事業内容
株式会社星医療酸器は1974年創業の東証スタンダード上場企業。医療用酸素の製造・販売を出発点に、在宅酸素療法(HOT)・CPAP等の在宅医療関連事業、医療用ガス配管設備工事、介護福祉機器レンタル・販売、有料老人ホーム・通所介護施設の運営まで、医療・介護分野のバリューチェーンを幅広くカバーする。
連結子会社5社を含むグループ体制で、首都圏を中心に全国展開。主要顧客は病院・診療所等の医療機関および在宅療養患者。
2026年3月期の連結売上高は15,520百万円。
ビジネスモデル
医療用ガスは自社製造子会社4社で充填し医療機関へ継続供給する。在宅医療事業では酸素濃縮器等をレンタル資産として保有し、患者への継続的なレンタル料収入を得るストック型モデルを採用。
設備工事事業では保守点検・修繕によるリカーリング収益も確保。介護・施設事業は介護報酬を収益源とする。
複数セグメントの組み合わせにより、景気変動に左右されにくい安定収益基盤を構築している。
企業の強み
在宅医療関連事業は2026年3月期売上高7,226百万円(前期比7.4%増)、セグメント利益999百万円(前期比10.2%増)、利益率13.8%を達成。HOT・CPAP双方が堅調に拡大し、グループ最大セグメントとして全社収益を牽引。
自社開発システム「Pallet's-R」によるDX推進が業務効率化にも寄与している。
東京・茨城・神奈川・愛知の4製造子会社(エイ・エム・シー、アイ・エム・シー、ケイ・エム・シー、テイ・エム・シー)が酸素充填を内製化。2024年度には東海地域の新工場が竣工・稼働し供給体制を強化。内製化によるコスト低減と安定供給体制が競合との差別化要因となっている。
2026年3月期末の純資産は20,325百万円、流動比率317.3%と財務健全性は高い。営業活動によるキャッシュ・フローは2,477百万円(前期比287百万円増)を確保。現金及び現金同等物残高は5,910百万円に達し、設備投資・M&Aへの対応余力を十分に保持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期12,772百万円から2026年3月期15,520百万円へ5期で21.5%増加し増収基調を維持。しかし2026年3月期の営業利益は1,919百万円(前期比3.2%減)、経常利益2,000百万円(同2.5%減)、親会社株主帰属当期純利益1,373百万円(同6.2%減)と主要利益指標が揃って前期を下回った。
外部要因としてエネルギーコスト・原材料価格の高止まりが売上原価・販管費双方を押し上げた。売上高営業利益率は13.1%→12.4%へ低下。
在宅医療関連(売上高+7.4%、利益+10.2%)が唯一の高成長セグメントとして全社を支える一方、医療用ガス関連(利益▲27.4%)・工事関連(売上▲7.6%)が足を引っ張る構図となっている。
成長戦略
在宅医療・介護のM&A・DX・設備投資拡充と医療ガス供給体制強化による多角的成長
HOT・CPAP等の在宅医療機器レンタル資産への積極投資を継続。2026年3月期の在宅医療関連セグメントの有形・無形固定資産増加額は954百万円と全セグメント最大。患者数増加に対応した機器調達力の強化により、ストック収益の拡大を図る。
医療・介護分野でのM&Aを成長戦略の柱として位置づけ、エリア拡大・事業基盤強化を推進。2026年3月期は関連会社株式取得2百万円を実施。投資有価証券残高は4,164百万円(前期比1,197百万円増)と財務余力を活用した投資を継続している。
自社開発システム「Pallet's-R」活用による在宅医療業務のDX化を推進。ソフトウエア仮勘定22百万円が新たに計上されており、システム開発投資が進行中。業務効率化による人的資源の最適配分と収益性改善を目指す。
エネルギーコスト・運送費上昇に対し、市況を見ながらコスト上昇分を鑑みた適正価格への変更交渉を継続。ポスト2024年問題対応として物流・運送分野の人的資源拡充と組織体制整備を推進。2026年3月期は利益が大幅減少しており、価格転嫁の加速が急務。
有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷」の入居率向上と通所介護3拠点の稼働率改善を推進。2026年3月期の施設介護セグメント損失は15百万円(前期損失18百万円から改善)。介護福祉関連のセグメント利益は61百万円(前期比38.3%増)と大幅改善。訪問看護の人員欠員解消が課題。
最終更新: 2026年7月19日

