介護人材の確保難
介護業界は慢性的な人手不足であり、2025年12月時点の介護サービス有効求人倍率は4.10倍(全職業平均1.17倍)と極めて高い水準にある。管理者・介護スタッフを確保できない場合、新規拠点の開設時期遅延や開設後の入居受け入れ停止が発生し業績に影響する。対応策として待遇改善、資格取得支援、自社開発システム「CareMaster」の活用、ドミナント展開による人員充足、高卒採用の開始等に取り組んでいる。
介護・診療報酬の法改正リスク
介護報酬は3年ごと(次回2027年4月)、診療報酬は2年ごと(次回2026年6月)に改定される。2024年4月改正では訪問介護の基本報酬が減額・同一建物減算が拡充されるなど事業に直接影響する改定が行われており、介護保険収入は介護事業売上の約56%を占めるため、将来の大幅減額・新規減算・利用者自己負担増等が発生した場合の業績影響は大きい。対応策として訪問看護事業の拡大による収益源分散、サービス付き高齢者向け住宅売上の確保、「CareMaster」を活用した効率的運営体制の構築を進めている。
事業指定・登録の取消リスク
訪問介護・訪問看護・居宅介護支援等の各サービスは都道府県・市区町村・地方厚生局の指定(有効期間6年)を要し、運営基準・設備基準・人員基準の常時充足が義務付けられている。行政による「ローカルルール」が存在するため、当社のリスクコントロールが機能しない場合に指定取消・介護報酬返還・新規受け入れ停止等の行政処分を受ける可能性がある。対応策として、疑義発生時の行政への随時確認、内部監査、上長による書類確認、定期研修等を実施しており、これまで行政処分を受けた事実はない。
有利子負債の増加と金利上昇
当連結会計年度末時点の有利子負債残高は3,578百万円、有利子負債依存度は61.6%と高水準にある。今後、リースに関する会計基準の適用に伴うリース負債の計上や自社保有物件での新規拠点開設により、有利子負債残高・比率はさらに上昇する見通しである。日本銀行の金融政策変更等により市場金利が上昇した場合、支払利息の増加や資金調達コストの上昇により事業展開スピードが減速する可能性がある。
テナント賃貸借契約リスク
サービス付き高齢者向け住宅のサブリース契約はオーナーとの賃貸借期間が基本25年間であり、解約には一定の制約があるため、稼働率が著しく低下した場合や近隣家賃相場の下落が生じた場合に業績が悪化するリスクがある。また、解約不能期間経過後にオーナー側から契約解除を申し出られた場合、運営棟数が減少する可能性がある。さらに、リースに関する会計基準の変更により借上物件のリース資産・負債が貸借対照表に計上されることで財務比率の悪化や減損損失が発生する可能性がある。
固定資産の減損リスク
当社グループは「アンジェス」を11棟保有しており、業績動向によっては固定資産の減損会計適用に伴う損失処理が発生する可能性がある。不採算拠点の増加・閉鎖集中や保有物件の減損処理が必要となった場合、多額の減損損失が発生し業績・財政状態に重大な影響を及ぼす。対応策として拠点単位での収益管理を実施し、施設長に収支責任を持たせ、収益性悪化拠点には積極的に対策を講じている。
特定技能外国人受入れリスク
2025年の制度改正で訪問介護での就労が解禁された特定技能外国人(介護)の受入れを開始し、2025年12月末時点で18名、最終的に50名規模まで拡大予定である。言語・文化の違いによるミスコミュニケーションが重大な介護事故やクレーム・信用低下・損害賠償に繋がる可能性があるほか、円安・人材獲得競争激化・出入国管理政策変更等による早期離職や雇用維持コストの増加が採用・育成投資の回収を困難にするリスクがある。
物価高騰による収益圧迫
建築資材や職人の人件費高騰により、自社保有物件の取得原価が過去と比較して増加する可能性がある。また、介護運営においてもインフレによる人件費・食材費・その他運営コストの上昇が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。当社は設計から建築まで一気通貫で提供することで建築原価を相対的に低く抑えることを強みとしているが、コスト上昇圧力はその優位性を縮小させる可能性がある。
新規拠点開設の遅延・未達
新規拠点の開設はオーナーの意向や融資を実施する金融機関の動向に影響されるため、開設・受注ができない、または計画を下回って推移する可能性がある。また、単一年度に多数の拠点開設が集中した場合は費用先行による赤字期間が重なり業績の下押し圧力となる。さらに建築工事において予期できない理由による工期延長が生じた場合、売上計上時期が遅れ当該年度の業績に影響を及ぼす可能性がある。
特定経営者への依存
創業者であり代表取締役社長の北山忠雄氏は経営方針・事業戦略の立案・決定における中枢的役割を担っており、同氏が業務継続困難となった場合に業績へ重大な影響が生じるリスクがある。また、同氏および二親等内親族が発行済株式総数の61.6%を保有する支配株主であり、持分比率が低下した場合には株式市場価格や議決権行使状況に影響を及ぼす可能性がある。対応策として役員への情報共有・権限委譲を進め、特定個人に過度に依存しない経営体制の整備を進めている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

