事業内容
株式会社ムサシは1946年創業の東証スタンダード上場企業で、情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品、不動産賃貸・リース事業の4セグメントを展開する。官公庁・自治体・金融機関・民間企業を主要顧客とし、単なる商品販売にとどまらず、ソフトウェアと先進機器を組み合わせたシステム構築・提案営業を強みとする。
子会社10社・関連会社1社を含むグループ体制で、選挙用機器から文書電子化、貨幣処理機器、業務用ろ過フィルター、工業用検査機材まで幅広い専門領域をカバーする。
ビジネスモデル
自社開発商品(選挙用機器・貨幣処理機器・セキュリティ機器等)と仕入商品を組み合わせ、顧客課題に応じたシステムを構築・販売する。機器販売に加え、保守サービス・BPOサービス・ソフトウェアライセンスによる継続収益も積み上げる。
富士フイルム等との長期販売特約店契約を基盤に、グループ各社が製造・販売・メンテナンスを分担する垂直統合型の収益構造を持つ。
企業の強み
武蔵エンジニアリング株式会社(子会社)が投票用紙交付機・読取分類機・投開票管理システム等を自社設計・開発・製造する。2026年3月期は東京都議会・参院・衆院選挙が重なり、金融汎用・選挙セグメント売上高13,880百万円(前期比47.5%増)、営業利益4,315百万円(同102.6%増)を達成した実績を持つ。
2026年3月期末の現金及び現金同等物残高は23,477百万円に達する一方、借入金残高は3,516百万円にとどまる。純資産残高は36,939百万円で、財務の安全性は高い。この潤沢なキャッシュポジションは、新規事業投資や設備投資の機動的な実行を可能にする自社固有の財務的強みである。
富士フイルム株式会社との販売特約店基本契約は1959年締結で、以後1年毎の自動延長により60年超にわたり継続している。この長期的な取引関係は、安定的な商品供給と顧客基盤の維持に寄与しており、競合他社が短期間で模倣困難な関係資産として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の33,140百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は40,586百万円(前期比8.5%増)。営業利益は4,677百万円(同39.4%増)と過去5期で最高水準に達し、営業利益率は11.5%(前期9.0%)に改善。
ただし経常利益は持分法投資損失121百万円の計上により4,716百万円(同0.5%減)、さらに減損損失204百万円・固定資産除却損22百万円の特別損失計上と法人税等の増加(1,305百万円→1,689百万円)が重なり、親会社株主帰属当期純利益は2,803百万円(同18.3%減)にとどまった。2027年3月期は選挙特需剥落により売上高33,959百万円・営業利益596百万円と大幅減益を会社側が予想しており、選挙サイクルに連動した業績変動構造が継続している。
成長戦略
行政デジタル化・選挙効率化・高付加価値商品で採算性改善と安定収益基盤を構築
官公庁・自治体および民間企業向けに資料電子化による業務効率化提案営業を推進し受注拡大を図る。2026年3月期は大型案件予算縮小で受注が伸び悩んだが、継続的な提案活動を維持。ソフトウェア開発投資(仮勘定403百万円)が次期以降の収益貢献に期待される。
半導体・電子部材需要増加を背景とした業務用ろ過フィルターの販売拡大および飲料向けシェア拡大を推進。航空・宇宙関連中心の工業用検査機材はデジタル非破壊検査機器の販売強化に注力。2026年3月期は両分野とも堅調に推移した。
国政選挙が当面予定されない中、任期満了に伴う地方選挙向け投票用紙交付機・読取分類機・業務管理システムの拡販に注力。自治体情報システム標準化への選挙用業務管理ソフト対応を進め、次の国政選挙サイクルに向けた顧客基盤の維持・強化を図る。
印刷・情報用紙の需要減少が続く中、医薬品・化粧品向け紙器用板紙等の堅調需要が見込まれる高付加価値品の拡販に注力し採算性改善を図る。2026年3月期は医薬品・化粧品向け板紙が順調に推移した一方、印刷・情報用紙は落ち込み、セグメント営業利益は133百万円(前期比24.4%減)にとどまった。
自社開発ソフトウェアのソリューション提案により新規事業を創出し収益性改善を図る。2026年3月期末のソフトウェア仮勘定は403百万円(前期134百万円)と大幅増加しており、開発投資が加速。印刷システム機材では多目的インクジェットプリンター・デジタルダイカッター等で印刷業界以外への販路拡大も推進中。
最終更新: 2026年7月19日

