事業内容
AeroEdge株式会社は、2015年に栃木県足利市で設立された航空機エンジン部品加工メーカー。仏Airbus社製A320neoファミリーおよび米Boeing社製737MAX向けエンジン「LEAP」に搭載されるチタンアルミ製低圧タービンブレードの量産加工・販売を主力事業とする。
主要顧客は仏Safran Aircraft Engines社(売上高の96.8%)。チタンアルミブレードは加工難易度が極めて高く、グローバルで量産供給できる企業は当社を含め2社のみ。
2023年7月に東京証券取引所グロース市場に上場。加工事業の単一セグメントで運営し、2025年6月期の売上高は3,602百万円。
ビジネスモデル
主原料であるチタンアルミ合金は仏SAFRAN社から無償支給されるため、当社の変動費は加工コストが中心となる。売上増加時に利益率が上昇する高い営業レバレッジ構造を持つ。
2025年6月期の売上総利益率は46.8%。販売単価は契約で原則固定され、一定の為替レートレンジを超えた場合に変動する仕組み。
2024年10月更新の長期供給契約(2034年末まで)によりマーケットシェアは35%から40%に拡大、2028年1月以降は40%台後半へさらに拡大予定。
企業の強み
チタンアルミブレードは硬くて脆い金属間化合物であり、量産加工の難易度が極めて高い。LEAP向けチタンアルミブレードを量産供給できる企業は世界で2社のみ。
当社は工程設計・工具開発・加工技術・品質マネジメント・特殊工程(Nadcap認証取得)を自社内で一貫して保有し、参入障壁の高さが競争優位の源泉となっている。
2024年10月に仏Safran Aircraft Engines社と2034年12月末までの長期供給契約を更新。マーケットシェアを35%から40%に拡大し、2028年1月以降は40%台後半へさらに拡大予定。
LEAP搭載機(A320neoファミリー受注残7,251機、737MAX受注残5,415機)の高水準受注残が中長期的な需要の視認性を高めている。
主原料チタンアルミ合金は顧客から無償支給されるため、当社の変動費比率は低く抑えられる。2025年6月期の売上総利益率は46.8%と前期比で改善。売上拡大局面ではLEAPエンジン生産増加に伴う増収が直接的な利益拡大につながるビジネスモデルとなっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期2,921百万円→2024期3,350百万円→2025期3,602百万円と増収基調が続いてきたが、2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)で既に3,775百万円を計上し、前年同期比+36.0%と成長が大幅加速。営業利益も前年同期比+67.9%の1,007百万円と過去の年間実績(2025期655百万円)を既に超過。
市場環境として、LEAPエンジン搭載機の受注残高(A320neo 7,400機、737MAX 5,388機)の高水準維持と旅客需要回復が需要拡大を後押し。チタンアルミブレード販売エンジン基数は630基(前年同期比+29.9%)。
通期予想(売上高5,050百万円、営業利益1,070百万円)は前回から変更なし。
成長戦略
LEAPシェア拡大・新材料垂直統合・新規エンジン部品案件の3軸で収益多様化を推進
欧州企業1社依存の材料供給リスクを解消するため自社開発した新材料の量産化に目途が立ち、SAFRAN社と新材料供給・シェア拡大契約を締結。翌事業年度より量産供給を段階的に開始し、2028年からシェアを現在の40%から40%台後半に拡大予定。新材料用ラボ棟・量産工場の建設を進行中。
高水準の受注残高を背景に航空機メーカーが増産を進める中、マーケットシェア拡大に対応するため生産能力強化を目的とした設備投資を推進。2026年3月末時点の建設仮勘定は972百万円と前期末比約4.5倍に拡大しており、投資が本格化している。
LEAPエンジンとは異なる2つの航空機エンジン部品の量産立上げを2024年竣工の新工場において同時並行で推進。当事業年度中の量産開始に向けて準備を進めており、実現すれば特定顧客・製品への依存度低減と収益多様化に寄与する。
最終更新: 2026年7月17日

