株式会社魚力 logo

株式会社魚力

7596東証プライム小売業

株式会社魚力 logo
株式会社魚力7596

事業内容

株式会社魚力は1930年創業の水産専門企業で、東京証券取引所プライム市場上場。鮮魚・寿司の小売事業を基幹とし、首都圏の駅ビル・百貨店・スーパーを中心にテナント出店する。

2025年3月に株式会社最上鮮魚を連結子会社化し九州・福岡エリアへ事業拡大、グループ全体で141店舗を運営する。タイではCP-Uoriki Co.,Ltd.(合弁)が32店舗を展開し、魚力商事株式会社が国内外への卸売を担う。

「魚によって、世界の人々を健康で幸せにする」をミッションに掲げ、国内小売を基盤としながら海外展開を推進する「魚」総合企業を目指している。

ビジネスモデル

売上高の約88%を占める小売事業は、商業施設へのテナント出店により固定資産投資を抑制しながら多店舗展開する。豊洲市場・産地直送による鮮度の高い仕入力とバイイングパワーを競争優位とし、鮮魚200〜300アイテムの品揃えと寿司テイクアウトで客単価を確保する。

飲食事業は小売ノウハウを活用した寿司・海鮮飲食店を運営し、卸売事業は国内外への水産物販売で新たな収益柱を育成している。設備投資・運転資金は内部資金で賄う無借金経営を基本方針とする。

企業の強み

東京都中央卸売市場(築地市場)の売買参加者承認を1973年に取得して以来、豊洲市場の卸売業者・配送業者との長期リレーションを構築。バイイングパワーに裏打ちされた有利な仕入条件の獲得に加え、埼玉県魚市場への集荷場移転・配送ルート組み換えなどの物流改革により原価低減を実現している。

2026年3月期末の自己資本比率は76.9%、現金及び現金同等物の期末残高は11,261百万円に対し有利子負債残高は21百万円と実質無借金経営を維持。内部資金でM&Aや出資を実行できる財務余力を持ち、2025年3月の最上鮮魚連結子会社化も自己資金で対応した。

2025年3月に株式会社最上鮮魚(九州・中国地方51店舗)を連結子会社化し、グループ店舗数を141店舗に拡大。タイではCP-Uoriki Co.,Ltd.が2026年3月時点で32店舗を運営し、ドバイではCountry Hill International LLCと業務提携を締結するなど、M&A・合弁・業務提携を通じた多地域展開の実績を積み上げている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は最上鮮魚の連結化により売上高が19.0%増の43,600百万円と大幅増収を達成した一方、営業利益は1,554百万円(前期比+4.0%)にとどまり増収効果が利益に波及しにくい構造が露呈した。さらに2027年3月期会社予想は売上高44,600百万円(+2.3%)に対し営業利益1,180百万円(▲24.1%)、純利益870百万円(▲33.2%)と大幅減益を見込んでおり、コスト増圧力の深刻さが示されている。

当期において不動産賃貸借契約に伴う原状回復費用の見積り変更により資産除去債務を422百万円増加させ、うち142百万円を減損損失として特別損失に計上した。減損損失は前期277百万円から当期417百万円へ拡大しており、店舗退店・不採算店整理の加速に伴い今後も一時費用が発生するリスクがある。

会計上の見積り変更が純利益を8.8%押し下げた点は、利益の質の観点から注視が必要である。

CP-Uorikiのタイ国内店舗数は2026年3月時点で32店舗に拡大し、大手コンビニへのテイクアウト寿司供給も開始。ドバイ向け輸出はCHIとの業務提携により前年同期比3倍超に急拡大した。

ただし卸売事業の営業利益は29百万円(前期比▲11.5%)と依然として低水準であり、海外展開が連結業績に本格貢献するには時間を要する。外部要因としてイランの軍事衝突によるドバイ向け輸出への影響も注視が必要である。

成長戦略

国内店舗の質的強化と海外水産需要取り込みによる「魚」総合企業への進化

2025年3月に株式会社最上鮮魚を連結子会社化し、九州・福岡エリアに51店舗の事業基盤を獲得。長浜市場を軸とした物流強化と筋肉体質の店舗網構築(不採算店退店・大型店出店)を推進中。2026年3月期は小売事業売上高38,229百万円(前期比+21.3%)に大きく貢献した。

2023年5月設立のCP-Uoriki Co.,Ltd.がタイ国内大型ショッピングモールを中心に日本式鮮魚・寿司店舗を展開。2026年3月時点で32店舗に拡大し、大手コンビニへのテイクアウト寿司供給も開始。これらへの商品供給が卸売事業の売上伸長に貢献することが期待される。

2026年2月にドバイの食品輸入卸・小売企業Country Hill International LLC(CHI)と業務提携契約を締結。CHI向け売上高は前年同期比3倍超に急拡大。ただしイランの軍事衝突によるドバイへの影響を注視しており、地政学リスクが顕在化した場合の代替販路確保が課題となる。

新規出店費用高騰・人手不足を踏まえ、無制限な新規出店を抑制し不採算店の退店と大型複合店(小売・飲食併設)への集中投資を推進。2026年3月期は魚力単体で小売1出店・3退店、飲食1出店・1退店を実施。限られた経営資源の効率的活用により収益性の底上げを図る。

2025年12月に東京都あきる野市に丼・定食を提供する新業態「海鮮食堂とと市場あきる野店」を開店。従来の寿司・海鮮居酒屋とは異なる日常食需要を取り込み、飲食事業の収益基盤多様化を図る。飲食事業は2026年3月期に営業利益12百万円(前期比+1,373%)と黒字転換に近い水準まで改善した。

最終更新: 2026年7月19日