事業内容
株式会社魚力は1930年創業の水産専門企業で、東京証券取引所プライム市場上場。鮮魚・寿司の小売事業を基幹とし、首都圏の駅ビル・百貨店・スーパーを中心にテナント出店する。
2025年3月に株式会社最上鮮魚を連結子会社化し九州・福岡エリアへ事業拡大、グループ全体で141店舗を運営する。タイではCP-Uoriki Co.,Ltd.(合弁)が32店舗を展開し、魚力商事株式会社が国内外への卸売を担う。
「魚によって、世界の人々を健康で幸せにする」をミッションに掲げ、国内小売を基盤としながら海外展開を推進する「魚」総合企業を目指している。
ビジネスモデル
売上高の約88%を占める小売事業は、商業施設へのテナント出店により固定資産投資を抑制しながら多店舗展開する。豊洲市場・産地直送による鮮度の高い仕入力とバイイングパワーを競争優位とし、鮮魚200〜300アイテムの品揃えと寿司テイクアウトで客単価を確保する。
飲食事業は小売ノウハウを活用した寿司・海鮮飲食店を運営し、卸売事業は国内外への水産物販売で新たな収益柱を育成している。設備投資・運転資金は内部資金で賄う無借金経営を基本方針とする。
企業の強み
東京都中央卸売市場(築地市場)の売買参加者承認を1973年に取得して以来、豊洲市場の卸売業者・配送業者との長期リレーションを構築。バイイングパワーに裏打ちされた有利な仕入条件の獲得に加え、埼玉県魚市場への集荷場移転・配送ルート組み換えなどの物流改革により原価低減を実現している。
2026年3月期末の自己資本比率は76.9%、現金及び現金同等物の期末残高は11,261百万円に対し有利子負債残高は21百万円と実質無借金経営を維持。内部資金でM&Aや出資を実行できる財務余力を持ち、2025年3月の最上鮮魚連結子会社化も自己資金で対応した。
2025年3月に株式会社最上鮮魚(九州・中国地方51店舗)を連結子会社化し、グループ店舗数を141店舗に拡大。タイではCP-Uoriki Co.,Ltd.が2026年3月時点で32店舗を運営し、ドバイではCountry Hill International LLCと業務提携を締結するなど、M&A・合弁・業務提携を通じた多地域展開の実績を積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は43,600百万円(前期比+19.0%)と過去5期で最大の増収幅を記録したが、これは最上鮮魚の連結化(2025年3月)による上乗せ効果が主因。一方、販売費及び一般管理費が16,288百万円(前期13,369百万円)へ大幅増加し、営業利益率は3.6%(前期4.1%)に低下。
特別損失の減損損失が417百万円(前期277百万円)に拡大したことで親会社株主帰属純利益は1,303百万円(前期比▲8.8%)に減少した。外部要因として魚価高騰・物流コスト増・円安による物価上昇が収益を圧迫。
2027年3月期は会社予想で営業利益1,180百万円(▲24.1%)と更なる減益を見込んでおり、コスト構造の改善が急務となっている。
成長戦略
国内店舗の質的強化と海外水産需要取り込みによる「魚」総合企業への進化
2025年3月に株式会社最上鮮魚を連結子会社化し、九州・福岡エリアに51店舗の事業基盤を獲得。長浜市場を軸とした物流強化と筋肉体質の店舗網構築(不採算店退店・大型店出店)を推進中。2026年3月期は小売事業売上高38,229百万円(前期比+21.3%)に大きく貢献した。
2023年5月設立のCP-Uoriki Co.,Ltd.がタイ国内大型ショッピングモールを中心に日本式鮮魚・寿司店舗を展開。2026年3月時点で32店舗に拡大し、大手コンビニへのテイクアウト寿司供給も開始。これらへの商品供給が卸売事業の売上伸長に貢献することが期待される。
2026年2月にドバイの食品輸入卸・小売企業Country Hill International LLC(CHI)と業務提携契約を締結。CHI向け売上高は前年同期比3倍超に急拡大。ただしイランの軍事衝突によるドバイへの影響を注視しており、地政学リスクが顕在化した場合の代替販路確保が課題となる。
新規出店費用高騰・人手不足を踏まえ、無制限な新規出店を抑制し不採算店の退店と大型複合店(小売・飲食併設)への集中投資を推進。2026年3月期は魚力単体で小売1出店・3退店、飲食1出店・1退店を実施。限られた経営資源の効率的活用により収益性の底上げを図る。
2025年12月に東京都あきる野市に丼・定食を提供する新業態「海鮮食堂とと市場あきる野店」を開店。従来の寿司・海鮮居酒屋とは異なる日常食需要を取り込み、飲食事業の収益基盤多様化を図る。飲食事業は2026年3月期に営業利益12百万円(前期比+1,373%)と黒字転換に近い水準まで改善した。
最終更新: 2026年7月19日

