内外経済変動・地政学リスク
ロシア・ウクライナ紛争や米国の関税政策見直し等の地政学的リスクにより、海運市況の悪化や産業機械・建設機械の需要低迷が連鎖的に発生するリスクを内在している。船舶港湾機器事業では新造船建造計画のキャンセル、油空圧機器事業では顧客の生産計画変更が事業計画に影響を及ぼす可能性がある。また急激な為替変動により収益性が低下し、関連資産への減損処理が必要となるリスクも存在する。
官公庁取引・防衛予算変動
防衛・通信機器事業および流体機器事業において、防衛省・自衛隊・国土交通省等の官公庁との取引が多く、予算配分の変更や大型案件の入札延期・中止が事業計画に直接影響する。2027年度までの防衛費予算が5年間で43兆円と定められ受注残が過去最高水準となっており、予算方針の変更が生じた場合の影響は無視できないレベルに達している。当社グループは官公庁の動向に関するきめ細かな情報収集と経営会議での財務情報モニタリングにより対応している。
人材確保・防衛事業対応
少子高齢化や人材市場の流動化進展により新卒採用競争が激化しており、給与・福利厚生面での待遇差別化競争も激しくなっている。特に急速に受注残が拡大している防衛事業において人的資源が不足した場合、納期遅れ等によるペナルティが発生するリスクがある。当社グループは新卒・キャリア採用のバランス確保と早期離職率低減のためのフォローアップ体制を整備している。
情報セキュリティ・サイバー攻撃
大規模なサイバー攻撃や未知のコンピュータウイルスによるゼロデイ攻撃等により、重要データの破壊・改竄・社外流出や重篤なシステムダウンが発生するリスクを内在している。事業上の機密情報や重要な営業情報を保有する当社グループにとって、情報漏洩は業績・財務状況のみならず信用失墜にも直結する。対応として情報セキュリティ管理委員会をグループ横断で設置し、専門部署による管理強化と経営会議での四半期毎の進捗精査を実施している。
素材・部品調達リスク
素材・電子部品・モジュール等の多くを外部供給元に依存しており、想定外の値上げ・製造中止・需給逼迫や供給元の被災による供給停止等が発生した場合、原価上昇や納期遅延が生じるリスクがある。特に防衛省向け商品の保守用部品については生産中止に伴う「まとめ買い」が発生し、在庫資金需要の増大につながる特有の事業特性がある。設計部署と購買部署が連携して安定供給元の選定を行い、経営会議での四半期毎モニタリングにより対応している。
金利変動・有利子負債リスク
防衛費予算の急速な増加により防衛省向け商品の受注残高が高水準となり、棚卸資産が大幅に増加した結果、運転資金としての借入金が一時的に増加している。保守用部品のまとめ買い等が発生した場合は借入金がさらに増加し、金利の著しい上昇の影響を受けやすくなるリスクを内在している。当社グループは部品購入時期の最適化や老朽化機器の設計変更提案等により対応するとともに、経営会議での財務情報モニタリングを実施している。
商品品質・製造物責任
全商品について欠陥の発生を完全に排除することはできず、リコールや現地交換・改修作業、客先からの求償等の損害賠償が発生するリスクを内在している。製造物責任賠償保険が最終的な賠償額を全て償えるという保証はなく、大規模な改修や賠償は信用失墜と多額のコスト発生につながる。対応として設計段階での社内有識者による設計審査強化、品質統括室の設置、品質管理担当執行役員の選任により品質管理体制を整備している。
新商品開発・技術革新対応
革新的新技術の台頭や顧客・市場要求の急速な変化、新たな法的規制の発生・解除、他社の新規参入等に対して当社グループの予測が適切でない場合、技術開発や商品化の遅れにより機会損失や市場占有率の低下が生じるリスクがある。このリスクの顕在化は収益力の向上や事業領域の拡大の実現に悪影響を及ぼす可能性がある。技術担当役員を委員長とする開発委員会においてグループ横断の情報共有と技術戦略の立案・実装を推進している。
自然災害・疫病による事業継続
本社が所在する東京都大田区は首都直下型地震の直接的影響リスクを内在し、主要生産拠点の栃木県においてもスーパー台風・線状降水帯等による広域災害で社会インフラが寸断される可能性がある。また新型インフルエンザ等の未知の感染症による従業者の集団感染が発生した場合、事業継続に大きな影響が生じるリスクがある。危機管理マニュアルの整備・定期訓練・安否確認システムの構築に加え、免震構造の平和島事業所や高度なデータセンターの活用によりレジリエンシーを確保している。
脱炭素移行・エネルギーコスト
地政学的リスクや脱炭素社会への移行に伴う上流資源開発の減少等の構造的要因により、エネルギー料金の高騰・高止まりが継続するリスクがある。油空圧機器事業の多数の工作機械や防衛・通信機器事業の24時間運転クリーンルームを擁する当社グループにとって、電力料金負担の増加や自家発電装置導入による追加費用が業績に悪影響を及ぼす可能性がある。省エネ生産設備への投資計画検討、太陽光発電システムの導入、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

