事業内容
株式会社タムロンは1952年創業の精密光学メーカーで、東証プライム上場。ミラーレス・一眼レフカメラ用交換レンズを主力とする写真関連事業(売上高の約71%)を中核に、監視カメラ・FAレンズを手掛ける監視&FA関連事業、車載カメラ・医療・ドローン用レンズを擁するモビリティ&ヘルスケア事業の3セグメントで構成される。
国内製造拠点(埼玉・青森)に加え、ベトナム(2工場)・中国・香港に生産拠点を持ち、米国・欧州・インドに販売子会社を展開するグローバル体制を構築。2025期の連結売上高は85,071百万円。
ビジネスモデル
タムロンは自社ブランド製品とOEM供給の二軸で収益を得る。写真関連事業では営業利益率25.8%を誇る高収益構造を維持し、ソニーE・ニコンZ・キヤノンRFの3マウント対応によりマルチプラットフォーム展開を加速。
監視・車載・医療向けは産業用光学レンズとして成長市場に参入し、事業ポートフォリオの多様化を図る。研究開発費は7,313百万円を投じ、光学技術の深化と新領域への応用を推進している。
企業の強み
2025期の写真関連事業は売上高60,643百万円、セグメント営業利益15,630百万円、営業利益率25.8%を達成。OEM減収の逆風下でも高い利益率を維持しており、自社ブランド製品の付加価値と原価低減活動の継続が収益基盤を支えている。
ソニーEマウント・ニコンZマウント・キヤノンRFマウントの3マウントに対応した製品ラインを展開。2024年に7機種、2025年に6機種を新投入し、日本・米国・インド市場で2桁増収を達成。特にキヤノンRFマウント用は2024年に初参入し、高倍率ズームレンズも初投入した。
2025期にモビリティ&ヘルスケア事業が増収増益を達成。車載カメラ用レンズは売上高が初の100億円超(約10,000百万円)を突破し、医療用レンズは前期比約1.5倍となり初の10億円超(約1,000百万円)を達成。ADASの普及と低侵襲医療市場の成長を取り込んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期57,539百万円から2024期88,475百万円まで4年で54%増加したが、2025期は85,071百万円(前期比3.8%減)に反落。2026年1Q(18,485百万円、前年同期比5.0%減)も減収が継続しており、写真関連OEM製品の一部受注機種の販売低迷が主因。
営業利益も2024期19,201百万円のピークから2025期16,638百万円、2026年1Qは3,441百万円(前年同期比18.7%減)と悪化が続く。外部要因として前年同期比で米ドル約4円・ユーロ約23円の円安が売上を下支えしているが、原材料費・光熱費高騰・人件費上昇がコスト面で逆風。
産業向け2事業の2桁増収が全体の下落幅を抑制している。通期予想は売上高91,000百万円(前期比7.0%増)、営業利益18,500百万円(同11.2%増)でV字回復を見込む。
成長戦略
新製品攻勢・産業向け事業拡大・3極生産体制強化でV字回復と中計目標達成を目指す
2026年は年間10機種以上の新製品投入を目標とし、3月にA078(大口径標準ズーム)をソニーE・ニコンZ向けに発売済み。マルチマウント展開によりラインナップを拡充し、日本・米国・欧州での自社ブランド増収を継続。欧州市場は2026年1Qに回復転換を確認。
高精細・高解像ニーズの高まりを背景に監視カメラ用レンズが堅調推移。FA/マシンビジョン用レンズは顧客在庫適正化が完了し需要回復。カメラモジュールも性能改善で受注拡大。2026年1Qは売上高3,602百万円(前年同期比25.2%増)、セグメント利益523百万円(同27.9%増)と2桁増収増益を達成。
ADAS普及に伴う車載カメラ用センシングレンズの旺盛な需要を取り込み、中国市場向けも回復。医療用レンズは極小径・薄膜技術を活かした製品ラインナップ拡充で2026年1Qに前年同期比約1.6倍の大幅増収を達成。
セグメント全体で売上高3,577百万円(前年同期比19.1%増)、利益901百万円(同23.7%増)。
コストダウンや生産性向上など原価低減活動を継続推進。2026年1Qの売上原価は10,276百万円(前年同期10,540百万円から減少)と一定の成果を示すが、原材料費・光熱費高騰・人件費上昇・研究開発強化による販管費増加(4,767百万円、前年同期4,675百万円)が利益を圧迫。
コスト削減効果が外部コスト上昇を上回る水準への到達が課題。
最終更新: 2026年7月17日

