事業内容
株式会社アトムは1965年創業(1972年法人化)の外食チェーン企業で、コロワイドグループ(議決権比率41.2%)の一員として、ステーキ(ステーキ宮)・回転寿司(にぎりの徳兵衛・海鮮アトム)・焼肉(カルビ大将)・とんかつ・和食・洋食・カフェ等の多業態を東北から関西の地方・郊外・ロードサイドを中心に展開する。2026年3月期末時点で直営237店舗・FC10店舗の計247店舗を運営。
居酒屋事業・カラオケ事業を会社分割によりグループ内他社へ承継し、現在はレストラン事業の単一セグメントに集中している。創業の地・福井県を中心に地域密着型の事業運営を推進している。
ビジネスモデル
売上高の大部分は直営237店舗での飲食サービス提供による店舗売上で構成される。FC10店舗からは定率・定額のロイヤルティ収入を得る。
コロワイドグループのサプライチェーンを活用した原材料調達と、グループシナジーを活かした業態転換(大戸屋ごはん処FC化等)により既存資産の収益効率を高める構造。売上原価率37.9%、販管費比率62.0%(2026年3月期)と固定費負担が重く、稼働率向上と客単価改善が収益改善の鍵となる。
企業の強み
「にぎりの徳兵衛」「海鮮アトム」を中心とする寿司業態は2期連続で前期比増収を達成しており、レストラン事業の中で最も安定した成長を継続している。季節・産地を意識したフェア施策や商品構成の見直しによりブランド力を強化し、業態としての競争力を着実に高めている。
収益性に課題のある「ステーキ宮」店舗をコロワイドグループ内の大戸屋ホールディングスとのFC契約を活用して「大戸屋ごはん処」へ業態転換(2026年2月・3月に2店舗開業)するなど、既存資産を活かしながら収益構造を転換できるグループシナジーを有している。
ステーキ・回転寿司・焼肉・とんかつ・和食・洋食・カフェ等の多業態を東北から関西の地方・郊外・ロードサイドに展開することで、特定業態・特定地域への依存を分散している。2026年3月期末で247店舗(直営237・FC10)を維持し、新規業態「グリエ・ミア!」「鎌倉かぶと」の開発も進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期31,098百万円から2026年3月期30,408百万円へ推移したが、居酒屋・カラオケ事業の分割影響を除くと実質的な縮小傾向が続く。営業利益は2022年3月期△1,367百万円→2023年3月期△1,020百万円→2024年3月期△65百万円→2025年3月期△670百万円→2026年3月期25百万円と、事業分割後の構造改革効果で初の黒字転換を達成した。
ただし当期純損失は1,507百万円と大幅な赤字が継続。外部環境として米・食肉・水産物等の原材料価格高止まり、エネルギーコスト・物流費上昇、人件費上昇が収益を構造的に圧迫している。
減損損失677百万円の計上も示すとおり、不採算店舗の整理は道半ばである。
成長戦略
グランドメニュー改定・複合業態展開・グループシナジー活用でレストラン事業の収益基盤を再構築
全業態で2026年4月にグランドメニューを改定し、単なる価格改定にとどまらず商品力強化・提供方法見直し・情報発信充実を通じて体験価値・情報価値の向上を図る。客単価向上による売上・利益改善が主な期待効果。
「グリエ・ミア!」に喫茶機能を組み合わせた複合業態モデルを新規出店し、時間帯・利用目的に応じた柔軟な業態構成で店舗・人員の稼働率向上と投資効率の最大化を図る。2026年3月期に1店舗開業済み。
収益性に課題のあるステーキ宮店舗を大戸屋ホールディングスのフランチャイジーとして業態転換し、既存資産を活かした収益構造の転換を図る。2026年2月・3月に東海店・北名古屋店の2店舗を開業済み。
2026年3月期に13店舗の改装を実施(ステーキ宮6店舗、にぎりの徳兵衛1店舗、海鮮アトム2店舗、カルビ大将3店舗、FC店1店舗)。2027年3月期も店内外を含めた改装を計画的に実施し、集客力向上と収益性改善の両立を目指す。
店舗運営における販管費の抑制と本部コストの最適化を継続的に実施し、外部環境の変動に左右されにくい収益基盤を構築する。2026年3月期の販管費は18,846百万円と前期23,320百万円から大幅削減を達成。
最終更新: 2026年7月19日

