新たな資金調達を計画しており、追加の希薄化リスクが残存する。市場環境として、ダイヤモンドデバイス向け公的支援(NEDO等)の獲得が資金面の補完策として期待される。

成長戦略

種結晶偏重からの脱却:インド販売本格化・2インチウエハ実用化・宝石販売拡大の三軸転換

SFD India(インドSurat市)が2026年2月に輸入ライセンスを取得し、インド大口ユーザーからの長期受注を獲得。2027年3月期は2025年3月期売上規模(約530百万円)以上を目標とし、ラボグローンダイヤモンド関連ビジネス全体で600百万円以上の売上を見込む。

輸出許可取得(2か月以上)が納期制約となっている。

ダイヤモンドデバイス向け2インチ(直径50mm)モザイクウエハの開発を推進。2025年12月の完了目標を達成できなかったが、技術的課題の把握が進展。早期販売開始と量産体制確立を目指し、本田技術研究所との共同研究(大型・低抵抗ウエハ)と並行して開発を加速。

SFD吸収合併(2026年3月31日)により国内宝石販売を一体化し、間接部門の効率化と意思決定の迅速化を図る。ルース在庫約126百万円の販売拡大に向け、国内宝飾品企業・百貨店との商談を推進(2026年1月東京国際宝飾展出品)。SFD Antwerpは一時休眠とし事業体制を見直し中。

2026年3月19日付で本田技術研究所とダイヤモンドデバイス用材料の共同研究に関する意向確認書を締結。大型ウエハ・低抵抗ウエハの実用化に向けた開発を進め、車載用パワーデバイス向けデファクトスタンダード採用を目指す。複数製品展開を見込む。

営業キャッシュフローのマイナスが継続する中、NEDO等の公的支援採択に向けた提案を検討。連携企業との協力による公的資金獲得も推進。また、2027年3月期の極力早い時期に新たな資金調達を実行し、ウエハ等の開発に必要な資金を確保する方針。

最終更新: 2026年7月19日