少子化・保育需要の減少
コロナ禍以降に少子化が加速し、保育所利用者数は2024年の271万人から2025年には268万人へと3年連続で減少。エデュケア事業の収益は園児・児童数に直接連動するため、想定した園児数の獲得が困難となった場合、経営成績および財政状態に影響を与える可能性がある。一方、女性就労率の上昇や共働き世帯の増加により潜在的な待機児童数の高止まりが継続すると見込んでいる。
国・自治体の政策変更リスク
ベビーシッター利用支援施策(こども家庭庁割引券・東京都支援事業)や介護保険法、認可保育所への補助金など、国・自治体の方針が事業成長に大きく影響する。これらの制度が縮小・変更された場合、チャイルドケア・エデュケア・シルバーケア・研修の各事業において収益が減少する可能性がある。対応策として政策動向の緊密なモニタリングと事業ポートフォリオのバランス維持に努めている。
人財確保・育成の困難
2026年1月の保育士有効求人倍率は3.88倍と前年(3.78倍)をさらに上回り、ナニー・ベビーシッター・ケアスタッフ等の採用競争も激化している。人財確保が計画どおり進まない場合、既存施設の運営や新規施設の開園計画に遅延が生じ、経営成績および財政状態に影響を与える可能性がある。対応策として新人事制度の運用、地方採用・借上げ社宅の拡充、DX活用による採用・育成強化を推進している。
個人情報漏洩リスク
園児・高齢者・保護者・人材登録者など幅広い年代の個人情報を大量に保有しており、万一漏洩した場合は社会的信用の喪失、利用者退会・退園、新規施設開設への影響など事業全体に波及する。2017年にISO27001認証を取得し、月次品質管理会議での情報インシデント監視やリスク管理委員会への報告体制を整備している。
競合激化・新規参入リスク
待機児童の減少を背景に保育所の受託競争が激化し、一部地域では価格競争が発生している。チャイルドケアおよびシルバーケア事業においても、大手他業界からの新規参入や類似サービス事業者の増加により競争が激化した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として高付加価値・高品質サービスの維持、ポピンズブランドの差別化、競合動向の緊密なモニタリングを実施している。
法的規制の強化・変更
認可保育所・認証保育所・介護保険サービスなど主要事業が児童福祉法・介護保険法・食品衛生法等の規制下にあり、法令違反時には許認可取消しのリスクがある。将来、規制が強化または変更された場合、事業運営コストの増加や事業縮小を余儀なくされる可能性がある。対応策として運営形態の多様化と、公定価格に縛られないチャイルドケア事業の強化育成により事業ポートフォリオのバランスを図っている。
資金調達・金利変動リスク
保育施設の新規開設設備資金やM&A投資資金を金融機関借入で調達しており、有利子負債比率は2023年12月期18.2%、2024年12月期23.8%、2025年12月期14.8%と推移している。今後の新規開設やM&A拡大に伴い借入が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化により計画どおりの資金調達ができない場合、設備投資や新規事業が制約される可能性がある。
事故・安全管理リスク
0歳から学童を対象とするチャイルドケア・エデュケア事業および要介護高齢者を対象とするシルバーケア事業では、サービス提供時の不測の事故を完全に排除することは困難である。重大事故が発生し当社グループの責任が問われた場合、信頼低下・ブランド毀損・訴訟費用により事業展開および経営成績に影響を与える可能性がある。対応策としてISO9001に基づく定期教育・マニュアル遵守、月次品質管理会議でのトラブル共有・再発防止、保険加入を実施している。
感染症・自然災害リスク
施設・居宅でのサービス提供を行うため、未知の感染症流行時には保育士・ケアスタッフ等の多数欠勤により施設運営が困難となるほか、ベビーシッターのキャンセル増加など経営成績に影響を与える可能性がある。また全国展開する保育・学童施設が大規模自然災害に被災した場合、事業所の稼働停止によりサービス提供が不能となるリスクがある。リスク管理委員会を通じた感染症対策・備蓄・訓練・事業継続計画の整備により対応を図っている。
大株主集中によるガバナンスリスク
代表取締役社長の轟麻衣子氏およびその親族・資産管理会社が発行済株式総数(自己株式除く)の60.9%を保有しており、議決権が特定株主に集中している。何らかの事情により大株主の持分比率が低下した場合、株式市場価格および議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性がある。轟氏は少数株主の利益にも配慮する方針を有しているとしているが、構造的なガバナンスリスクとして認識が必要である。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

