原材料供給の途絶リスク
チタンアルミブレードの主原材料は仏SAFRAN社からの無償供給であり、供給元の事故・品質問題・国際情勢悪化等による供給不足・納入遅延が発生した場合、生産スケジュール遅延に伴う売上・利益の減少および資金繰り悪化を招く。過去にも新型コロナウイルス等に起因する人財不足・設備故障による材料供給遅延が発生し、生産数量に影響が生じた実績がある。当社は2027年6月期から自社新材料の供給を開始し、材料供給リスクの回避を目指している。
特定顧客・製品への依存
2025年6月期における仏SAFRAN社および同社向けチタンアルミブレード(関連売上含む)の売上高比率は96.8%に達しており、契約終了・マーケットシェア削減・生産中断要求等が発生した場合、業績・財務状況に大きな影響を及ぼす。また、米Boeing社737MAX機は2024年1月の品質トラブルを受け米連邦航空局から生産拡大停止を指示されており、生産停滞の長期化リスクも存在する。当社は2024年10月に契約期間延長・マーケットシェア拡大の更新契約を締結し、新規量産案件の拡大にも取り組んでいる。
新材料量産化の失敗リスク
当社は材料供給リスク回避と収益拡大を目的に、チタンアルミブレード用新材料を開発し、2027年6月期から段階的に自社供給・全量切替を計画しているが、鋳造による量産は当社にとって初めての経験である。量産化の失敗や量産スケジュールの遅延が発生した場合、チタンアルミブレード全体の売上・利益の減少および資金繰りの悪化を招く可能性がある。当社は早期の量産体制構築によりリスク低減を図る方針である。
為替レート変動リスク
チタンアルミブレードの売上高の多くは米ドル建て外貨取引であり、円高局面では業績にマイナス、円安局面ではプラスの影響を受ける。2024年10月のSAFRAN社との契約改定で一定の為替レートレンジを超えた場合の価格調整条項を設けたが、レンジ内では引き続き為替変動の影響を受ける。当社は為替予約取引等によるヘッジに努めている。
法的規制・型式証明リスク
当社は製造物責任法・独占禁止法・廃棄物処理法・消防法等の各種法規制を受けており、新たな法令制定等により事業展開が制約される可能性がある。また、当社製品が搭載される航空機に重大な不具合・事故が発生し関係当局が型式証明等を取り消した場合、当社の受注数量が減少し業績・財務状況に大きな影響を及ぼす。当社は経営管理部による定期的な法規制確認とリスク・コンプライアンス委員会での対応により当該リスクの最小化を図っている。
単一拠点集中による災害リスク
当社の生産拠点は栃木県の工場1か所のみであり、大規模自然災害・工場事故・火災が発生した場合、生産設備の破損・物流拠点の麻痺・操業停止等により財政状態・経営成績に重大な影響が及ぶ。事業継続計画(BCP)の策定、一部工程の外注先確保、生産復旧マニュアルの作成・社内研修等により業務中断リスクの最小化に努めている。
生産キャパシティ不足
A320neoファミリー機・737MAX機の生産拡大に加え、2024年7月および2028年1月からのマーケットシェア拡大に対応するため、継続的な設備投資による生産能力増強が必要である。十分な生産キャパシティを確保できず供給遅延が発生した場合、ペナルティ費用の発生に加え、仏SAFRAN社からの信頼喪失により将来の取引に悪影響を及ぼす可能性がある。当社は生産性向上と必要な設備投資により対応する方針である。
経済動向悪化による需要減
航空機業界は経済・マクロ動向の影響を受けやすく、世界的な景気悪化・国際紛争・テロ・感染症流行等による旅客需要の減少や原油価格高騰により、エアラインや航空機メーカーの業績が悪化した場合、当社の受注高・売上高の減少につながる。当社売上高の多くが航空機エンジン部品販売で構成されているため、業界全体の需要変動の影響を直接的に受ける構造にある。
固定資産の減損リスク
当社は設立から2022年6月期まで継続して営業赤字を計上しており、製造業として工場建物・機械設備等の多額の固定資産を保有している。新規量産案件の拡大や新材料量産化に向けて固定資産は今後も増加が見込まれ、回収可能価額が帳簿価額を下回ると判定された場合には減損損失が計上され業績・財務状況に影響を与える。当社は原価低減活動と新たな収益源の拡大により減損リスクの最小化に努めている。
有利子負債依存と財務制限条項
2025年6月期末時点の借入金残高は3,350百万円(総資産比40.8%)であり、2024年9月にはシンジケートローンによる総額3,300百万円(コミットメントライン含む)の借入契約を締結したが借入金残高は増加傾向にある。一部借入契約には財務制限条項が付されており、条件抵触時には期限の利益喪失等により資金繰りに影響が生じる可能性がある。当社は2025年6月期末に1,573百万円の現預金を保有し、金融機関との良好な関係維持・財務基盤強化に取り組んでいる。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

