事業内容
株式会社オーバルは1949年創業の流体計測機器メーカーで、各種流量計・受信器・分析計・流体制御装置の製造・販売を主力事業とする。センサ部門(工業用計測機器)、システム部門(計装・制御装置)、サービス部門(メンテナンス・検定業務)の3部門で構成され、石油・化学・半導体・船舶・食品輸送など幅広い産業を顧客基盤とする。
国内製造拠点に加え、シンガポール・中国・台湾・韓国・マレーシア・米国に子会社を展開し、「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」を中長期ビジョンに掲げる。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
センサ部門で流量計等の計測機器を製造・販売し、Anton Paar GmbHへのライセンス契約(契約一時金+ランニングロイヤリティ)による知財収益も獲得する。サービス部門では既存顧客向けに提案型メンテナンス・校正サービスを提供し、安定的な継続収益を確保する。
システム部門では計装・制御システムの受注生産を行う。販売単価改善と製品ポートフォリオ最適化により売上原価率の継続的低減を図る構造となっている。
企業の強み
2023年2月にAnton Paar GmbHとコリオリ流量計・電磁流量計に係る10年間のライセンス契約を締結し、契約一時金およびランニングロイヤリティを受領する権利を確保した。自社の知的財産権は引き続き保有し全世界での製造・販売権も維持しており、技術資産を収益化しつつ事業展開を制限しない契約構造となっている。
センサ部門の主要顧客は化学・石油・半導体・船舶・電池関連業界と多岐にわたり、特定顧客への売上依存度は10%未満(有報注記)。2026年3月期においても化学・石油向けが堅調、半導体向けが回復、中国での船舶・電池向けが拡大と、複数業界からの需要が業績を下支えした。
サービス部門(メンテナンス・流量計検定)は2026年3月期売上高3,175百万円(前期比6.6%増)と安定成長を継続。顧客訪問による現地校正サービスや他社製流量計校正サービスなど提案型対応を拡充しており、化学・石油関連業界向けを中心に受注・売上ともに前期を上回った。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期11,145百万円から2026年3月期15,589百万円へ5期連続増収。営業利益は2025年3月期に費用増で微減(1,476百万円→1,423百万円)となったが、2026年3月期は1,703百万円と過去最高水準を更新。
当期純利益も1,400百万円と大幅増益。外部要因として、防衛予算増加を背景とした防衛省向け売上増加、石油・化学・半導体関連業界の設備投資回復、中国における船舶・電池関連需要の堅調推移が業績を後押しした。
一方、原材料費上昇が当初想定を下回ったことも利益率改善に寄与。2027年3月期は売上高16,000百万円、営業利益1,800百万円、当期純利益1,420百万円を予想しており、さらなる増益を見込む。
成長戦略
「Imagination2028」のもと成長期に移行し、水素・防衛・公共分野への展開を加速
2026年3月期〜2028年3月期を成長期と位置づけ、構造改革期で整えた基盤を活かして新市場開拓・製品開発に注力。2032年3月期売上高200億円・ROE10%を長期目標とし、アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指す。
2026年2月に横浜事業所内に水素実ガス校正設備「OVAL H₂ Lab」を開設。水素計測流量計の信頼性向上と校正サービスを通じた新事業機会の創出を図る。脱炭素需要拡大が見込まれる水素・アンモニア分野向け流量計測機器・システムソリューションを幅広い業界向けに展開。
防衛予算増加を背景とした防衛省向け売上が2026年3月期に一定程度増加。2026年3月には神奈川県内自治体より学校プール給水状況リアルタイム監視システムを受注し、クランプオン形超音波流量計「UC-1」を活用した公共分野でのソリューション展開を進める。
自己株式取得(2026年3月期支出1,300百万円)・消却(5,180千株)により発行済株式数を大幅圧縮。年間配当金を2025年3月期16.00円→2026年3月期20.00円→2027年3月期予想28.00円へ段階的に引き上げ。EPS・BPS向上を通じた株主価値の継続的改善を図る。
収益性の高い製品を中心とした販売構成の改善と継続的な販売単価引き上げにより、2026年3月期の売上高営業利益率は9.5%から10.9%へ改善。Anton Paar GmbHとのライセンス契約一時金収受など技術資産の外部活用も推進。2027年3月期も原材料費・人件費増加を販売単価改善で吸収する方針。
最終更新: 2026年7月19日

