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ワタミ株式会社

7522東証プライム小売業

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ワタミ株式会社7522

事業内容

ワタミ株式会社は1986年設立の東証上場企業で、連結子会社27社・持分法適用関連会社3社を擁する総合フードサービスグループ。国内では居酒屋・焼肉・テイクアウト・ハレの場・SUBWAY等の多業態外食(517店舗)と調理済み宅配弁当(506拠点)を二本柱とし、東南アジア・米国を中心とした海外外食(81店舗)、電力小売・風力発電の環境事業、有機農産物・酪農畜産の農業事業も展開する。

2026年3月期の連結売上高は93,268百万円。高齢者・共働き世帯・インバウンド需要など多様な顧客層を対象とし、食の川上(農業・製造)から川下(外食・宅配)まで垂直統合的に事業を構築している。

ビジネスモデル

国内外食事業は飲食店直営・FCの多業態展開で客数増加を収益源とし、宅食事業は自社製造工場から調理済み弁当を全国506拠点で宅配する定期購買型モデルで安定収益を確保する。商品開発・仕入・物流・製造のMD体制を一元管理することで差別化とコスト削減を両立。

農業セグメントがグループ内に農産物を供給し、環境事業がグループ内電力需要を賄う内部循環構造も持つ。海外ではFC展開と食品加工卸売(Leader Foodグループ等)で収益多様化を図る。

企業の強み

宅食事業は2026年3月期売上高41,014百万円・セグメント利益4,311百万円・利益率10.5%を達成。全国506拠点の営業網と自社製造工場による省人化投資、仕入・物流の継続的見直しが高利益率を支える。累計お届け数58,783千食(前期比101.6%)と規模・効率の両面で競争優位を持つ。

国内外食事業は居酒屋・焼肉・テイクアウト・デリバリー・ハレの場・SUBWAY直営・FCと業態を多様化し、2026年3月期末517店舗(42店舗新規出店)を展開。単一業態依存を回避しつつ、客数増加を主因に売上高37,668百万円(前期比109.5%)・セグメント利益2,263百万円(前期比140.5%)の増収増益を実現した。

2026年3月期末の現金及び預金は43,570百万円で、有利子負債合計29,003百万円を大幅に上回る。純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)は△48.30%と実質無借金水準。自己資本比率40.4%・流動比率301.2%を確保し、新規出店・M&A・省人化投資等の成長投資余力が高い。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は4,837百万円(前期比5.9%増)と増益を達成したが、その主因は国内外食事業の客数増加によるものである。一方、宅食事業のセグメント利益は4,311百万円(前期比91.3%)と減益に転じており、原材料高騰の影響が利益率を圧迫している。

宅食事業はグループ最大の利益貢献セグメントであるため、同事業の収益性回復が今後の業績改善の鍵を握る。

2026年3月期の経常利益は6,435百万円(前期比22.7%増)と大幅増益となったが、為替差益908百万円(前期はゼロ)が主要因の一つである。USD為替レートが149.53円から159.93円へ円安方向に推移したことが寄与しており、外部要因として今後の為替動向次第で経常利益が変動するリスクがある。

また減損損失が1,246百万円(前期713百万円)と増加しており、海外事業(998百万円)を中心に固定資産の収益性悪化が続いている点も注視が必要である。

同社は中東・ウクライナ紛争等の地政学的リスクや世界経済の不確実性を理由に2027年3月期の業績予想を非開示としており、投資家にとって業績の見通しが立てにくい状況が続いている。エネルギー・原材料価格の高止まりは宅食・外食双方のコスト構造に影響を与えており、外部要因として仕入コスト高騰リスクが継続する。

米国フランチャイズ展開(Watami US Franchise LLC等の新設)は中長期の成長機会だが、立ち上げコストと収益化までの時間軸が不透明である。

成長戦略

宅食高齢者層拡大・国内外食多業態展開・米国フランチャイズ進出の三本柱

2025年10月に75歳以上の後期高齢者向け新商品「好い日の御膳」を投入し、食数増加による増収を実現。仕入・製造・物流の見直しによるコスト削減で高品質・低価格を両立し、原材料高騰下での利益率回復を目指す。

居酒屋・焼肉・テイクアウト・ハレの場・SUBWAYの多業態ポートフォリオを維持しつつ、2026年3月期に42店舗を新規出店(期末517店舗)。客数増加と固定費削減の継続により増収増益(セグメント利益前期比140.5%)を達成した。

当期にWatami US Franchise LLC及びH&W Hospitality Partners, LLCを新設し、米国フランチャイズ展開の法人基盤を整備。東南アジアでは18店舗の新規出店(期末81店舗)を実施し、日本の国内外食事業との商品開発連携を強化した新業態の開発・出店を推進している。

環境事業は仕入単価の減少により売上高減少ながらセグメント利益303百万円(前期比156.2%)と大幅増益。農業はセグメント損失を前期△150百万円から△14百万円へ大幅縮小し、グループ内外食・宅食向け農産物供給による垂直統合シナジーを強化している。

最終更新: 2026年7月19日