事業内容
株式会社メニコンは1951年に日本初の角膜コンタクトレンズを開発した田中恭一氏が創業した企業で、コンタクトレンズ・ケア用品の製造販売を中核とするビジョンケア事業(売上高の約93%)と、ヘルスケア・ライフケア・動物医療・食品等の多角化事業(その他セグメント)を展開する。国内では定額制会員システム「メルスプラン」(2026年3月末会員数130万人)を通じた直接顧客接点を持ち、海外では欧州・北米・アジアに36社の連結子会社を擁するグローバル体制を構築。
主要顧客は国内コンタクトレンズ装用者・眼科医療機関・海外量販チェーンなど多岐にわたる。
ビジネスモデル
国内では「メルスプラン」による月額定額制で会員130万人から安定的なストック収益を確保しつつ、1日使い捨てコンタクトレンズへの会員構成比率向上で客単価を引き上げる。海外では欧州・北米の大手量販チェーン向けプライベートブランド供給と、アジアでのオルソケラトロジーレンズ販売を組み合わせ、地域特性に応じた収益構造を構築。
素材開発から生産・販売・アフターサービスまで自社グループで一貫対応する垂直統合モデルが特徴。
企業の強み
2001年に業界初導入した定額制会員システム「メルスプラン」は2026年3月末時点で会員数130万人に達し、月額定額収入による安定的なキャッシュフローを生み出す。会員の1日使い捨てコンタクトレンズ構成比率向上施策と組み合わせることで、継続的な客単価上昇も実現している。
総合研究所・テクノステーション・臨床研究所の3拠点が有機的に連携し、素材開発から安全性評価・生産技術開発まで自社一貫で実施。2026年3月期の研究開発費は5,561百万円。
シリコーンハイドロゲル素材の自社製造品「1DAYメニコン プレミオ」や世界初の近視進行抑制用オルソケラトロジーレンズ「Menicon Bloom Night」のCEマーク認証取得など独創的製品を継続的に創出している。
国内の各務原工場・春日井工場に加え、シンガポール・マレーシア(2026年2月商業生産開始)・中国に生産拠点を展開。2026年3月期の設備投資総額は15,171百万円で、マレーシア工場はグループ最大敷地面積の1日使い捨て専用工場として稼働開始。
生産高は前期比9.4%増の24,951百万円と拡大しており、需要増加への対応力を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期100,172百万円から2026年3月期125,605百万円へ5期連続増収。営業利益は2023年3月期12,062百万円をピークに2024年3月期8,951百万円へ落ち込んだ後、2025年3月期10,012百万円・2026年3月期10,236百万円と2期連続で回復。
ただし営業利益率は8.1%(2026年3月期)とピーク時(2023年3月期10.9%)を大きく下回る。当期は国内メルスプラン会員数増加・欧州北米での量販チェーン向け受注拡大が増収を牽引。
一方、新工場稼働準備コスト・賃上げ・のれん償却費増加(1,089百万円、前期485百万円)が利益率改善を抑制。経常利益は為替差益969百万円の計上により前期比15.2%増の11,021百万円と大幅改善。
親会社株主帰属当期純利益は5,916百万円(前期比5.7%増)。
成長戦略
1DAY戦略とオルソケラトロジー戦略の2軸でVision2030達成を目指す
国内ではメルスプランにおける1日使い捨てレンズ会員構成比率の向上を推進。欧州・北米では大手量販チェーンとの取引拡大を継続し、当期の欧州売上高は16,062百万円(前期14,442百万円)と拡大。中国ではシリコーンハイドロゲル素材製品の販売開始に向けた基盤整備を進行中。
2026年2月にMenicon Malaysia Sdn. Bhd.が商業生産を開始し、1日使い捨てコンタクトレンズの生産能力を増強。当期の有形固定資産取得支出は15,210百万円と大規模投資を継続。量産効果による原価低減が今後の利益率改善の鍵となる。
日本・アジア諸国では需要が拡大しており、「アルファオルソK」「Menicon Z Night」「Menicon Bloom Night」(業界初の近視進行抑制用CEマーク認証)の複数ラインアップで展開。中国では景気停滞・競争激化により売上が350百万円減少と停滞しており、販促支援・学術情報発信で立て直しを図る。
中期経営計画「Vision2030」のスローガン「新しい『みる』を世界に」のもと、2027年3月期予想は売上高133,000百万円・営業利益11,000百万円。目標達成には残り2期で売上高7,000百万円超の積み増しと営業利益率を現状8%台から12%へ大幅改善が必要であり、進捗は道半ば。
最終更新: 2026年7月19日

