事業内容
ゼンショーホールディングスは「すき家」「はま寿司」を中核に、ファミリーレストラン、ファストフード、テイクアウト寿司、小売など幅広いフード業を展開する持株会社。国内外175社のグループ企業を通じ、日本・中国・東南アジア・中南米・欧米など世界各地に店舗を持つ。
2026年3月期の連結売上高は1,264,053百万円に達し、グローバルすき家・グローバルはま寿司・グローバル中食の3セグメントだけで売上の約67%を占める。ファミリー層から単身者まで幅広い顧客層を対象に、安全でおいしい食を手軽な価格で提供することを使命とする。
ビジネスモデル
メニュー開発・食材調達・製造加工・物流・店舗販売を一貫して自社設計・運営するMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)が収益の根幹。規模の経済を活かした大量調達と内製化により食材コストを抑制しつつ、品質管理のトレーサビリティを確保する。
直営中心の多業態展開で売上を積み上げ、グループ内の食材・物流・製造インフラを共有することでセグメント横断のシナジーを創出する。
企業の強み
食材調達から製造・物流・販売まで自社で一貫管理するMMDを構築。㈱GFF(製造加工)、㈱グローバルフレッシュサプライ(物流)、㈱ゼンショー商事(食材調達)等の専門子会社が機能を担い、2026年3月期の本社・サポートセグメント生産金額は87,006百万円に達する。
グループ全体の食材コスト管理と品質保証を同時に実現する競合模倣困難な仕組みである。
グローバルはま寿司セグメントは2026年3月期に売上高320,277百万円(前年比28.9%増)、営業利益26,771百万円(同25.4%増)を達成。期末店舗数は862店舗(国内664・海外198)で、海外店舗数は前期末96店舗から198店舗へ1年で倍増した。
既存店売上高前年比も115.5%と全セグメント最高水準を記録し、成長の主エンジンとなっている。
AFC・SNOWFOX・YO!・Bento・Sushi Circleなど複数ブランドを欧米中心に展開するグローバル中食セグメントは、2026年3月期末に8,970店舗(FC8,102店舗含む)を擁する。売上高221,895百万円、営業利益27,376百万円、営業利益率12.3%と高収益を維持。
M&Aで獲得した欧米ブランドを統合し、短期間で世界規模の寿司テイクアウト網を構築した実績は競合が容易に模倣できない資産である。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期658,503百万円から2026期1,264,053百万円へ5期で1.9倍に拡大。営業利益は同期間に9,232百万円から81,440百万円へ約8.8倍に増加し、営業利益率は1.4%から6.4%へ急改善した。
ただし売上高成長率は2024期(前年比23.9%増)・2025期(同17.7%増)から2026期(同11.2%増)へ逓減傾向にある。外部要因として、コメ・輸入牛肉・水産物の価格高騰が原材料コストを押し上げ、すき家の営業利益が前年比62.0%減と急落した点が利益率改善の重石となった。
包括利益は66,416百万円(前年比78.1%増)と大幅増加し、為替換算調整勘定の改善(19,584百万円)が寄与した。フリーCFは23,087百万円を確保。
成長戦略
MMD強化と積極出店・M&A継続で2027年3月期売上高1,424,000百万円・営業利益92,000百万円を目指す
2026年3月期に132店舗出店・5店舗退店で期末862店舗(国内664・海外198)を達成。海外は前期末96店舗から倍増しており、中国等アジア市場での展開加速が成長の主軸。
既存店前年比115.5%の高水準を維持しながら出店を継続することで、グローバルはま寿司セグメントの売上・利益の更なる拡大を図る。
欧米テイクアウト寿司事業(AFC・SNOWFOX・YO!等)において、収益性・立地条件を踏まえた戦略的出退店を実施。2026年3月期は761店舗出店・1,306店舗退店と大規模な最適化を断行し、期末8,970店舗・営業利益率12.3%を確保。不採算店舗の整理を通じた収益構造の改善を継続する。
食材調達から製造・物流・店舗販売まで一貫管理するMMDを進化させ、原材料価格上昇局面でのコスト競争力を維持・強化する。本社・サポートセグメントの売上高が前年比119.1%増・営業利益2,780百万円(前年は営業損失7,418百万円)へ黒字転換したことは、グループ内サポート機能の効率化が進んでいることを示す。
ゼッテリアへの転換出店を推進する一方、讃岐うどん専門店「瀬戸うどん」とカフェチェーン「モリバコーヒー」の全店閉店を実施。不採算業態の整理により、2026年3月期既存店前年比109.2%を達成。業態ポートフォリオの最適化を通じて、セグメント営業利益率の改善を目指す。
2025年10月発行の第1回社債型種類株式(2030年10月以降コール可能)により自己資本比率を35.5%へ改善。調達資金を新規出店・改装投資(有形固定資産取得78,007百万円)に充当しながら、フリーCF23,087百万円を確保する財務規律を維持。
A種優先株式(2028年9月以降コール可能)の処理も含め、資本政策の最適化を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

