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日本精密株式会社

7771東証スタンダード精密機器

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事業内容

日本精密株式会社は1978年創業、埼玉県川口市に本社を置く東証スタンダード上場の精密部品メーカーである。事業は「時計関連」「メガネフレーム」「釣具・応用品」の3セグメントで構成され、売上高7,896百万円(令和8年3月期)のうち時計関連が約74%を占める。

主要顧客はカシオ計算機グループで、同グループ向け売上が総売上の約71%に達する。製造はベトナム・カンボジアのASEAN2拠点が担い、金型設計から表面処理まで一貫生産体制を有する。

メガネフレームは子会社㈱村井がagnès b.等ブランドの仕入販売を行い、釣具用部品はASEAN拠点で製造・販売する。

ビジネスモデル

日本本社が企画・開発・営業・管理を一元担当し、ベトナム工場(高付加価値・品質管理の中核)とカンボジア工場(量産・コスト競争力)が製造を分担する二層構造を採る。製品は主に国内時計・釣具メーカーへ直接販売し、香港支店経由で海外顧客にも供給する。

メガネフレームは仕入販売モデルで、ブランドライセンスを活用した差別化を図る。収益は製造原価低減と提案営業による受注拡大の両輪で改善を目指す構造である。

企業の強み

創業翌月の1978年9月よりカシオ計算機向け時計バンド製造を開始し、令和8年3月期の同グループ向け販売高は5,621,957百万円(カシオ計算機㈱3,397百万円+CASIO COMPUTER(HK)2,225百万円)で総売上の約71%を占める。前期比では国内向けが22%増と拡大しており、長年の取引実績が受注基盤の安定性を支えている。

ベトナム工場は金型設計・製造・プレス・研磨・表面処理(IP加工・DLC処理等)まで一貫生産が可能な高付加価値中核拠点として機能する。カンボジア工場は量産・コスト競争力拠点として段階的に生産移管を進めており、令和8年3月期の設備投資はカンボジア工場の機械装置取得30,135百万円が主体。

NEXT CHINA需要の取り込みにも対応できる体制を構築している。

令和8年3月期のセグメント利益は時計関連174百万円、釣具・応用品192百万円、メガネフレーム15百万円と3事業が黒字を確保。釣具・応用品は売上高1,163百万円に対しセグメント利益率16.5%と高収益性を示す。単一事業への依存を避けた分散構造が、時計関連の受注変動リスクを一定程度緩和している。

エンヴァリスの着眼点

当期経常利益533百万円は過去最高を更新したが、その主因は在外子会社向け外貨建債権の為替換算による為替差益227百万円の計上であり、本業の営業利益375百万円との乖離が大きい。次期経常利益予想は232百万円(前期比△56.5%)と大幅減益を見込んでおり、為替環境の変化が業績に直結する構造的脆弱性が残る。

外部要因として円安・円高の振れ幅が業績の不確実性を高めている点は引き続き注視が必要。

三菱UFJ銀行アレンジのシンジケートローン(残高1,760百万円)には純資産維持・2期連続営業損失禁止の財務制限条項が付されており、当期末は抵触していないものの経営の制約となっている。第三者割当増資200百万円の実行と当期純利益350百万円の計上により自己資本比率は26.1%から33.9%へ改善、純資産も2,038百万円に拡大した。

一方、利益剰余金は依然△1,792百万円の繰越損失を抱えており、配当再開には相当期間を要する見通しである。

カシオ計算機グループ向け売上が全体の約71%を占める高集中構造は、取引先の経営方針変更・調達先多様化・製品ラインナップ変更等のリスクを内包する。次期(令和9年3月期)連結売上高予想は7,652百万円(前期比△3.1%)と減収を見込んでおり、海外時計取引先の新規受注獲得が厳しい状況が続いていることも懸念材料。

メガネフレームの主要ブランド以外の売上が25.2%減少するなど、カシオ以外の収益源の育成が中長期的な課題として残る。

成長戦略

既存3事業の維持拡大・ASEAN拠点強化・財務基盤拡充の三本柱を継続推進

時計関連では国内取引先向け受注回復(時計バンド約18%増、外装部品約14%増)を実現。釣具・応用品は受注高前期比+12.2%と堅調。一方、海外時計取引先の新規受注獲得は依然厳しく、メガネフレームも主要ブランド以外が25.2%減と課題が残る。次期はメガネフレーム900百万円への回復を目指す。

ベトナム・カンボジア拠点の生産能力拡大を継続。当期の時計関連生産高は前年同期比+16.2%、釣具・応用品は+13.4%と増産を実現。NISSEY VIETNAM CO.,LTD.の法人税負担増(過年度法人税等含む)が発生しており、税務コスト管理が課題。

令和8年3月31日付で第三者割当増資による200百万円の資金調達を実行し、シンジケートローンの期限前弁済200百万円に充当。自己資本比率は26.1%から33.9%へ改善し、純資産は2,038百万円に拡大。財務制限条項への抵触なし。繰越損失△1,792百万円の解消が次の課題。

最終更新: 2026年7月19日