事業内容
東京計器は1896年創業の老舗精密機器メーカーで、計測・認識・制御技術を事業の核とする。主要セグメントは防衛・通信機器(売上高の約42%)、船舶港湾機器(約22%)、油空圧機器(約19%)、流体機器(約9%)、その他(約7%)の5事業で構成される。
主要顧客は防衛省・海上保安庁等の官公庁、造船会社、建設・工作機械メーカー、水道・ガス事業者等と多岐にわたる。国内外に9子会社・2関連会社を擁し、ベトナム・中国・韓国・米国に生産・販売拠点を持つ。
東証プライム上場。
ビジネスモデル
主力の防衛・通信機器事業は官公庁からの受注生産が中心で、受注残高(2026年3月末59,875百万円)が将来売上の可視性を担保する。船舶港湾機器事業では新造船向け機器販売に加え、保守サービス・修理が安定収益源となる。
流体機器事業は官需市場向け超音波流量計等の継続的な更新需要を取り込む。各事業で製品販売と保守・修理サービスを組み合わせることで収益の安定性を高めている。
企業の強み
2026年3月末の防衛・通信機器事業の受注残高は43,235百万円と高水準を維持しており、同事業の年間売上高26,015百万円の約1.7年分に相当する。航空機搭載機器・艦艇搭載機器を中心に受注が積み上がっており、中期的な売上の確実性が高い。
防衛・通信、船舶港湾、油空圧、流体、その他の5事業を擁し、2026年3月期は全セグメントで増収を達成した。官需・民需・国内外にわたる顧客基盤の分散により、特定市場の変動リスクを緩和する構造を持つ。自己資本比率53.7%と健全な財務基盤も維持している。
マイクロ波技術、ジャイロ技術、超音波技術、油圧技術、信号処理・画像処理技術等の複数のコア技術を保有し、防衛装備庁との「MEMS-半球共振ジャイロスコープ/慣性航法技術」研究請負契約を受託するなど、高度な技術力を実績で示している。2026年3月期の研究開発費は2,883百万円。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は61,186百万円(前期比+6.1%)、営業利益5,362百万円(+10.4%)、経常利益5,492百万円(+9.8%)、親会社株主帰属当期純利益4,005百万円(+5.5%)と全利益項目が増加し、営業利益・経常利益は過去最高益を更新した。主要ドライバーは防衛・通信機器事業(売上高+6.6%、営業利益+43.3%)で、航空機搭載機器・艦艇搭載機器・宇宙関連機器の販売が好調。
全5セグメントで増収を達成。売上高営業利益率は8.8%(前期8.4%)に改善。
過去5期の売上高推移は41,510→44,296→47,166→57,650→61,186百万円と拡大基調が継続している。
成長戦略
「東京計器ビジョン2030」のもと防衛・グローバルニッチトップ事業の拡大と経営基盤強化を推進
防衛予算拡大を背景に航空機・艦艇搭載機器の増産体制を整備。2027年3月期にMEMS-半球共振ジャイロスコープ研究等の大型案件納入を予定し、売上高31,100百万円・営業利益3,500百万円(+49.3%)を目指す。防衛事業の増産に伴う試験装置等の生産設備増強も実施済み。
メトロウェザー㈱への出資・業務提携による防衛市場向けドップラー・ライダーの開発・量産化、㈱ロジック・アンド・デザインへの出資による画像鮮明化×AIカメラ技術の融合製品開発、油空圧機器事業でのDAPDNAを活用したエッジAIシステム研究開発を推進中。
全社基幹システム更新を含むDXを推進し、業務プロセス改善とビジネスモデル変革を図る。本社移転により持続的な事業拡大に対応する環境整備と従業員エンゲージメント強化を実施。人的資本強化として売上高増加に伴う人員増強と教育充実を継続。
安定的な累進配当を方針とし、2026年3月期は1株当たり40円(前期35円から増配)、2027年3月期は48円(さらに8円増配)を予定。配当性向は16.4%(2026年3月期)と低水準を維持しつつ、成長投資と株主還元のバランスを図る。
最終更新: 2026年7月19日

