事業内容
松田産業は、貴金属回収製錬・電子材料販売・産業廃棄物処理を担う「貴金属関連事業」と、水産・畜産・農産品の食品加工原材料をグローバルに調達・販売する「食品関連事業」を二本柱とする。当社グループは連結子会社22社・関連会社1社で構成され、国内製錬拠点(埼玉・岐阜・福岡等)に加え、タイ・フィリピン・マレーシア・ベトナム・台湾・韓国・シンガポール等にグローバル拠点を展開する。
主要顧客はエレクトロニクス業界(半導体・電子部品メーカー)および食品製造業界であり、三菱商事RtMジャパン(売上高の15.7%)・三井物産(同11.6%)が主要販売先として開示されている。
ビジネスモデル
貴金属関連事業では、半導体・宝飾・デンタル等の業界から貴金属含有スクラップを回収し、自社製錬技術で金・銀・白金族地金や高機能電子材料に加工して販売する静脈・動脈一体型の循環バリューチェーンを構築する。産業廃棄物処理受託も収益源の一つ。
食品関連事業では、アジア・インド・インドネシア等の海外子会社を活用したグローバル調達網により、食品加工原材料を安定供給し、物流子会社(マツダ流通)が配送を担う。
企業の強み
埼玉(武蔵第1〜4工場・入間工場)・岐阜(関工場・関第二工場)・福岡(北九州工場、2024年1月新設)の国内拠点に加え、タイ・マレーシア・ベトナム等の海外製錬工場を保有。2024年8月に武蔵第4工場が稼働開始するなど継続的な生産インフラ拡充を実施しており、原料確保力と処理能力の両面で競合が短期模倣困難な設備基盤を有する。
当社製の金地金・銀地金はロンドン金銀市場(LBMA)、白金地金・パラジウム地金はロンドン・プラチナ・パラジウム・マーケット(LPPM)の認定受渡供用品として登録されており、国際市場での製品信頼性を公式に担保している。東京工業品取引所(現・大阪取引所)の鑑定業者指定・認定も取得済みであり、地金品質の国際的な認証が差別化要因となっている。
中国・タイ・ベトナム・インド・インドネシアに食品関連の現地法人を設立・稼働させており、水産品・畜産品・農産品の多品目にわたるグローバル調達網を構築済み。2026年3月期の食品関連事業売上高は117,466百万円(前期比9.6%増)と着実に拡大しており、海外子会社を通じた現地調達力が国内食品製造業界への安定供給を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期272,292百万円から2026年3月期687,843百万円へ5年間で2.5倍超に拡大した。2026年3月期は前期比219,002百万円増(46.7%増)と過去最大の増収幅を記録。
外部要因として貴金属相場(金・銀等)の全般的上昇が売上高・利益を大きく押し上げたほか、宝飾分野を含む貴金属リサイクル取扱量の増加、AIデータセンター向け需要拡大を背景とした半導体・電子部品生産の回復が貴金属関連事業(売上高570,422百万円、営業利益19,342百万円)を牽引した。食品関連事業も価格転嫁の進展と販売量増加により増収増益(売上高117,466百万円、営業利益3,095百万円)を達成。
営業利益率は2.7%から3.3%へ改善したが、棚卸資産急増による運転資本の膨張が課題として浮上している。
成長戦略
貴金属リサイクル取扱量拡大・食品グローバル調達強化・新規収益源創出を三本柱に推進
国内外の生産拠点整備を継続し、貴金属原料の安定確保と製商品販売・産業廃棄物処理受託の拡大を図る。2026年3月期に貴金属関連事業の売上高が前期比57.7%増と大幅拡大しており、設備投資(有形固定資産取得5,579百万円)も継続中。AIデータセンター向け需要拡大を追い風に取扱量増加を目指す。
アジア・インド・インドネシア等の海外子会社・拠点を活用し、水産品・畜産品・農産品のグローバル調達力を一層強化する。食資源の安定提供への懸念(買い負けリスク)に対処しながら、顧客ニーズを的確に捉えた商品開拓と安定供給体制の強化により販売量拡大と収益確保を図る。
貴金属を活用した高機能電子材料の開発を推進し、汎用リサイクル事業との差別化を図る。エレクトロニクス業界の電子デバイス分野における需要回復を取り込み、製商品販売数量の増加と付加価値向上による収益性改善を目指す。
2025年2月に取得した山陽レック・フラップリソースの企業結合に係る暫定的な会計処理を2026年3月期に確定。のれんは修正後43百万円(修正前824百万円)と大幅に圧縮され、無形固定資産(顧客価値・技術価値)として計上。両社の事業基盤を活用した貴金属リサイクル・産廃処理の拡大を推進する。
最終更新: 2026年7月19日

